投稿元:
レビューを見る
長野まゆみ最新作。
宮沢賢治とその作品が主軸になっているが、他にも実在の人物や現実に起きたエピソードが絡み合っている、ユニークな構成。随所に挿入される引用文も様々。この辺りは宮沢賢治ファンならより楽しめるのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
宮沢賢治とゴッホの関連性、特にゴッホがテオに宛てた手紙(P64~)の内容と銀河鉄道の夜の相似性はこの本を読まなければ私は知り得なかったので、その点だけでも読んだ価値があった。
投稿元:
レビューを見る
時空を超えて存在する「銀河通信社」の日曜版に〈賢治さんの百話〉という記事が連載されており、そこからの抜粋という形をとっている。
銀河通信社では「故人の意識をとらえる通信システム」を擁しており、賢治さんにゆかりのある、あるいは賢治さんの作品世界の中に住む人たちにお話を伺うという形で、取材を行ったのが〈賢治さんの百話〉である。
その中で、作品・心象スケッチが書かれた背景などを探る。
賢治の時代の東北地方の歴史、また、彼が予言した未来…つまり戦後や現代の事情なども合わせて描かれる。
賢治さんというのは、宮沢賢治のこと。
長野まゆみ氏の、賢治に対する愛情と、考察と薀蓄、深い理解と妄想にあふれた本作である。
なんだかよく分らないところも多いのが、賢治作品と似ているような。
とにかく素晴らしい労作だ。
趣味で賢治の研究をしていたという文学者の北原百秋(“白秋”ではない)氏、乗り鉄で有名、小説家の内田白閒(“百閒”ではない)氏には賢治と鉄道の話なども伺う。
なお、多くの記事の聞き手となった、銀河通信社速記取材班の児手川清治氏は、現在の河出書房新社の前身である成美堂にお勤めだったということだ。
故人である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
賢治作品、童話は読んでいるが、詩集は少し敷居が高く、未読だ。
でもこんな風に紹介されると、美しい言葉で編まれているのだな、と思う。
がんばって読んでみたい。
投稿元:
レビューを見る
宮沢賢治氏の書かれた物をランダムに取り上げて、何かしら関わりのある人物にインタビューするという形態で、作品の内容を解説し賢治氏とはどういう人だったのかを浮かび上がぜている。ある意味変質的な丁寧さで、作品がどんどん解体されていくような面白さがあった。
投稿元:
レビューを見る
+++
銀河通信につないでごらん、賢治の声が聞こえてくる……足穂や百閒とおぼしき人々から登場人物までが賢治を語る、未知なる小説体験!
+++
銀河通信に毎月第一日曜日に掲載された<賢治さんの百話>を一冊にまとめたもの、という趣向である。宮沢賢治にゆかりのさまざまな人々に取材して集めた知られざる賢治さんの魅力が満載である。なんと、通信回線を何とか同調させ、賢治さんご本人のインタヴューまで載せている。賢治さんのものを見る目の正確さや、それを表現することの巧みさが、ときどきのエピソードとともに綴られていて興味深い。ゴッホとの比較にも興味を惹かれる。宮沢賢治その人を、新しい目を持って見つめ直せる一冊かもしれない。
投稿元:
レビューを見る
背表紙には黒字に金の文字で「銀河の通信所」と書かれていて、それだけでもう幸せ。表紙も裏表紙も美しく、手に持つだけで本当に幸せ。内容は、記者が宮沢賢治ゆかりの人々を訪ね、話を聞くというインタビュー形式。そしてそのインタビューは、銀河通信によって私たちに届けられる!いろいろな分野の専門家から見た宮沢賢治について書かれていて、とっても面白かった!ゴッホの黄色の話が好き。
投稿元:
レビューを見る
長野まゆみさんの新著~と飛びついたのですが、宮澤賢治さんに関しては一部の作品しか知らないので、置いてきぼりにされた感が。しおりまで抜かりない、美しい装丁は素敵なのですが、手元に置いておくかどうかは悩みどころ。再読するかなぁ。この本。
投稿元:
レビューを見る
宮沢賢治ゆかりの人物へのインタビュー記事の連載という設定が楽しい。出版元の河出書房新社をめぐるエピソードといい、読み進めていくとフィクションとノンフィクションの境目がわからなくなる感じ。
残念なのは、私に宮沢賢治についての知識が乏しかったこと。人と作品に詳しい人なら、もっと楽しめたはず。
投稿元:
レビューを見る
銀河通信社の児手川清治さんが賢治さんゆかりの人々にお話を訊く〈賢治さんの百話〉(^^)不思議で楽しく面白い♪できれば一話から百話まで購読したかったよ(^^;)あ~また花巻や遠野に行きたいな~(*´-`)宮沢賢治作品も読みたくなった!多分どこかに蔵書があるはず(-_-;)
投稿元:
レビューを見る
銀河の通信所と接続すると、賢治さんの生きた時代からの通信が届けられる。
それこそ銀河鉄道の父がみた、生身の賢治さんをよく知る人たちからの賢治さんの評伝が。
インタビューを試みてくれるのは、銀河通信所の速記記者。そして、インタビューされるのは、ある時は物語の中の人物であったり、詩の中の情景描写であったり。
賢治さんを語る彼らの話は、とても生身の賢治さんであり、とても儚い銀河の彼方からの通信。
時空を超えた銀河通信が届けてくれる物語は、賢治さんを愛する人の心を静かに満たしてくれる。
わたしは、とても静かにこの作品を気に入った。
投稿元:
レビューを見る
長野まゆみ先生、ほんと宮澤賢治好きなんだな・・・
こりゃ宮澤賢治相当詳しくなきゃ楽しめないな・・・という賢治フリーク向け小説
投稿元:
レビューを見る
ほんとに宮沢賢治好きなんやな…というのは伝わるし、やりたいことも言いたいこともまあ分かるし興味深い内容やけど、面白くはなかった。引用されてる作品はマニアックなのが多いし、知ってて当然、でも若い人は知らないでしょうねっていう口調だし、たくさんキャラクター出てくる割には全員長野まゆみだった。稲垣さんの短編小説というやつも、長野まゆみらしいなとは思ったけどタルホっぽいとは思わなかった。
でも作者が楽しんでるのは伝わってくるし、雰囲気はとてもよくて、長野まゆみ好きならこれこそ!て感じなので、読んで損だったということはない。
宮沢賢治は何冊か持ってるけどほぼ全部積んでるから読まねばなあ。ポラーノの広場が入っとる文庫どこにあるんやろ。実家かな。
投稿元:
レビューを見る
宮沢賢治作品が好きなので、興味深く読みました。
彼の生きた時代のことが少しは分かったような気がします。
ただ、急いで読んだせいもあって、頭の中であまり整理できなかった…。また、いつか、ゆっくり読んで整理したいです。