紙の本
現象としての兵農分離
2020/06/16 07:27
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は兵農分離という政策があったのではなく社会現象として結果的に兵農分離になったと書く。その過程が史料に基づき書かれておりまた史料も原文、書き下し文、現代語訳と記されており読みやすい。
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結果としての兵農分離
2017/12/18 15:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
政策としての兵農分離はなく、結果として兵農分離になったという内容。多くの史料を、原文・読み下し・現代語訳を併せ掲載していて、著者の思考の過程を垣間見ることができる。たくさんの研究史がわかりやすく整理されていて、通説的理解の問題点も理解できた。発想の転換によって、いろいろなことが見えてくるのだと感じた。
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まず、めっちゃ読みやすかったね。
その上、資料が原文>読み下し文>現代語訳という親切設計。
これは、無理に新書にしないでソフトカバーに変更したのが大正解だったね。
そして、内容。
まず、「兵農分離』って言うけど、それはなんぞや。
から始まって、『兵農分離』を要素毎に分解し、その各要素について、資料を基に『本当はどうだったの?』ってのを分析し、かつ、確証毎に最後にまとめがある。(とても読みやすい)
結局、中央政権の政策としての『兵農分離』は無かったのでは?というのが著者の結論。
・別の意図のある政策が、『兵農分離』を推進する効果があったこと。
・下からの要望に添った結果、『兵農分離』といえる状況が進んだこと。
・ただし、地域差がかなりあること。
まるで、「下からの中央集権」?
(そして、この蓄積が明治維新以後の展開にも生かされているのだろうなと)
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兵力の強化を志向する権力者によって身分制の確立を促進する兵農分離が行われ、それが近世への道を開いたというのが定説であるが、それがはっきり目指されたのではなく、戦国→織豊→江戸時代へと社会状況の変化に従って醸成された武士と奉公人、百姓それぞれの思惑に対処する政策(地方知行制→俸禄制など)が行われたことによって結果的に兵農分離の状態になっていったという。
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答えは「兵農分離はなかった」素人の思いつきだったw
兵農分離5つの形態は全て嘘です(´・ω・`)
1.農民兼任が軍事専門へ
農民は軍役しません(陣夫=非戦闘員)
2.武士が田畑を手放す
百姓の土地を奪う行為の禁止とか
3.武士は城下町へ
領地支配(在郷)で困窮から回復もOK
4.百姓武装禁止
藩より数倍鉄砲所有している
5.武士と百姓の身分移動禁止
百姓から郷士や奉公人が供給される
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中近世を区別する一つとされる兵農分離について、研究概念を構成する要素別に実像を再検討する内容。研究史とその到達点が整理されていて、身分制や近世知行制・居住形態の形成・変遷過程など興味深く読めた。