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国家の哲学 政治的責務から地球共和国へ みんなのレビュー
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紙の本
本書の多面的で豊富な議論から多くを学ぶことができる
2020/08/28 09:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ソクラテス以来の根本命題への対峙にはじまり、世界秩序構想へ辿り着く思想の成長物語。アリストテレス、ホッブズ、カント、ロールズ,サンデルなど、古今の思想の渉猟を通して国家の存在理由と意義を解明する。国家はなぜ存在し、その本質はどこにあるのか、全体として本書の議論がきわめて誠実であり、高度の一貫性を保持したものであることは疑いえない。地球共和国、割当責任論など、グローバル法の基礎づけとなるような理論が論理明快に提示されている。複合国境論は個人的にはシンパシーを感じるが、公法学が秩序の断片化をなぜ警戒するのかという点と併せて精査が必要かもしれない。まさに、読んでるこちらの頭まで良くなったような気にさせる本。そして原典を手に取ってみたくさせる本。
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