荷風になりたい ４ 不良老人指南 （ビッグコミックス） みんなのレビュー

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投稿者：Haserumio　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

でしたが、それを上回るストーリーの面白さでした。老年期・晩年期の荷風の鬼気迫る姿を描いて秀逸かつ読ませました。

「僕の人生を彩った女たち－ ･･････みんな、みんな、いい女たちだった。もう･･･悔いはない、これが僕の人生だった。ありがとう･･･みんな、ありが･･･と･････････」（184～185頁）
「人間は一人一人背景が違うからね。個人として生きるべき道を探し求めるしかないと思うがね。」（190頁）
「すべて持った女というのはいません。･･･ 無い物ねだりなんだよ。あるときは、気持ちが昂る女がいい･･･あるときは、交情に長けた女と爛れた性交に酔いしれたい。そして、あるときは飯を美味しく作ってくれる女と心穏やかに暮らしたい。だが、それが叶う･･･満たされると、またぞろ違う女をほしがる。だから、男にとって理想の女なんてのはないんだよ。目の前に現れた女が一番なのさ。その女を追い求め、手に入れるまでが愉しいのさ。これの繰り返しだよ。結局、僕はそうして八十年の人生を生きてきた気がする。」（191～193頁）

かの東出昌大が「ヤラセ牝」唐田えりかを愛人にしたのも、渡部建が佐々木希を裏切ったのも、そういうことと云えばそういうことなのでしょう。