紙の本
わかるとは
2021/03/23 17:15
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投稿者:かわも - この投稿者のレビュー一覧を見る
巷には様々な情報で溢れています。ある対象物についてスマホで調べれば分からないことはありません。では、僕たちは対象の何を分かったのでしょうか。また、どうして分かったと言えるのでしょうか。
この本は、自分がいかに「分かる」のかを客観的に知ることができます。謎かけのような写真や絵があり、その作品を鑑賞して著者の解説を読むという構成です。例えば、そこにはないと頭では理解していても、あるかのように体では感じてしまう。また、ある状態の前後を見ただけなのに、そこに至る過程を容易に想像することができる。このような分かる=認知のプロセスを体験できる画期的な本です。
しかし、それだけで本は終わりません。解説によってある作品の意味が分かったとします。すると、分かったという爽快感を自然と感じます。では、分かった後に同じ作品を観たらどうなるか。分かる前と同じように見ることは不可能です。分かった=理解した=意味を知った自分の状態から逃れることは容易ではないことを実感するはずです。
紙の本
読むというより見て考える本
2018/02/08 00:23
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投稿者:疾風のエディ - この投稿者のレビュー一覧を見る
新しい分かり方とのタイトルだが、読んで理解するというような類の本ではない。
どちらかというと、見て感じとるという印象の本である。
物事を知る(理解する)とはどういうことかを考えるのにはよい本だと思う。
紙の本
驚かされる
2017/11/24 21:12
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
さまざまな作品を体験して、しかも、随筆を読むと、コミュニケーションデザインとともに新しい分かりかたというものの大切さに気がつく。
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川村元気さんとの対談だったかで佐藤さんはあるものを人にわかりやすく教える、伝えることに喜びを感じてるようだった。(あくまで私の捉え方だけれども)
それから佐藤さんの著書からEテレからの活動をみてると面白くわかりやすくなるほどがいっぱい詰まってるものを作り続けてるなぁと思う。この本もそういった作品のひとつ。
エッセイに近い文章で特に思うのはこの方の優しい語口。
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写真やイラストなどによる作品+短い解説という体験パート、そして最後に関連する随筆6本。頭から一気に読まなくても、気の向くところ気になるところから楽しめそうな、読むピタゴラスイッチ。わかるカタルシスが大きいもの小さいもの、わからないままのもの、人によって違うだろうけれど、時間をおいて読み返すとまた違う分かり方が待っていたりもするのだと思う。随筆には「新しい分かり方」体験の解説として読む以上の叙情と不思議な余韻が感じられた。「モダリティの話」と「象嵌」が印象深かった。
「読むピタゴラ」という見立ても大げさじゃないようで、今日買ってきてわたしが読み終わらないうちから子らが先を争って読んでおもしろがっている。さすがピタゴラ育ち。
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2017.11月。
普段は眠っている頭の中の部分がカチッとスイッチが入った感じ。新しい分かり方。頭が柔らかくなる。視界が開ける。この人はなんて人なんだ。おもろ。きっと日常にもたくさんある。固い頭で気づかないだけ。
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0655、ピタゴラスイッチと、かたい頭を柔らかくしてくれる大好きな番組。それに携わる佐藤雅彦さんの新刊。
以前からファンなんだけど、本当に頭のいい方なんだと実感。難しいことを分かりやすく説明できるのって、すごい。
久しぶりに頭をつかった気がする。心地よい。
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ピタゴラスイッチもだが、著者の作品にはいつも「自分がいかに常識にとらわれていたか」と、はっとさせられる。
本という媒体の特性を上手く使った構成や、シンプルながら独特の世界観を表現する写真、著者の実体験も交えた興味深い文章。
どれも素晴らしい、です。
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佐藤雅彦の新書。新しいわかり方。人間がものごとをどう理解するのかを体験させてくれる、驚きを与えてくれる一冊。もっと早くに、もっと多くの人に伝えたい一冊だ。わかるって、おもしろい。勉強の本質だと思う。
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ちょっと込み入ったアハ体験、
というか、ザワ体験。
このザワッとする感じは、なんなのだろう。
身体の違う知性、たとえば人工知能は、こんなふうにはわからないのだろうか。もちろん彼らは彼らで、我々にははかりしれない、新しい分かり方をするのだろうけれども。
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まるで美術館とか博物館に行ったかのよう。
写真、絵、図、文字を見て、今まで気づきもしなかった(あるいは再認識させてくれた)様々なわかり方に触れて、少し視野が広がったような気がする。
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認知について。
情報の出し方、順序、受け手のバックグランドによって、その事象の認識が全く違うものとなる。
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ひとつひとつの問題を眺めていくうちに、頭が柔らかくなるような快感が生まれる。
「ピタゴラスイッチ」が好きな人は必読!
佐藤雅彦さんの発想力の柔軟さには、本当に感心させられる。
カチッと新しい脳のスイッチが入る感覚、ぜひ色んな人に体験してほしい。
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題名どおり、まさに「新しい分かり方」。
規定通りの見方を変える、新しい視点をくれる。
象嵌は今後のキーワードにしたい。
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新聞の書評から興味を持ち、書店では広告・デザインのコーナーで見つけた本。最初から2/3ぐらいまでは、次々と現れる情報に感応しながら立ち上がる表象の流れに漂いつつ、内容に戸惑い、変わった本だと思ったが、後半の1/3で随筆形式で語られる段になり、視点の面白さにはまった。着想から完成まで10年を要したとあるが、作者の思いが伝わる、よく練られた作品に仕上がっていると感じた。