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毒と薬の文化史 サプリメント・医薬品から危険ドラッグまで みんなのレビュー
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紙の本
タイトルにある毒と薬に関する解説は面白いですが
2017/12/21 22:54
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルにある毒と薬についての解説に関しては興味深いものであり、この両者は表裏一体であることがよくわかる。チョウセンアサガオなどアトロピンを得るための植物の話であったり、生薬の話であったり、また植物から得られるアルカロイドには麻薬類が多く、そういったものの本質などが記されている。
ただ少し抗生物質を持ち上げすぎかとは思う。筆者が抗生物質に思い入れがあるのだろうが、抗生物質は新薬を作ってもすぐに耐性菌が登場してしまい、薬の寿命は短くなっているように感じる。40年耐性菌から人類を守ってきた、そしてMRSAに対する人類の切り札であったバンコマイシンも1997年に耐性菌が生じた。その後リネゾリドを開発するもわずか半年で耐性菌が生まれてしまった。人類は抗生物質を安易に使いすぎている。抗生物質が効かない細菌だらけの世の中になるのではないかと心配である。
さて、本書では薬剤に関する制度の話をかなりのページを割いて説明している。同じことを何度も何度も書いているようであるが、そこから感じるのは筆者の言葉とは裏腹に、医師や医学への劣等感だ。医学と薬学は違うから薬剤師が医師にコンプレックスを持つことはないと何度も鼓舞しているが、結局自身に相当な劣等感があるからなのではないかと勘繰りたくなる。さらに登録販売士を下に見て、薬剤師の地位を上げようとしているのではないか。
さらに医師の世界に気を使いながら、薬剤師に金が回るように願っていることも読み取れる。スイッチOTCが増えれば薬剤師の活躍する機会が増えるし、国の財政も助かるしで一石二鳥であるはずなのに、筆者は否定的である。登録販売士に仕事を奪われるのではないかと心配しているのだろうか。さらに調剤料を上げようと考えていたり、とにかく国の財政などお構いなし。医療費が膨れ上がって国を維持できなくなろうが筆者にとっては知ったことではないのであろう。しかし国民にとっては非常に大事な問題である。読者は是非、国の現状を認識した上で本書を読んでほしい。
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