紙の本
不動産は三極化の時代へ
2017/10/25 22:31
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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
不動産は都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のような利便性の高いところ、立川などの郊外でも駅直結のマンションなどは価値が上昇する勝ち組に。そして大半は徐々に価値を減じるものに。そしてあまりに不便な立地の不動産は価値が0どころか、固定資産税を支払う義務が生じるなど負動産になってしまうという筆者の論調はもっともだと思う。
東京圏だけでなく、地方でも県都などの発展しているところはまだしも、鉄道があまり来ない土地はもう負け組確定であろう。車社会であった過去から鉄道の時代へと戻ってきているのではないか。
副題となっているマンションは足立区に買うべきだという主張は間違いない。本書で書かれているように西高東低という常識も、もはや意味を成さなくなる可能性がある。西側が優位なのは武蔵野台地の上で安全性が高いことであるが、そもそも安全性よりも利便性が重視される現在では、イメージで高い価格になっている西側のブランド力が落ちる可能性があり、一方で割安感のある東側が相対的に優位になるだろう。その象徴が北千住だ。足立区というマイナスブランドが払拭されて、利便性が高い割りに割安というポイントが今後期待できるところだ。個人的には武蔵小杉も当面は安泰、川崎は成長が見込まれるのではないか。大宮、船橋も有望だろう。
さて本書では子供の医療費無料が良い政策であるかのように書かれているが、本当にそうだろうか。無料は確かに嬉しいかもしれない。しかし日本全体でみると、本当は病院に行く必要がないのに無料だからと病院に子供を連れて行く親が増加し、無駄な医療費がかかることとなる。それは税金から支出されるわけだ。このような無駄を無駄だと大衆が主張しないのが残念だ。親はそれで完全にhappyなのかといえば、そうではない。共働き世帯が増え忙しいのに、無駄に病院に連れて行く親が増加していることで病院は混雑し、本当に必要なときも待たされることとなる。それが望ましいこととはいえるわけがない。このような日本社会全体のことを考慮して本を作って欲しかった。流山市の子育て政策は好感の持てるもので、右ならえで子供の医療費無料化をするのではなく、工夫をしてもらいたい。
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そろそろ住宅用の不動産を持つべきか持たないべきか迷っているときに参考として手にした一冊。
マンション、一軒家の不動産価値について、バブル期、不況期のデータを元にしながら世界基準で今の日本の不動産の価値について論理的に説明されている。
この手の本は現役不動産会社に属している人が著者であり、所謂ポジショントーク的に不動産のメリットを主に書かれてことが多いのだが、本書は不動産を購入しない生き方として、一生賃貸で過ごすメリットについても書かれているのに好感が持てた。
空き家問題から高騰しすぎるタワーマンションなどの説明もあれば、具体的に割安感のある穴場スポットについての説明まであり参考になった。
主に関東、東京都内が多いのだが、自治体の取り組みで人口が増えている地方については知らなかったので目から鱗でした。
以下具体案としてのφ(..)メモメモ
===
- 足立区北千住
利便性、区のイメージアップ戦略
- 世田谷区千歳烏山
商店街の画期的な取り組み
- 板橋区大山
「ハッピーロード」アンテナショップ経営
- 豊島区巣鴨
高齢化の進行
- 根津、千駄木
下町風情でこれからも人気
- 渋谷区東
高騰する都心の出遅れエリア
- 川崎
狙い目
- 千葉県流山市
子育て世代の誘致に成功
- 埼玉県滑川町
医療費は高3まで、給食費は中学校まで無料にして人口増
- 北海道東神楽町、東川町
子育て支援と町おこし成功事案
- 筑波町、神山町、上勝町
自治体独自の戦略で街は活性化し人口増
- 北海道下川町
エネルギーの自給自足で、町の外へ出ていく支出を削減
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タイトル通り住宅不動産であっても、生活スタイルが変わった際に売れるように資産という観点から説明されている本書。ものすごく勉強になりました。
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・今後価値の上昇を見込めるエリアが実例で示されておりわかりやすかった。
・立地適正化計画の策定状況に気をつける必要あり。
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かなり具体的なエリアまで教えてくれる。不動産について分かりやすいので入門書としてもいい。
ポイントは、価値を維持するあるいは価値が上がる不動産を見抜けるか。著者の予測だと、なだらかに下落し続ける不動産が70%になると。また限りなく無価値になるあるいはマイナス価値となる不動産は15~20%と予測している。
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オーソドックスでよくまとまっている一冊。
住宅購入が初めて、という人にもオススメ。
注目の街「大山」は激しく同意。あの巨大な商店街は
魅力的だ。そして、都心にも近い。
一方、人気の街だった、たまプラーザ、青葉台は
危ないんだとか。確かに高齢化率はハンパない。
「味よし!コスパよし!」の飲食店とか多いんだけどね。
今の若者には少し都心から離れすぎか。
あと、前よりましだが田園都市線が込みすぎる。。。
ただ、コロナ禍でリモートワークが一気に普及して、
これから郊外のあり方が変わる可能性が出てきた、
というのが本書刊行時点と異なるところ。
都会で狭い部屋にこもってると鬱々とするだろうしね。
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購入からざっと3年積んでしまった…確か当時、漠然と不動産投資に興味が湧いたのがきっかけで資料として買った記憶が。
どこを買うかの本題に入る前に、物件選びのポイントや現在の不動産相場の見通し、利用できる制度や基礎用語の説明まできちんと書かれていて思いがけず読みでがあります。
「立地適正化計画」なんて決定的なキーワードも初耳です。
奥深い世界ですね。
次は「マンション」に特化した本や自治体行政についての本を読んでみたい。
1刷
2021.1.11
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2017年に発行された本なので、もうほぼ5年後になりつつありますが、それを考慮しても面白かった。不動産三極化として、上がる、徐々に下がる、無価値になる所の実例が、ニュースなどで見聞きしたものが多く、改めてまとまって読むとそういう事かぁと納得感があった。