紙の本
ペットの種類が多い時代の「街の獣医さん」の現状。
2017/11/24 16:07
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近は犬・猫以外のペットの種類も増えた。獣医さんとはいえ街中で開業すれば予測できない動物種が持ち込まれることもあるだろう。その大変さやその中にある「やりがい」などが文章からよく伝わってきた。
昔は町の獣医さんは「犬猫病院」だったりしたことを思い出した。獣医学部には「畜産」という部門もあり、ウシやウマ、ブタなども獣医さんの「患者」なのだ。著者の書く通り、これらの「哺乳類」はそれなりに獣医学部で知識を得られる。しかし「ペットの獣医」さんのところには爬虫類も来るし魚類も来る。その辺は「学んだ基礎知識」を使って自分で展開していくしかない。
実際扱った事例がたくさん出てきて興味深く読んだ。易しい文章だが「動物を扱う仕事がしたい」人に参考となるような文章も多かったので、読者対象は小学生以上ぐらいだろうか。大人が読んでも充分面白かった。
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小学生向けにひらがなが多く優しい言葉で書かれています。
作者の多くの経験から出される答えには非常に納得させられる。
動物が好きだから別れの多い獣医にはなれないという人も、動物が好きだから多くを救いたいと獣医になる人もどちらも想いは同じ。自分ががんばれる場所で動物の為に何かをしようとおっしゃってくれてます。
多くのお子さんに読んでもらいたい一冊。おすすめ。
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田向健一 著「珍獣ドクターのドタバタ診察記 動物の命にまったなし!」、2017.8発行です。先日読んだ「珍獣病院 ちっぽけだけど同じ命」の子供用版みたいです。日本の獣医学はペットのためにできたのではなく、明治時代、戦争や農業で使われていた馬の病気をみるために生まれたとのこと。「颶風の王」(河﨑秋子 著)にも書かれてましたが、先の戦争で50万頭の馬が兵士と共に大陸に行ったのでした・・・。戦後は家畜の管理がメインだったと。今はきっと犬や猫たちの診察・治療が中心でしょうね。しっかりお世話して共に長生きですねw!
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さまざまな種類の動物をみてくれる
獣医さん。
診察した動物は、百種類以上。
いろいろな動物を治療する為の
努力や工夫、動物との向き合い方など、
動物が好きという気持ちが
伝わってきました。
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犬猫以外のエキゾチックペットも診療してくれる獣医さんの話。ウサギ、リス。鳥、カメ、イグアナ、カエルなど多種多様の生物を診療する。
前例も保証もないままペットと飼い主に向き合って日々勉強されている姿に脱帽。
ペットは飼ったことはないが、読んでいて愛情と心構えを感じた。こういう先生がいたら心強いだろう。
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こんなにいろんな種類の動物を診てくれる先生がいるんだ!すごいな〜。珍しい手術の話が面白かった。初めて挑戦する時って怖いだろうな〜。死なせてしまった話って、あまりしたくないだろうに、してくれるのね。命と向かい合う仕事、しんどいだろうけど頑張って、先生!
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セキセイインコを飼うようになり、小鳥をみてもらえる動物病院を探すのに一苦労。ありとあらゆるペットを診てもらえる動物病院の先生の著書。生き物好きには堪らない。子供の頃この本に出会っていたら、獣医さんが将来なりたい職業のひとつになっていたかもしれない。この夏一押しの一冊!読書感想文にも♪
#読む力は生きる力#経験から学ぶこと#生き物好き#インコ好き#カメ好き#夢は知識から#珍獣ドクターのドタバタ診察日記#獣医さん#読書感想文#pageturner
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「なんでも診察する」獣医さんによる、獣医さんの日常がわかりやすく書かれた本。
仕事のことだけでなく、大学で勉強するにあたって動物実験が行われていることについては、先日見たドラマの、戦時中に行われたアメリカ人捕虜への実験手術と重なり胸が痛みましたが、これも必要なこと…
獣医に興味がある子、動物を飼っている子や飼いたいと思っている子にはぜひ読んでもらいたい本です。
途中にはさまれているイラストつきのコラムも面白かった。
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動物を治すため、治療器具を発明したり、治療法を探したり、目の前の動物を救う為に奮闘する獣医さんのお話。つらい一面もしっかり教えてくれる。中学生に勧めたい。
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開業獣医による動物との付き合い方。
著者の動物病院は「犬猫以外も診ます」としているので、様々な病床の様々な動物たちが運ばれてくる。
人間の医者は病床により専門医がいるが、動物病院はすべてをやらなければいけない。珍獣ドクターというだけあって初めての症例も多い。この症例やその都度工夫する治療方法が読んでいて楽しい部分だ。
タマゴが詰まったアメリカドクトカゲ
口内炎のトカゲ
逆さまつげの犬のまつげを抜く
結石のできたカメ。お腹の四角のうち三辺を切り、繋がっている一辺を蓋のように開けると、くっつきやすいんだそうだ!
鰓呼吸生物の手術には、濡らしたスポンジにくぼみを付けてを手術台にして寝かせる
甲羅が割れたカメの甲羅を張り合わせる
水槽の温度計を飲み込んでしまったカエル
初めて診る動物は、麻酔の量もその都度計算する
毒のある大型動物は、頭にタオルを掛けて、踏んづけて治療するという体当たり 笑
そしてペットが長生きするために癌になったり、飼い主が動物には栄養過多な餌を食べさせてしまって病気になるケースなど、ペットの現代病だよなあと思う。
命と向き合う仕事なのでドタバタ騒動だけでもなく葛藤も多い。動物の命は待ったなし。朝大丈夫だったから、と思ったら昼には死んでいるのが動物。ペットの治療や手術は飼い主の判断になる。
年老いた動物を無理やり生き延びさせるのか?
助からないが苦しみを軽くするために手術をするか?
著者の生い立ちを通して、動物好きな人が就く職業のことも語られる。そういえば大学の獣医学部というのは、明治時代に戦争や農業で使われていた馬の病気を診るためにできたもので、戦後は人間が食べたり農業で使ったりするための、家畜管理の仕事のためになったんだそうだ。そっか、獣医とは動物のお医者さんのイメージがあったんだが、元々は人間が利用する動物(ペットではなくて家畜とか)を治したり、動物を食べても安全かを検査するものだったんですね。
そして読者、飼い主に「命を飼うことへの向かい合い方」を呼びかける。
ペットが病気になることもあるが、自分のできる範囲の面倒を見れば良い、ペットのために自分の生活を犠牲にすることまで思いつめなくて良い。
命を飼うのに大切なのは最期まで面倒を見ること、死を見届けること。「死とは怖くも悲しくもない。市に向かっていく動物と向き合うことを恐れる必要はない。命は終わるもので、飼い主によって引き伸ばせるものではないと受け止めること。最後をしっかり見届けること」命には終りがあるからこそ、今を大切にしようという気持ちを持てるのだ。