紙の本
『念のため思考』
2017/09/05 20:34
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
常に最善の結果となり、「失敗」がいっさいなくなる
一流の人に認められ、大きなチャンスがくる
その繰り返しで、自分自身も一流の人間になっていく
それが「念のため思考」
ただし「念のため」とは段取りよくなどのスキルではない
相手の立場に立ち、相手を信じ、無償の愛をもって成功をめざすもの
「国際社会で仕事をしていく日本人ならではの働き方、生き方」を、ニューヨークの一流コスモポリタンを顧客に活躍するイベント・フローラル・デザイナーが提案する
ちりばめられたエピソードの数々が本書をきわだたせる花となっている
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【たおやかな存在】
徳升さんを想いながら読みました。
思考を学ぶ本というよりは、優しいお姉さんから経験談を語られているかのような、自然な本でした。
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念のための思考とは、沢山のバックアッププランを考えておくものかと思って読み始めたが、意に反して真逆で成功に結びつく本質的なことだけを厳選して実行することとわかり冒頭から意表をつかれました。自分軸の作り方や相手のコンテキストに心を配る、信じても期待しない、思考と言動を選ぶのではなくて厳選するなど何気ない言葉の中にも一流の考えたが凝縮されている本です。
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===qte===
『最善の結果を出す最強コミュニケーション 念のため思考』
-"NEN" way of thinking
徳升 笑子 著
マガジンハウス
2017/08 214p 1,300円(税別)
Prologue 一流の世界の扉は「実力」だけでは開かない
1.念のため思考とは何か?
2.念のため思考があれば、世界の一流に出会える
3.念のため思考が身につく10の習慣
4.一流の念のため思考でコミュニケーションする
5.最高の結果のために「念のため」を捨てる
Epilogue 101回目に受け取るもの
【要旨】海外でフリーランスとして働く、あるいは起業するなど、グローバ
ルに活躍する日本人が珍しくなくなってきている。とくに人種のるつぼと言
われる世界屈指の大都市・ニューヨークで活躍するには、国籍や民族、年齢
や動機の異なる人たちを相手に、またチームとして一緒に働くための真のグ
ローバル感覚が必要になるだろう。本書の著者、徳升笑子さんは、そのニュー
ヨークを拠点に活動するイベント・フローラル・デザイナー。結婚式などの
イベント、パーティなどで花の飾りつけをはじめとする空間プロデュースを
行う。徳升さんは、これまでに数々の著名人を含む「セレブ」たちと仕事を
してきた。本書では、その中で身につけた「念のため思考」と著者が名づけ
る考え方、成功法則を解説している。著者は、世界最大規模のアート&デザ
イン学校、パーソンズ・スクール・オブ・デザインに学びProfessional Floral
Designの資格を取得。自ら設立したプレシャススカイデザインのオーナーで
もある。
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●本質を見きわめ無駄な準備をしない「念のため思考」
国籍も人種も年齢も性別も違う、一流のコスモポリタンを満足させる花と
イベントスペースを作りあげること。それが私の仕事です。アメリカのフロー
ラルデザイナーの多くはイベントプロデューサーを兼ねており、花だけでな
く家具なども選び、内装も含めて会場を演出することも珍しくありません。
「国際社会で仕事をしていく日本人ならではの働き方、生き方」、それが
“念のため思考”です。日本人に備わっている気遣い、思いやり、慎重さ、
愛情深さ、やり遂げる力。自分なりに構築した、準備とプランの方法、観察
力と洞察力の磨き方。アメリカで学び取った、自己肯定感、自分を愛する気
持ち、自分と相手を信頼するというマインドセット。こうした要素を組み立
て、「どんな課題でも最善の結果に導くメソッド」として磨き上げたものです。
「すべてが計画通りにいくことはありえない」。私はこれを前提に、どん
な案件も引き受けています。これは、場当たり的な働き方ではありません。
計画通りにいかないからこそ、念のため思考で、たくさんの計画を用意して
おきます。ごく簡単な仕事でも、それに沿ったプランAに合わせてプランB
はマスト。最低でもプランCまでは“念のため”に用意して��きます。そし
て各プランについて「ありえない想定外」をできる限りピックアップし、そ
の可能性を潰していくのです。
「念のため思考って、準備をしっかりすることですか?」。こうした質問
を受けます。たしかに準備というのは念のため思考の大切な要素ですが、「念
のため思考=準備」ではありません。むしろ念のため思考とは、無駄な準備
をしないためのものです。
成功に結びつくことだけを厳選して実行する。これが念のため思考の極意
です。本質的なことだけを厳選すれば、準備は必要最小限ですみます。最も
大切なのは「最善の結果」であり、そこに結びつかないもの、逆に邪魔にな
るものは、すべて捨てていきましょう。私の場合は、「クライアントはどん
な距離感が心地よいか/どんなこだわりをもっているか/どんなスペースで
動きたいのか」を考えた上で、最適な準備をすることにしています。
自分を信じるというマインドセットがあれば、不安にのみこまれて無駄な
準備をしすぎることもなくなり、効果的な準備に集中できます。しかし念の
ため思考を身につけるには、自分を肯定するだけでは足りません。かかわる
すべての人を信じ、肯定し、尊重し、愛情を注いでこそ最善のゴールにたど
り着けるのです。
そのプロジェクトが一流であればあるほど、大勢の人とチームで動くこと
が不可欠。それなのに、「このスタッフは力不足かもしれない」「この人は
パートナーとして信頼できないかもしれない」と思っていたら、ゴールは遠
ざかってしまいます。
●パーティでのまさかの事態をとっさのアイデアで切り抜ける
「まさにこれが念のため思考だ!」という印象的な仕事を紹介しましょう。
その日のイベントは、ニューヨーク在住のゲイ同士のウエディング・パーティ
でした。招待客は300人という大パーティです。私は主役の二人に対して綿密
なコンサルティングを行い、「サングラスを使った巨大シャンデリアをメイン
に会場を演出する」という奇抜なアイデアを打ち出しました。
もちろん、サングラスでできたシャンデリアなどいくらニューヨークでも
手に入りません。そこで私は1,500個のサングラスを仕入れ、スタッフととも
に一から手作りしたのです。
ウエディング・パーティ当日、テーブルセッティングも花も完璧。天井が
高い会場をおさえ、サングラスのシャンデリアは、入口すぐの高い天井から
吊り下げる手筈になっていました。
メカニックの担当者がハシゴを使って吊り下げ、私たちはうっとりとそれ
を見上げました。ところが、その輝きは、ほんの数分の命だったのです。バ
シャーン! とんでもない音がした次の瞬間、サングラスのシャンデリアは
床に叩きつけられていました。
ここで原因を追及しても、誰かを責めても、何の解決にもならず、最善の
ゴールに近づくことになりません。なによりもう、パーティが始まる時間な
のです! 念のため思考は、失敗せず、最善のゴールにたどり着くためのも
の。そして���の日の最善のゴールは、「サングラスのシャンデリアの完成」
ではなく、「結婚する幸せな二人を祝うパーティを成功させること」でした。
一瞬固まったものの、私はすぐにこう宣言しました。「今日はサングラス・
ウエディングです!」
シャンデリアだったサングラスは、今や会場入口の“サングラスの山”に
なっていましたが、私は次々とやってくる来場者に、「さあどうぞ」と言っ
てサングラスを渡し始めました。
私はこの時、「シャンデリアが落ちたら、サングラス・パーティにする」
というプランBを用意していませんでした。しかし、「(1)準備する、
(2)観察する、(3)洞察する、(4)判断する、(5)対応する」とい
う念のため思考の基本が自然に身についていたから、その場で必要な行動を
厳選し、アイデアを出すことができたのです。
●よく観察し相手の“素”の部分を洞察し信頼関係をつくる
念のため思考には「信頼のマインドセット」が大切です。信頼するために
は相手をよく観察し、その気持ちを洞察しなければなりません。ただ、注意
したいのは、洞察してもジャッジしないこと。相手がいい人だろうと悪い人
だろうと、批判しないで受け入れる。
一流の人は肩書きや地位、あるいは業績やお金というたくさんの“服”を
まとっています。多くの人はその“服”の部分に注目し、そこに対してアプ
ローチするのでしょう。しかしそれでは、相手の外側にいる、その他大勢で
終わり、信頼関係を築くことはできません。しかし、念のため思考を巡らせ
て相手の“素”にフォーカスすれば、どんなに手の届かないような相手とも
人間対人間の会話が始まるのです。
私はどんな人でも、一回会ったらその帰り道からずっとその人のことを考
える習慣があります。いわば観察の“復習”で、これが洞察力を磨く訓練に
もなっています。「誰も彼もに対して念のため思考をするのは大変だから、
重要人物やキーパーソンに会った時だけやろう」と思うなら、やめておきま
しょう。プラスどころか大きなマイナスとなってしまいます。
私はキーパーソンというものは存在しないと思っています。たとえばイベン
トをチームで行う時、みんな役割をもっています。物を運ぶドライバーもい
れば、お掃除の人もいるし、料理人もミュージシャンもイベントプロデュー
サーもいます。全員に対して同じように念のため思考をしたほうが、結果的
にうまくいきます。その理由は3つ。
1つ目の理由は、チームだということ。チームで働いている時には、一人
のミスが全体に響きます。それを未然に防ぐには、一人一人との関係を築い
ておいたほうがいいのです。
2つ目の理由は、「キーパーソン」と思った時点で、その人との距離が遠
のくこと。相手の素の部分にフォーカスしようというのに“キーパーソンと
いう肩書き”をはめてしまった時点で色眼鏡となり、その人の人間らしさが
見えてきません。
3つ目の理由は、一流の人ほど、下心と打算を見抜くこ��。すべての決定
権をもつような一流の人は、細部までよく気がつきます。「ふん、私の肩書
きに対して尻尾を振っている」と見なされてしまうのです。
ビジネスパーソンも商談などで「キーパーソン」について考えることがあ
ると思いますが、一流の人はみな、念のため思考の持ち主なのです。こちら
の意図はすべて見透かされると考えておいたほうがいいでしょう。
コメント: ニューヨークのような多様性が高い環境で仕事をする上では「寛
容さ」と「好奇心」がきわめて重要になるということなのだろう。著者の言
う「洞察してもジャッジしない」ことは、いろいろな人たちと「うまくやっ
ていく」だけでなく、あらゆる可能性をつぶさないという意味でも大切だ。
その広がった可能性の一つひとつに対してしっかり準備し対処するというの
が「念のため思考」の真髄といえる。こうしてみると「念のため思考」は自
然科学の研究姿勢にも通じるような気がする。いずれもクリエイティブな結
果を導くのに必須の思考プロセスなのではないだろうか。
===unqte===
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ありとあらゆることを想定して準備することが、いかにビジネスにおいて大切か?
「念のため・・・」を発想のスタート地点にする重要さを説いた本。
本書に書かれた内容はよく理解できるが、限られた時間・資源の中で、
どこまで準備をすることが良いのか?その判断は正直難しいところと感じた。
ただ、「気配り」という言葉では語りつくせない奥深さを感じたのも事実であり、
あと一歩踏み込んだ発想をするだけでも、念のため思考に近づける気がした。
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ニューヨークで活躍する日本人が、自身の考え方と仕事を通じて感じた一流の人の共通した思考を「念のため思考」としてまとめた一冊。異文化環境で日本人が成果を上げるため、参考になるところは多いのですが、肝心の「念のため思考」が一言で説明できるものではなく、その説明に1章をまるまる使っているので、読んでいてスッキリしないのが難点でした。
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『念のため思考 最善の結果を出す最強コミュニケーション "NEN" way of thinking』(徳升笑子著/マガジンハウス)vol.430
http://shirayu.com/blog/topstory/leadership/6311.html
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どんな人であれ、相手の意図やその背景を理解しようと相手と向き合う。その上で必要なことを考え行う。
それが作者がいう「念のため思考」なのかなと思いました。
実践しようとしてもうまくやるのは難しいとは思いますが、人と関わる中で大切なことを再認識できました。
***心に残ったこと・感じたことメモ***
・相手を信頼することは前提。でも自分の予想通りに動くとは思わない。
・相手のコンテクストに心を配る。
・ひたすら聞き、無闇にアドバイスしない。