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創元海外SF叢書の1冊として刊行された単行本の文庫化。文庫化に際し、短編1編が追加された。
ボーナストラック的なものが追加されるとつい買ってしまうもので、本書も1編以外は再読になる。『僕らが天王星に着くころ』『月の部屋で会いましょう』に代表されるよう、本書の短編は基本的にラブストーリーだ。但し、いっぷう変わってはいる。
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なんとも不思議な読後感。「ささやき」が特に印象的。最後の一行にドキッとする。
表紙に猫がいる。見返し部分にもいる。
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書名からロマンティックな雰囲気の作品集なのかと思ってたら違った。結構シュールだったり、ナンセンスだったり。
ごく短い作品ばっかりなのでサクサク読めるけれど、34編集まってると途中一寸飽きてくるというか。
表題作と、人間の肌が宇宙服に変わり宇宙へと飛び立ってしまうという奇病が発生する中の恋人を描いた「僕らが天王星に着くころ」それと「バンジョー抱えたビート族」「最終果実」「ふり」「母さんの小さな友だち」「ピンクの煙」「フィッシュ・ケーキ」が良かったかな。「家庭療法」はゴ○ブリ(複数)が鼻の奥に棲み着くとかエグい。「ささやき」は就寝中の自分を録音してみたら、誰かの話し声が録音されているとか怖い。
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アンソロジー『猫は宇宙で丸くなる』解説で、選に漏れた一編として、
この作者の「キャッチ」が挙げられていたので、興味を持って購入、読了。
しかし……。
ヴァラエティに富んだSF&奇想掌短編集、全34編。
多くの作品が、家族・恋人・友人などの
親密な関係に対する不安や不信感に彩られている。
それはいいのだが……ほとんどの場合、
主人公の男性に魅力が感じられないので、
物語に没入できなかった。
苦手なんですよ。
不運に陶酔するかのようなタイプ、
努力を怠りながら、
こんなダメな男ですがそのまんま受け容れて愛してください、
みたいなタイプ――等々。
これは好みの問題なので、いかんともしがたい。
期待していた肝心の「キャッチ」(Catch:1996)は、
不条理なアルバイトに勤しまざるを得ない人の煩悶が
描かれているのだが、
猫を愛し、楽しませるのではなく、
虐待するシチュエーションなので、読んだことを猛烈に後悔した。
愛猫家は忌避すべし。
そんなワケで、
評価は星★★(≧)でもいいくらいなのだけど、
唯一面白かった「ジョイスふたたび(リジョイス) 」
(Rejoice:1999)に免じて★★★。
ジェイムズ・ジョイスの文体で
メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』を
ザックリ纏めてみよう! 的なパロディ作品。
ヴィクター・フランケンシュタインが死体の寄せ集めに
魂を吹き込む際、
本の内容を脳に注入してジョイスを蘇らせようと目論んだが……
というストーリー。
バカバカしくて〇。
次点は「家庭療法」(Home Remedy:1996)か。
就眠中に害虫が鼻の奥に入ってしまい、
バスルームに籠もって危険な手段で駆除を試みる男。
過激かつ不快極りない描写が続くが、
彼を悩ませているものの本体は、
妻が不貞を働いているかもしれないという疑念である――といった、
強迫観念が外在化=実体化する話だが、
女性が増長して異様にデカく強くなったわけではなく、
男性が一方的に萎んでしまった印象。
1950~1960年代頃の、
いわゆる「奇妙な味」にカテゴライズされる小説【※】
にも現れる、景気がよかった頃の、懐が深く、
大らかな父性が漲っていたアメリカのイメージ、
その残り香は最早感じられない。
……もっとも、それらと
この作家の小説を比較することに意味はないのだろうが。
【※】
シオドア・スタージョン,チャールズ・ボーモント,
スタンリイ・エリン,ジャック・フィニイ,
レイ・ブラッドベリ,等々の作品群。
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皆が金魚鉢を抱えている惑星でのバカンス、口髭の代わりにヘビを張り付ける男、手編みのセーターの中で迷子になる男、皮膚が宇宙服に変わっていく人々……。どれをとっても、とびきり奇妙で不気味な話ばかり。
本の裏の紹介文や帯の魅力が凄い。絶対読みたくなりますもん。
そんな変わった話が34編も入った短編集です。
中でも個人的に気に入ったのは、『変愛小説集』にも収録された「僕らが天王星に着くころ」や、科学者の母を助けるために子供たちが戦う「母さんの小さな友だち」。
紹介文にある寝言の話、「ささやき」も、急にホラーだけど好きです。
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たくさんの奇妙な短篇のなかで「床屋のテーマ」「母さんのちいさな友だち」「息止めコンテスト」は楽しく読めた
不快な作品もありだんだんうんざりしてきた
アンソロジー