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主人公の女の子たちの、心に残してある秘密のようなお話を聞けました。悲しさだったりワクワクだったり切なさだったり感動だったり、くるくる動く気持ちを追体験できて、読んだ後に心が軽くなれます。じわじわと、染み込むように効いてくる短編小説で、好きです。
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本格的な文芸書籍で驚いた。一番のお気に入りは巻頭の「世界が終わる前に」一瞬の青春、どことなく現実離れした感覚、切なさ。文章力が素晴らしい。
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今まで通りすがった人との一期一会の柔らかい関係。
ふと思い出すこともあるし毎日の忙しさでうもれていたあの頃の関係。
自分にとっての「通りすがりのあなた」を思い出すいいきっかけになった本。もう今は連絡をとってないけどあの頃時間を共有した人。だれにでもそういう人はいると思う。
小説には「内容の没入感を心地よく与えてくれるもの」と「自分の経験から共感したり回想へ向かわせるもの」の2つがあるけどこれは両方兼ね備えている。
作者の海外経験から書いているのか描写がリアルで比較文化的な面白さもある。
ただ感覚としてはやや若い!と感じる。
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ずっと、こういう本が読みたかった。
わたしにもいるし、いたのです。
友達でもないし恋人でもない、なんて呼んだらいいのかわからないけど心地いい距離感の異性の知り合い。
で、ふと、その人と疎遠になっていくらか経ってからその人のことを思い出してみる。
あの時こんなこと言ってたなあ、あんな所作だったなあ、と。
そしてそれは振り返ってみると自分の人格形成にわりと影響されていたりする。
はあちゅうさんはエッセイのイメージだったけど、こういう小説もっと書いてほしいです。
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2017.12.27
早く読み進めたいような、でもなんだかページをめくるのが少し緊張するような・・そんな感じやった。
恋人でも友達でも家族でもない関係、もう二度と会うことはないだろうけど確かに存在したあの人との瞬間、ああなんかわかるかも、と。うまく説明できないけど、誰しもそういうことってあるんだなと思った。
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ふんわり、優しい日記のような一冊。この年代だからこその表現や描写。数年後に読んだら、当時の気持ちが蘇るのか、全然違う気持ちになるのか。
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All stories are related to foreign country. After reading this book, I feel like to go abroad.
(えりりんさん)
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繊細な感情表現と、はあちゅうさんならではの新鮮な視点を知ることができた。はあちゅうさんの小説はふんわりとした軽やかさがあり、読みやすいけど、深い。不思議な感覚。
六本木のネバーランドが一番好きかな~。
一番印象的だった文章:
そもそも、「救う」なんて傲慢だと思う。彼は今、彼の住む世界では幸せかもしれないから。精神を病むこたは不幸せに思われがちだけれど、それは周りからの見え方であって、本人にとってつらいかどうかは、本人しかわからないことだ。私の孤独が私だけのものであるように、彼の感情は彼の持ち物だ。
いま身内に精神疾患を抱えてる者がいるので、この文章を読んでからは、なんだかあれこれ考えてしまう。
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思ったより女流作家然とした短編集だったな…。
なんとも名状しがたい友情?親愛?で繋がった人達の切り取った日常。
さびしくてもはがゆくても、生きていくから、あなたのことを思い出す日があるよ。
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180830 − 180906
ちょっぴり著者の人格とかを考えちゃった本でした。良いとか悪いとかではなくてね。
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香港に留学したとき、冴えない私によくしてくれた人気者のマイケルの心の闇。
失恋と職場の先輩の自殺に心がふさいだときに助けてくれた妖精の存在。
イギリス精神が根付いているマリアと日本とイギリスで過ごした価値観のこと。
青春を謳歌中の女子大生が合コンで知り合った人の六本木の部屋に住む森さんとの交流。
パナマに留学して自分のホームステイ先を恨んだけれど、それを羨む人もいたこと。
サンディエゴの彼氏の家で過ごした夏休みに出会ったルームメイトのアレックス。
世界一周旅行中に出会ったコウさんとの捕まえることのできなかった追いかけっこ。
日本での価値観だけに縛られていては、もったいないのかもね。
名前のつけられない人間関係。
友達でもなければ恋人でもない、人生で一度しか会ったことがない人なのに、強烈に記憶に残っている人。
いるよね、そういう人、たぶん。
友達なんかじゃない、でのパナマ留学のやつが印象的。
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友達でも恋人でも夫婦でもない
“名前のつけられない人間関係”を描いた小説。
私も今まさに
名前のつけられない関係の人のことを
考える日々を送っていたので、
日本では名前がついてないだけなんだよ、と、
世界目線を提示してもらえたのがよかった。
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7つの短編が入った小説。
どれもタイトルの通り、一時的に知り合い通り過ぎていく人との出会いの話。
コミュニケーションの中でもやっと不快に感じたりアウェイな環境での弱い立場など、誰もが感じたことのある心情がリアルに描かれていた。
旅の話が多く、旅をした友人から話を聞いているような。本を読むからこそ自分でできない体験が本を通してできるそんな一冊。
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読書始めたてな私にとって、短編集だから読みやすかった。名前のない関係性…曖昧でなんとも言えない美しさ、儚さがそこにはあるのでは無いか。そう思わさせる小説だった。
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ねぇ、ほんとわかるよ、と切に彼らに言いたくなる。本来、言語化したくないような生々しい感情や表現。でもこういうのって、いつも表には絶対に出さず、普段は何食わぬ顔で押し殺してる感情たちだ。
いろんな年齢での、あらゆる出逢いの短編集。年齢が異なるからこそ、出逢う人たちへの感情や感じ方・接し方がその時々で違っていて、それぞれにいちいち共感できる。
あとがきの言葉に妙に納得する。
「自己啓発本が人生に即効性のあるものだとすれば、小説やエッセイは、じわじわと時間をかけて効いてくる感じ」
まさに。この小説の中の、同じようなシーンがわたしの人生で起こった時に、わたしはきっと、彼らのことを思い出すんだろう。
みんな、どんなひとだって。孤独と闇を持っているのかもしれない。だとしたら、わたしの持っている孤独は、あるいは、わたしだけのものではないのかも、なんて思う。
なんだか心の深いところにすっ、と入ってきた短編集。 久しぶりにじっくりと、読み飛ばさず全て読み通した本。