投稿元:
レビューを見る
いじめについて、脳科学の視点から理論的に分析している一冊。
今までになかった視点で、とても面白かった。
また、「いじめは起こる。仕方ない。」で片付けるのではなく、脳科学の視点から「では、どうしたらいじめを避けられるか」を書いているのがとても良かった。
投稿元:
レビューを見る
反抗期男児には「テストステロンが増加してるからわけもなくイライラする」事を教える→ブレーキが未発達で脳が成長過程
6.11月は日照時間が変わりセロトニンの合成がうまくできず分泌量も減り不安が強まりうつ状態になる
学校でもっと脳内物質やホルモンについてやれば?
団結はいじめを生む。友達がいないことは悪くない、みんなと違う意見も悪くない
同年代とのコミュニケーションを学ぶ必要はある?ー学校の意味とは?
一緒に良すぎない、オキシトシンを高くしないことが中を悪くしない秘訣
投稿元:
レビューを見る
サンクション=制裁感情が発動 オキシトシン=愛情ホルモン 分娩時 授乳時 妬み 排除感情 負の側面 過ぎたるは猶及ばざるが如し 可愛さ余って憎さ百倍 規範意識が高い集団 不文律として存在する規範 外敵を作り出すことで、内なる結束を高める手法です。 蔑んだり 逸脱者を見つけ出そうとする セロトニン=安心ホルモン セロトニントランスポーターの多寡たか 元和偃武げんなえんぶ 遡って考える 情動は往々にして理性を凌駕することを物語っています匿名性によるリベンジの回避 バッシングすることで得られるドーパミンの快楽を求めて まいきょにいとまがない枚挙に暇がない システムと状況次第で悪魔になり得る 正義という一種の脳内麻薬の中毒 そんたく忖度 類似性も獲得可能性も低い為、妬みの対象にはなりません。 シャーデンフロイデ=他人の不幸は蜜の味 LGBT 福島第1原発の賠償金 テストステロと暴力性の関係 支配欲や攻撃性といった男性的な傾向を強めるホルモン いじめが増える時期は、6月と11月 季節と脳のメカニズム 生理的報酬 金銭的報酬 社会的報酬 生起 サイコパス 合理的な判断力 反道徳的行為 大胆な決断 人間という種を保存する為には有益だった 同調圧力という向社会性 アンダードッグ効果 間合いの取り方 能力相応のこと ないがし蔑ろ かんどころ勘所を押さえる 自分の意見を無理に押し通すのではなく、相手の意見を尊重しながら、率直に自分の意見を話す姿勢を「アサーティブ」といいますが、日本人は実はとても苦手です。 ミラーニューロンを介して自分もその人の脳の活動パターンをコピー 人間はそもそも模範する能力が高い動物 日照時間の変化 どんなことも通過点なのだということを学ぶ機会 心理的な囲い込み 淵源えんげん 国民皆兵制 自身を納得させるエクスキューズを見つけ出すことに長けてきます イタリアではみんなと違う意見を言わないと評価されない 突出した天才 現出 アンチテーゼを提示 均質性を下げる工夫 仲間を大切にすることと戦争が実はリンクしている 一計を案じます ザ・サードウェーブ実験 懐古趣味的な幻想に基づいた誤謬ごびゅう 喫緊のいじめ防止には間に合いません 隠蔽体制への疑念を払拭 ノンバーバルコミュニケーション=非言語コミュニケーション 声の大小や抑揚 ルシファー・エフェクト 触法行為 大きな抑止力 費用対効果で考えてもメリットの方が大きい 種を保存する為の本能として組み込まれている 解決へのベクトル 異端者を糺すただす 凄惨なことを起こしうる機序 杓子定規 瓦解 不寛容は克服できない メタ認知力
投稿元:
レビューを見る
もちろん道徳観に訴えることも必要だけど、それ以上に、そもそも脳の動きがある。オキシトシンとセロトニン。この分泌の観点で、いじめもさることながら自分の反抗期がなぜ始まったかを考える。
それから、日本人たるものが醸成された江戸時代、戦争の話も面白かった。
#ヒトはいじめをやめられない #中野信子
投稿元:
レビューを見る
遺伝子レベルで日本人にはいじめが多いのがわかる。
小学校から人の流動性を増せば、ねっとりとした人間関係もなくなり、排他性がなくなる。
投稿元:
レビューを見る
面白かった。類似性と獲得可能性がどちらも高くなるといじめが発生する可能性が高まる。苦手な人とは60%くらいの距離感、など人付き合いの参考にもなるかも。
投稿元:
レビューを見る
草加図書館で借りた。
14
子どものいじめを止めるには「自分が相手を攻撃すると自分が損する」というシステムが必要。しかし、現状の学校現場では、誰も見ていないところで相手を攻撃すれば自分が損することはない。つまり、「賢く相手を攻撃したもの勝ち」という構造ができあがってしまっている。
40
学級内でグループ対立があった場合の対処法として、「仲良くしよう」というメッセージや、一緒に遊ばせる、食事をするといった活動よりも、対立グループがどうしても協力しないと達成できない目標、グループの壁を越えて進むべきゴールを設定し、それに向かわせるほうが、関係解決に有効な場合もある。
第二章まで読んだが、続きも読みたい。
最終章も流し読みしたが、結局この本のタイトルどおり、いじめは無くならない。解決も難しい。特に、同じ年齢の子供達が集まる教室では、少しでも異質だと、、、
投稿元:
レビューを見る
学校だけではなく、職場やSNSなど、いじめが起こる構造を脳科学から説明した本書は、現実的な方法でのいじめ回避の方法を提示しています。
広く読まれてほしい本です。
規範意識が高い人ほど陥りがちなことが書いてあり、自分はいじめ加害はしないという思い込みを見直す機会になると思います。
いじめがなぜ起こるのか?というと、一言で言えば集団を維持するため。
本書では、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンといったホルモンがいじめを起こす作用をどのように起こしうるかを説明しています。
オキシトシンは、他人とのつながりを感じたときに分泌され、良いホルモンというイメージが強いので、オキシトシンが仲間意識を高めることで、それ以外の他者を排除しようとする気持ちをも生み出すことに驚きを禁じ得ない。
ネット上でよくある誹謗中傷による炎上も、正しいことをすると快楽を得てしまうドーパミンの作用によるものだと説明されています。
本を読みながら、いじめを少しでも減らすには…と自分は加害者にならない意識があったことに気付かされました。
いじめの加害者になる人は、実は規範意識や集団帰属意識が高い傾向があるのも、より良い社会にしたいだとか、もっと高い成果を”みんな”で出したいという真面目な考えが行きすぎた結果で、そうした正義感が裏にあると、相手に全面的な問題があると思いがち。
誰しも加害者になる可能性があることを思い知らされました。
いじめの回避策についても言及されていますが、学校関係者としては、監視カメラを設置する方法は難しいかなと思います。生徒の信頼を前提にして活動する必要があるし、プライバシーの問題や、世論などの問題があり、学校は保守的な対策しか取れないのが現状です。
ただ、いじめだけではなく、盗難などの問題も頻発しながら、手をこまねくしかなく、生徒の良心に訴えかけるしかない現状、やったやらないを客観的に知る方法としてもカメラの設置は具体的な方法だとも思いました。
投稿元:
レビューを見る
身も蓋もないタイトルだ。
だが、読み進めていくうちに納得してしまう。
いじめは悪である。やってはいけないとは、誰でもそう思う。
いじめをなくそうと、国が、地域が、学校が、家庭が、真剣になっている。
だが、いじめはなくならない。
それは、いじめが人間に備わっている本能だからだ。
肉体的に脆弱なヒトは、集団を作ることで生き延びてきた。
その集団を脅かすものは、内部の「フリーライダー」。協力行動を取らない、ズルをする、ちょっと変わったヒトだ。
集団の維持のために「サンクション」(制裁)が行われる。
そのときに発生する「正義感」への陶酔、脳から発せられる快感にヒトは酔う。
脳内麻薬に耐えられないのだ。
誰かを攻撃している時、それは脳から発せられる。
ならば、いじめに対抗するにはどうすればいいのか。
空虚な道徳論よりも、具体的な方途を取ろうと著者は提案する。
クレーマーには、プロ意識を持って接する。
男性には正直に。
女性には共感を。
自分を客観視する「メタ認知」。
夫婦も友達も完璧な関係を求めず、60%程度を目指す。
自分も相手も生かす「アサーティブ」なコミュニケーションを心掛ける。
学校では、先生だけに抱え込ませない。
いじめはあるとの前提で、第三者の力を借りたり、行事運営の工夫、クラスそのもののあり方を見直す。抑止力をシステム化する。
それでもいじめがあれば、逃げてしまう。休んでしまう。転校、休校、なども大切なこと。
無理に学校に行かせるだけが、解決策ではない。
英知と工夫で困難を乗り越えていけるのも、人間の素晴らしさでもあるのだ。
投稿元:
レビューを見る
人間をヒトと表記するのは動物学的な観点からとらえる時の約束事だが、いじめ問題を生物学的にとらえたのが本書の要点である。脳科学的に見れば集団生活の異端者を駆逐しようとするのは生物としてのヒトの宿命であり、あらかじめ仕込まれたものであるというのである。科学者にそう言われるとなにか絶望的な思いになる。
もっともその仕込まれた性格を発動させないための工夫が本書の後半に提案されている。さまざまあるが、最も重要なのは我々の本性を知り、それを自覚することであるという。自分らの性を見下ろす視点を持てるか否かがいじめの連鎖を防ぐのには不可欠というのだ。
ヒトが人として生きるためには様々な工夫と努力が必要であるということを本書はあたらめて教えてくれる気がする。
投稿元:
レビューを見る
協調性が高すぎると、異物がいることが許せなくなるから、排斥行為が始まる。いじめのシステムを心理学から読む。
この正義についての解説がもう答えだろう。いじめはポリコレ棒のリンチと同じなのである。
だからいじめの解決は無理なのである。だから、いじめを起こしにくくするために、協調性を低下させる工夫を取り入れるべきなのである。目から鱗。
心理学は面白いなぁ
投稿元:
レビューを見る
いじめが終わらないのは、その行為が楽しくて、正義感すらも感じてしまうから。遺伝子レベルでその性質は決まっているという。教員目線での記述もあり勉強になる。
逆説的だが、人間関係を時には希薄化させることが、必要であり、例えば、席替えを頻繁にすることが求められる。
投稿元:
レビューを見る
人類が進化する上で異質なモノを排除する傾向、人間の脳がエクスタシーを得るために必要としている事。人間である限りイジメという現実から目を背けず、解決策はそこから見つかる事を理解して欲しい。
投稿元:
レビューを見る
脳科学から見たいじめ。集団で社会生活を営む人間は秩序を乱すものを異端として、排除する。それが極端になったり、未熟ゆえやり過ぎたりするのがいじめだと。うーん、納得。それを理解した上でどう対処していくのかが難しいですね。いじめなくそうというのは難しいというのも納得です。
投稿元:
レビューを見る
医学博士による、いじめのメカニズムの解明本。なぜ「いじめ」がなくならないのかを脳科学的に説明している。説得力がある。いじめ防止策も、よく理解できた。
「いじめは本来人間に備わった「機能」による行為ゆえ、なくすことは難しい」表紙
「「いじめを根絶しよう」という目標そのものが、問題への道を複雑にさせているのではないでしょうか。「いじめは「あってはならない」ものだ」と考えることが、その本質から目をそらす原因になってしまている」p11
「いじめは学校だけでなく、企業やママ友グループ、スポーツチーム、地域コミュニティなど、集団の中では必ず起こりうる現象です」p13
「社会的排除は、人間という生物種が、生存率を高めるために、進化の過程で身につけた「機能」なのではないか」p13
「集団を作り生き残るために、共同体にとって邪魔になりそうな人物を見つけた場合には、リスクを恐れず制裁行動を起こして排除しようとする機能が脳に備え付けられていると考えられる」p23
「学術用語では、このただ乗りしかねない人を見抜く機能を「裏切り者検出モジュール」、そして、制裁行動を「サンクション」と言います」p23
「規範意識が高い集団ほど、いじめが起こりやすい」p34
「仲間なのに妬み合ったり、蔑んだり、いじめをすることはよくないことで、そのようなことをするのは、ある一部の人と思う人がいるかもしれません。しかしそれらは、実際には、状況や状態次第で、誰でも起こしうる行為です」p45
「日本人は、先々のリスクを予想し、そのリスクを回避しようと準備する「慎重な人・心配性な人」さらに、他人の意見や集団の空気に合わせて行動しようとする「空気を読む人」が多い傾向がある。つまり「裏切り者検出モジュール」の強度が、日本では高く、「この人は将来的な不安の種になるかもしれない」ということを検出する能力が高くなるといえる」p52
「いじめている側の、自分は正義であるという思い込みは絶対で、自分の行動を正当化し、「正しいことをするのは楽しいことだ」という感覚で相手を攻め、批判し、追い込んでいくのです」p60
「裏切り者検出モジュールの検出基準は、いじめる人も、いじめを傍観する人、さらには担任の先生も、それほど違いはありません。ですから、オーバーサンクションを受ける人の、いじめる側が指摘する部分に、それらの人が無意識に同調してしまうことがあります」p64
「大きな意図もなく、集団の和を乱してしまうような言動をとってしまう人。もしくは、真面目で一人だけ正しい指摘をするがゆえに、みんなの楽しい雰囲気を台無しにしてしまうタイプの人がいます。いわゆる「空気の読めない人」です。そういう人は、集団の中では悪い意味で目立ってしまい、その人の行為は、気に障る、目障りな言動と捉えられてしまいます」p71
「妬み感情は人間にもともと備わっている感情なので、止めることはできません」p75
「集団の中で、通報者は最も嫌われるタイプの存在です。標的になるリスクは高く、最も損な行為なのです」p121