紙の本
さりげなさ炸裂!
2018/07/17 15:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルのまんまの短編小説でいくらか連作になってます。まあ、台所にラジオがあるのは昭和を感じますね。こじゃれてはいませんが料理も出てきて、ちょっと食べたくなりますね。この雰囲気は神吉拓郎さんの小説を思い出しますね。とにかくさりげなく静か!読んだ後、時が経てば話は忘れてしまいそうなくらいさりげないです。そう、いうならば聞き流してるラジオのようでした。そして、しばらくたつと、また、読みたくなります。これが吉田篤弘マジックですね。
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12話からなる連作短編集。
『あとがき』で著者本人が書いている通り、ストーリーの原動力となっているのは、女性の登場人物の言動だと思った(※男性の登場人物が何もしていないわけではない)。
何となく吉田篤弘(クラフト・エヴィング商會名義を含む)と小川洋子は、自分の中では近いところにあるのだが、他の人はどうなんだろ?
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不思議な世界観だったー
前半は普通に受け入れられる話が多かったけど、後半は現実味のない感覚。
でもこの空気感、好きなんですよね。
『マリオ・コーヒー年代記』が好きです
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面白かったです。
テレビを見るよりラジオを聴く方が好きなので、なんだかお話を身近に感じました。
でも、不思議なことがたくさん起こって面白そうです。
きつねうどんは美味しそうですし、「十時軒」へ行ってみたいです。アリスに会いたい。
吉田さんのお話では月舟町が大好きで住みたいくらいなのですが、この本の世界も穏やかでいいなぁ。
登場人物たちが聴いているラジオ番組ってもしかしたら、「小さな男*静かな声」の静かな声のラジオ番組かも…それだったら素敵です。
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この本、ランキングでも上のほうにあり、且つ評価も高かったので買ってみた。
だが、最初の話はまだしも、二話目がどうにも不思議な感じで失敗したかもと思い、次の話は前の話と妙なリンクをしたのでそういう流れかと少し持ち直した?
けど、以降も解読不能というか、いや、解読は出来るのだけど私には芯を喰わない話ばかり。
タイトルにあるラジオも薄~く存在する程度で、これまた不思議な面持ち。
紙カツや海苔巻きや油揚げなど、出てくる料理は結構美味しそうだったんだけど、ねぇ…。
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吉田篤弘さんの世界観が好き。
寓話みたいな物語たち。
なんでもない日常、普段気にもとめない片隅に置いてある物達が愛おしくなる。
もしわたしが物語を描くとしたら・・・
物に語らせる。
台所のラジオ
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安定の吉田篤弘の世界。ほんの少し不思議な世界と、そこにある日常の食事とラジオと。
普段ラジオは全く聞かない人間だけど、こういうのは好き。
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おお、吉田さんの新刊が文庫ででるーーー!
が、しかし配本ない~~。
ならば、注文じゃあ!!
と買う。
いくつかのつながっているような、つながっていないような
おはなしがつらつらと。
そっと寄り添ってくれるような、静かな声のラジオ、
理想だな。
台所、と表題にあるからか、ちょこちょこと食べ物のおはなしもあり。
けど、いちばんおおっと思ったのはGのおはなし。
ゴーストのGですかーそうですかあ。
まとまりがあるようなとりとめないような、
寝る前読書にはぴったりな一冊でしたー。
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12の物語をまとめた連作短編集です。
なにか大きな出来事が語られているわけではありません。ありふれた、どこにでもありそうな、ささやかな日常のひとこコマを切り取って描いているのですが、かといって、どこでもよく見かける光景かというとそうでもなく、どこかちょっとズレた感じがあります。でも、それがほんのちょっとしたズレなので、読んでいて引っ掛かりをおぼえるとか、違和感があるとかいうのでもなく、どちらかというと、良い意味でボンヤリした印象のお話です。各章の締め括りも、なんだかふわっとした終わり方で、それがまたイイ感じでした。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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2020/5/23読了
12本の短編集。
ほっこりするよつな話やちょっと不思議な話などバラエティに富んだ短編が詰まっていた。
あとがきにも書いてあったが、起承転結の起で終わるような物語が多く、これからどうなるんだろうと想像が膨らむ。短編より長編の方が好みだけど、起で終わる話は好きなので、楽しく読めた。
紙カツがすっごく食べたくなった(ビフテキも)
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この本に収められた短編小説は、それぞれ市井の人々の日常をとらえているのですが、海苔巻きだけがメニューの小さなお店、故郷の誰も知らない街にあるビフテキ屋、美味しいミルクコーヒーを提供するスタンドそして古びた冷蔵庫など、今やなくなろう、捨てられようとしている存在やモノを効果的に使って物語を組み立てています。
小川洋子さんの書評に、それぞれが宝物のようでいとおしみながら大事に読む、といった趣旨のことが書いてあったと思いますが、まさにその言葉がしっくりくる作品だと思います。
生きていると、最初は目的や希望があるように見えても、しだいにそれは日常の繰り返しになり、ぼんやりと、そしてたんたんとしたものになることが実感されますが、そうした気分を表現しながら、そんななかにあっても人とのつながりを通じて前に進んでいく姿を一歩引いて後ろから描いているように思われました。
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2017.10月。
タイトルがいい。12の短編全てに食べものが出てくる。全てに同じラジオ番組が出てくる。短編どうしがゆるくつながってたりする。流れる空気がどことなく心地いい。静かな夜にゆっくり読みたい。吉田さんの文章って、天気が悪い日や体調が悪い日の夜が似合う。
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短編集。どの話が一番面白いか?を考えながら読んでいた。同じラジオ番組を聞いてる人でも境遇はまちまち。いろんな人たちが登場する小説を読み、たまたま駅のホームに立ってる人、同じ定食屋にいる人が、どんな人生を抱えてるのか?を自身の日常生活でふと考えるようになった。異なる視点を持たせてくれる変な小説でした。
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あとがきで作者が発言していた、物語の「始まりのところ」が私も好きなんだろう。
終わりを覚えていないから(面白くなかったという意味ではなく)何度だって読み返したくなるのだ。
読んでいると灯油の匂いを嗅いだときのような懐かしいようなほっとするような切なさに包まれるのも良い。
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十二人の主人公たちは、皆、誰もがラジオを聴いている。いつの間にか消えてしまったものと、変わらずそこにあるものとをつなぐ、美味しい記憶。
途中で断念…したのだけれど、この世界観を味わえないのは、なんだか悔しい。また手に取りたくなるときまで。
装幀 クラフト・エヴィング商會