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発見された死体の真相を抉るミステリー小説。
カテゴリーとしてはミステリー小説だと思うのですが、警察小説でもあり、クライム小説でもあったと思います。
身元不明死体発見からの現在進行形のパートと、異端の棋士の身上を物語るパートから構成されているので、どこでクロスするのか、犯人は?動機は?と引き込まれていきました。
相変わらず骨太な展開ですが、女関係がきれいにまとまっていましたがけれど、もっと男は女に対して節操がないと思います。
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ここが良かったとか、特別琴線に触れる部分は少なかったように思う。
そしてかなりの長編だ。
しかし、飽きることなく、気がつけば読み終わっている。
物語全体が醸し出す重厚感がある。
将棋のみならず、あらゆる場面が勝負ごととして捉えられるからかもしれない。
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将棋に憑かれた男達の生き様死に様。
辿り着きそうで、まだ霞がかった真相を掴みたくて、止まれない。
まさに一気読み以外できないミステリー。
圧巻の560P超、あっという間に読める。
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ひさびさに手応えのある推理物を読んだ。
最初は将棋?と疑問に思って読み進めめると
捜査と並行して、遺体が胸に持っていた名品の駒が
何らかの意味を持って登場してくる。
将棋の駒自体にそんなに価値のある物が存在するとは
全くこの小説を読むまで知らなかった。
貧しかった少年が辿る将棋との出会い、幻の名品と言われ将棋の駒を巡る数奇な少年の運命は、果たして
幸せだったのか。
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うーん。なんというか、思っていたミステリーとはだいぶかけ離れた作品。これはなんというか、人1人の壮大な物語というか、運命に翻弄された天才棋士の物語です。
天才棋士の上条桂介は、東大出身で、外資系の企業に就職した後、3年で退職するも、自分でソフトウェア会社を立ち上げ、年商30億のITベンチャーの旗手となった。その後引退し、プロ棋士となった異端児。
山中で白骨死体で見つかった側には名駒が置かれていた。その駒は上条の持ち物ということで捜査の手が伸びるが・・・。
もちろんミステリー要素も多分に含まれていますが、それ以上に上条の人生の壮絶さを思わずにはいられません。
私は将棋は全くの無知ですが、それでも十分に楽しめる作品です。それにしても柚月裕子。上手いなぁ。
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んー!面白い!柚月小説はホントに厚い、いや、熱い!
警察小説と将棋小説、両方の面白さがぎゅぎゅっと濃く煮詰められている。犯人捜しよりその意図、そして意味に興味を惹かれとにかく読み続けるしかない。徐々につながってく線、明らかになる背景、あぁそういうことだったのか…と思わず目を閉じる。
救いのないラスト、だけどあの瞬間全てから解放されたのだな、と深いため息をつく。
これを読むと、真剣勝負、という言葉の本当の意味を知る。そして将棋を指したいという気持ちと、将棋を指す恐ろしさを同時に感じる。
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「慈雨」で一皮向けたと感じましたが、今度は将棋でまた半皮ぐらい向けた印象です。展開力は相変わらず素晴らしいですし、禁断の愛に疾り神経を病んでしまった薄幸な母親とゴッホの十二輪のひまわりを重ね合わせるなど心憎いばかりです。ただ著者の作品でいつも思うのですが、少し喋り過ぎ・書き過ぎなところが気になります。本作では、終章はバッサリ切った方が良いのでは?折角の良作の奥行が狭まった印象です。
と言っても550頁超の素晴らしい力作です。本当に楽しめました。
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天木山で見つかった死体が持っていたのは将棋の駒。
この遺留品をたどっていくと1人の棋士にたどり着いた!
事件を追う2人の刑事の視点と 異色の天才棋士 上条桂介の視点で物語が進んで行く。
死体は誰? 犯人は誰? 動機は?
将棋は一応知ってるけど 対局のシーンは分かりづらい。
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将棋青年の物語。駒の行方も追いながらも、息もつかさず最後まで読み進めました。力が入っちゃいました。将棋の魔力に取り憑かれてしまった将棋の世界の人々でした。いつ犯人にたどり着くか、そして死体は誰か。楽しめました。真剣師の気迫はビシビシと伝わりましたが、向日葵のところと犯人の心の内はあと一歩のところかなと。そこのところ、個人的にはもう少しドロドロしたものが欲しかった。いやでもまあ充分満足の一冊。
将棋の知識がなくても楽しめるけれど、知識がある人がより一層なのではないかな。
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今作は話題の将棋界が舞台。
若き天才藤井聡太四段を思わせる棋士が、遅れてきた天才棋士と竜昇戦を戦う。
そんな中、幻の名駒が共に埋められた白骨が発見される。
謎を解く刑事は奨励会からプロになれなかった落ちこぼれと、とにかく全てが将棋だ。
そして最も魅力的なのは伝説の真剣師・小池重明をモデルにした破滅型の棋士。
そこそこ厚い本だが、全く手は休められない。さすがの作品だ。
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生い立ちと才能のキャップが悲劇を生んだような気がする。ろくでなしの父親でさえも、子供を虐待する何らかの理由がある。何度か運命から逃れられるチャンスがあったのに、と思うと残念だ。将棋に詳しくないので、盤上の醍醐味がわからなくて・知っている人はもっと楽しめただろう。
それにしても、母の思い出の向日葵に魅せられた桂介の愛情を希求する姿に切なくなった。
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山中で発見された白骨死体。現場に残された唯一の手がかりは伝説の名駒だった。4か月後、2人の刑事が竜昇戦の会場である天童に降り立つ。世紀の対局の先に待っていた、壮絶な結末とは-。
将棋は駒の動かし方しか知らない。そんな私でも十分楽しめたのだから、将棋に詳しい人なら相当満足できたのでは?
ラストは若干乱暴な気はしたけれど、これだけ読みごたえがあれば十分。
(B)
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ミステリーというより
天才棋士の過酷な物語という感じが強い。
前半は佳介少年の生い立ちが切なくて
胸を詰まらせながら読んだ。
重慶と出会ってからどんどん将棋にのめり込む
のは分かるのだけど
健気で寡黙だった佳介少年が
最終的に報われないのが
どうしても
納得いかない。
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将棋がわからなくても楽しめる、と書いてあったので、将棋を理解するのにももってこいと思って手に取った。
たしかに将棋を知らなくても小説として楽しめる。しかし多くの部分を読み飛ばす結果に。
将棋を知っていたらもっと星が増えたのか、あるいは減ったのかは謎。
ただ将棋界のピラミッドには理解が深まった。
今将棋界では若手棋士に注目が集まっているが、こういう天才の出現もあったら面白い。しかしIT長者ってところかちょっと安直でした。
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休む間なく引っ張られるように読了。
身元不明の白骨死体、胸に抱かれているのは将棋の駒。
この駒はこの世に7つだけ存在する名駒だった。
駒がたどった過去を探り、
白骨死体の身元を探る。
行き当たったのは
異色の経歴をもつ棋士と真剣師。
桂介をとりまく環境と彼の生きた人生が悲しく切ない。
幸せでいてほしい、なってほしいと願いながら読み進めた。
追う二人の刑事も魅力的だった。
クセのある中年刑事、元棋士の若い刑事、いいコンビ。
迫るような気迫に満ちた文章に読了後も
呆然としてしまった。
柚月さん、さすが!!
これ、いい、絶対!