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どれも、さすがの連城節だったけど、中でも、赤川次郎さんとの企画もの「ゴースト・トレイン」。永井&宇野コンビを連城さんが書くとこうなるのか。なんだか嬉しい。
赤川さんが連城さんの作品で書いた方もチェックしなくては。
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4人の超人気作家が選び抜いた究極の傑作集。特別鼎談も収録! 逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。死してなお読者を惹きつけてやまないミステリーの巨匠、連城三紀彦を敬愛する4人が選び抜いた究極の傑作集。巻末に綾辻×伊坂×米澤、語りおろし特別鼎談を収録。
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どれも超高密度(綾辻)
普通は書けない。(伊坂)
驚きは屈指のもの。(小野)
その「技」は魔法的(米澤)
四人の超人気作家が厳選した究極の傑作集。
特別語りおろし巻末鼎談つき!
逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。死してなお読者を惹きつけてやまないミステリーの巨匠、連城三紀彦を敬愛する4人が選び抜いた究極の傑作集。“誘拐の連城”決定版「ぼくを見つけて」、語りの極致「他人たち」、最後の花葬シリーズ「夜の自画像」など全6編。巻末に綾辻×伊坂×米澤、語りおろし特別鼎談を収録。
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連城三紀彦の魅力がにじみ出る作品群である。視点を変えることによる見事な逆転。読者にとってはぞくぞくするような裏切りである。いままでみていた景色とまるで異なる景色が目の前に現れた瞬間は、何作読んでも、一瞬すっと血の気が引く心地にさせられる。選者の方々の連城愛も伝わってきて興味深い。叶わないと知りつつ、連城作品の新作を期待したくなってしまう一冊でもある。
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綾辻行人、伊坂幸太郎、小野不由美、米澤穂信によって編まれた連城三紀彦の短編アンソロジー第二弾。収録は六編。どの作品も素晴らしいですが、個人的には『白蘭』が好きでした。
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前回のは物語がねじれねじれて空中旋回のアクロバットを魅せてくれた短篇集だったけど
今回は派手さはなく、さりとて染み入るような情感が味わい深い。
物哀しい時代情緒。
粋なトリックが物語る真相。
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連城氏を敬愛する4人のミステリ作家が選んだ傑作短篇集の第2弾。
第1弾は逆転の構図に驚いたり唸らされた作品が多かったが、今回は氏の才能の幅広さを感じさせる作品集になっていた。驚きは若干減ったが、その分シブい。そして憎いほど巧い。ミステリも文学なんだなあと改めて思った。
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レジェンド1より渋い短編のチョイス!
4つめの短編『白蘭』、読みながら実際にじんわり苦しくなってくるほど。あ〜遣る瀬無い〜。
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ミステリーにそんなに興味はないのだけど、「日本語が美しい」と方々から噂に聞く連城三紀彦氏。飛行機移動のおともに、さくっと読めそうな短編をチョイス。
噂に違わぬ美しい日本語!美しすぎて、読んでいる間めっちゃ幸せだった。私もこういう日本語を使える人になりたい…
「ゴースト・トレイン」と「白蘭」がよかった。「他人たち」もよかったけど、いやそんな風にならんやろ!と心の片隅で思ってしまったので…短編でミステリーって、すごく難しいんだろうと思うけど、すべてがおさまりの良い仕上がり。趣の違うミステリー短編を多数生み出している作家さんなんだな、というのを改めて認識。
1作目と比較すると、恋愛小説的な要素の強い作品がなくて(とらえ方によるのかもしれないけど)恋愛がらみのミステリーが好きではない人はこういう作品のほうが好みなのかもしれないな。連城色が弱まってしまうけども。
こんなに幸せに日本語読めるのなら、長編小説も余裕でいけそう。ほかの作品も読まなければ。
★初出(底本一覧から)★
「ぼくを見つけて」―『顔のない肖像画』(2016)
「菊の塵」―『夕萩心中』(1988)
「ゴースト・トレイン」―『紫の傷』(2002)
「白蘭」―『たそがれ色の微笑』(1992)
「他人たち」―『美女』(2000)
「夜の自画像」―『Bluff 騙し合いの夜 ミステリー傑作選』(2012)
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どれも超高密度(綾辻)
普通は書けない。(伊坂)
驚きは屈指のもの。(小野)
その「技」は魔法的(米澤)
四人の超人気作家が厳選した究極の傑作集。
特別語りおろし巻末鼎談つき!
逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。死してなお読者を惹きつけてやまないミステリーの巨匠、連城三紀彦を敬愛する4人が選び抜いた究極の傑作集。“誘拐の連城”決定版「ぼくを見つけて」、語りの極致「他人たち」、最後の花葬シリーズ「夜の自画像」など全6編。巻末に綾辻×伊坂×米澤、語りおろし特別鼎談を収録。
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最初連城三紀彦さんの作品を集めたやつだって気づかずに、選んでる4人の名前で買ってしまった。策略にはまっている。笑
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「ぼくを見つけて」
誘拐もの。9年前に誘拐され亡くなったはずの子どもから警察に電話が来る。子どもの正体。そして目的は。
「菊の塵」
花葬シリーズ。軍人はなぜ自害したのか。本当にそれは自害だったのか。
「ゴースト・トレイン」
赤川次郎さんの短編『幽霊列車』をモチーフに書かれた作品。夜汽車はどうやって消えたのか。
「白蘭」
戦後とある漫才師の話。
「他人たち」
とある計画を遂行する過程と結果。
「夜の自画像」
過去の事件の真相。殺したのは画家か画商か。
『他人たち』の序盤細かく反転していく世界が、そこもか!という感じ。推理小説ではなくミステリーだよなぁと改めて思った。『白蘭』とかまさに。
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短篇ミステリ傑作集。傑作集というだけあって、どれもこれも珠玉です。でも読んだことがあるのは「菊の塵」だけだったので、連城さんにはこういう味わいの作品もあるのだなあ、と新しい発見があった気になりました。
お気に入りは「夜の自画像」。これ、レアな作品らしいです。「花葬」シリーズ最後の作品でもあるそうだし。真相が薄皮をはぐようにじわじわ明かされてくるのが印象的。早く真相を知りたいような、しかし知りたくもないようなそんな気にさせられます。
「ゴースト・トレイン」も面白かったです。なんと赤川さんの「幽霊列車」とのコラボって! 「幽霊列車」はかなり昔に読んだので、とても懐かしい気持ちにもなりました。
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僕を見つけて
誘拐されたと自分で通報した少年
菊の塵
明治四十二年元軍人自害の謎
ゴースト・トレイン
雑誌の企画で赤川次郎の幽霊列車の続編として連城三紀彦が書いた短編
白蘭
戦後の大阪芸人
他人たち
他人のような家族
夜の自画像
一枚の絵の真実
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綾辻行人、伊坂幸太郎、小野不由美、米澤穂信。
四人の超人気現代作家さんたちが選んだ昭和ミステリのレジェンド、連城三紀彦の傑作短編集第二弾。
連城さんはお名前は存じ上げていたが、何となく読み損ねていた。
連城さんと同じ歳で、この短編集に収録されている『ゴーストトレイン』でオマージュされている『幽霊列車』を書かれた赤川次郎さんは貪るように読んでいたのだけれど。
今回、はじめて連城さんの小説を読んで、これは大人のミステリだな、と強く思った。
赤川さんは青春ミステリ、ユーモアミステリを多く書かれていたので、小中学生にも手に取りやすかったのだろう。
赤川さんは、いい意味であっさりとしたイメージだけれども、連城さんは、じっとりしてて艶っぽい。
巻末の鼎談で米澤さんがおっしゃるように、ものすごく「映像的」で「美的」な文章。
ミステリの面白さって、作者がどう騙してくれるか、に尽きると思うのだけれど、そこの「逆転」も満足感が強い。
四人の作家さんが、どういう作品を選んだか、どういう影響を受けているのだろうか、と分析するのも、それぞれのファンには愉しいのではないだろうか。
どれも甲乙つけがたいが『ゴーストトレイン』と『他人たち』がゾクッっとした。
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「連城三紀彦」の短篇ミステリ作品集『連城三紀彦 レジェンド2傑作ミステリー集』を読みました。
ここのところ「連城三紀彦」の作品が続いています。
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逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。
死してなお読者を惹きつけてやまないミステリーの巨匠、「連城三紀彦」を敬愛する4人が選び抜いた究極の傑作集。
“誘拐の連城”決定版『ぼくを見つけて』、語りの極致『他人たち』、最後の花葬シリーズ『夜の自画像』など全6編。
巻末に「綾辻」×「伊坂」×「米澤」、語りおろし特別鼎談を収録。
どれも超高密度(「綾辻」)
普通は書けない。(「伊坂」)
驚きは屈指のもの。(「小野」)
その「技」は魔法的(「米澤」)
四人の超人気作家が厳選した究極の傑作集。
特別語りおろし巻末鼎談つき!
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「綾辻行人」、「伊坂幸太郎」、「小野不由美」、「米澤穂信」… 四人の人気作家が選ぶ「連城三紀彦」傑作選の第2弾です。
■ぼくを見つけて
■菊の塵
■ゴースト・トレイン
■白蘭
■他人たち
■夜の自画像
■特別鼎談 ミステリー作家連城三紀彦の魅力をさらに語る--綾辻行人×伊坂幸太郎×米澤穂信
「連城三紀彦」をリスペクトしている四人の人気作家が選んだ作品だけあって、興味深い作品がセレクトされていましたね。
そんな作品の中で、イチバン好きなのは唯一既読だった『ぼくを見つけて』ですね… 誘拐された子どもから警察に電話があり、物語が進むにつれて、何が起きているのかがだんだんと分からなくなってきてという展開、、、
誘拐(本作品では、本人が誘拐されていると気付くのが9年後なんですけどね)を警察に気付かせるため、子どもが一生懸命知恵を絞る姿に泣けそうになりましたね… 切ないミステリ作品です。
その他で印象に残ったのは、明治末期の軍人の自死の謎が明らかとなる『菊の塵』と、大正後期~昭和初期が舞台で殺人事件を目撃した画商の息子が残された絵と羽織で真相に気付く『夜の自画像』かな… トリックそのものよりも、作品の持つ雰囲気がとても良かったなー
「赤川次郎」の『幽霊列車』のバスティーシュ『ゴーストトレイン』は、『幽霊列車』を読んでいれば、もっと愉しめたかも。
芸人二人の生き様が関西弁で語られる『白蘭』は、独特の関西弁の語り口で一気に読ませる巧さがあり、評価の高い作品のようですが… 個人的には、あまり好みではなかったですねー
マンションの住人の関係や経過が語りの中で次々と明かされる『他人たち』は、読み終わって んっ………。 という感じ、自分の中で上手く咀嚼できませんでした。
在庫があるので… もう少し「連城三紀彦」の作品を読んでみようと思います。
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ここのところ連城作品が続いている、もともとお気に入り大好きなレジェンド作家さんであり、既読もそこそこであるが…短編であるが故、記憶に留まり続ける作品も多くはなく(単に自分の記憶力の問題である)各種アンソロジーなどで再読し、そうだった!と、かつて味わった衝撃の読書体験を思い出すことも多い。そのような中で現代の人気作家先生セレクトの本作を読了した。
レジェンド1はすでに読了済である、2も1と同様に選者である作家の推薦文があり、推薦の理由や連城作品に共通する背景などがネタバレなしの範囲で綴られている。これを踏まえて読み進めることにより、全くの情報ナシで読み進めるよりは初読で得られるものは大きいと感じる。好みによるのだろうが、個人的には好ましいもんであった。以下作品ごとに思うことをツラツラと…ネタバレあると思われます!ご注意してお進みください。
ぼくを見つけて 選者 伊坂幸太郎氏
これは最近読み終えた「顔のない肖像画」に収められており、連城作品の中でも一つのジャンルと言える「誘拐」を扱ったものである。ただ冒頭の電話から始まる展開には「どこから誘拐なのか?」読者を迷宮に誘い込む連城マジックが炸裂していた、読後感としては非常にモノ悲しいものを感じる。この読後感も連城誘拐モノにちょっと共通してるかも?
菊の塵 選者 小野不由美氏
これは花葬シリーズに含まれており「戻り川心中」の中の1篇である。戻り川を読了したのは大夫前であり。自分の脳にに圧倒的ヴィジュアルをもって記憶として留まり続けるのは「桔梗の宿」であり、そのせいもあって今作はほとんど覚えていなかった。
しかしながら再読して思うことは、明治時代後半を舞台として、その時代背景、現代では絶えてしまった価値観、市井の人々の動静などを物語の中に凝縮させ、夫を死へ追いやることしかできなかった女の哀しさ、死ぬことでしか己の価値を見出せなかった男の憐れさ、を同時に紡ぎだした作家連城三紀彦の技量の凄まじさである。そして花葬シリーズ共有の、女の情念を菊の花弁に託した活字表現が、圧倒的映像美となって脳髄に襲い掛かってくる。選者が女性であるのにもなんとなか納得する。
ゴースト・トレイン 選者 綾辻行人氏
この作品は誕生したいきさつが一風変わっている、こちらもレジェンド級の作家赤川次郎氏の「幽霊列車」とつながりのある短編を連城氏が手掛けた、ということ。月刊誌の企画だったようで赤川氏も恋情作品「恋文」をモチーフとした「ラブレター」という短編を書いているよう。
赤川作品は全く読んでいないのだが、��幽霊列車」はテレビ朝日系列で放送された土曜ワイド劇場なる2時間ドラマのはしりである番組で視聴した記憶がある。おそらくは中学の頃で主演は田中邦衛氏と浅茅陽子氏だった。内容は全く覚えていないのだがお色気シーンは連城作品並みに記憶に刻み込まれている。
本家「幽霊列車」は知らないのだが、今作にも連城氏らしい事象の反転が組み込まれている。
白蘭 選者 米澤穂信氏
こちらもまた関西弁での独白という変化球的物語であった。時代は敗戦後の荒廃であり漫才師のコンビである二人の男の物語であった。蘭の文字が含まれている故「花葬シリーズ」と思いきや、作者曰くそうではないようだ。如何にしてこの漫才コンビが観客を魅了し、その芸を極めていったのか?が、語られていくが、生い立ちも含めて彼等の私生活がさらされていき、破局しか感じられなくなり、とうとう最後の最後に秘められていた二人の関係性が暴かれるのだが、まさに物語の反転、二人の男が秘めていた感情が読者に刺さりまくる。これは花葬でも良いと思うけど、女が登場しないからダメなのかな?
他人たち 選者 米澤穂信氏
こちらも独白形式で物語が進む、時代は現代であり、語り手の女性が大人へとなりつつある第2成長期時分からの回想である。彼女の家庭、父、母、兄、祖父とその関係を住居との繋がりを絡ませて綴っていく。この年代の少女の悪意のない残酷さを垣間見せてくるようでいて、実は計算された悪意ではないのか?という疑念を抱かせるようになっている。彼女の画策が一旦終わったかのように見えた最後の最後に、またも彼女が見ていたものが何であったのか?それが明白となった時、彼女もやはり囚われていたままであった…ということに気づかされる。フィニッシングストロークに近い。連城作品では記憶にない締め方だった。
夜の自画像 選者 綾辻行人
連城作品には、美術、芸術 伝統芸能などを背景に進められる作品も多いと思う。今作は絵画を扱っている。前の読了作品「顔のない肖像画」でも絵画を扱っており、作家連城氏の美術芸術に対する審美眼の良さが伝わってくる。
殺害された泣き父の死の真相を、残された息子が解明していく物語である。そのヒントは「夜の自画像」なる画家の自画像、そして父が誂えたという一対の羽織、その裏地には白い花と瓢箪の実がそれぞれ織り込まれている、そして何より現場を目撃していた語り手の記憶である。
鮮烈さを取り戻す記憶の合間に、もたらされる新たな証拠、鏡越しに写った真実、様々な事象の末に真実らしきものが判明していくが、「白蘭」に共通する男性同士の愛憎が明らかになる。その果ての父と息子の互いの思い、と「夜の自画像」に描かれた夕顔の陰影とが映像美を突き抜けて感情の大波となって読者に降りかかってきた。
これは2008年の上梓であり、花葬シリーズの最新作であり最終作であった。納得の読後感である。
解説では綾辻氏、伊坂氏、米澤氏の対談となっていて、とても楽しい。連城三紀彦なる作家の影響力がどれほどのものか?諮られる。