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紙の本

新種の「ソ連防衛論」

2019/09/25 23:28

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

第2章以下はロシアに支配されて以降のフィンランドの歴史を書いているから、200年余りを占めている。しかし二月革命でいきなりケレンスキーが臨時政府の権力を握っていたら困る。第1次世界大戦でドイツ軍に参加したフィンランド人部隊を「イェーガー部隊」とドイツ語読みするのは「フィンランド軍のすべて」が出典だろう。
 この本で問題なのは独ソ不可侵条約での帝国主義的な勢力圏分割を「ドイツに不信感を持つソ連による祖国防衛論」という立場に立った上でフィンランドの歴史を書いているところ。ソ連が承認した主権国家であるはずのフィンランドに「領土交換」を持ちかけた事を肯定的に書いている。バルト三国の運命を見れば、ここでフィンランドが「プロレタリアートの祖国ソ同盟」に妥協をしたらソ連崩壊までソ連を構成する一共和国になった事は分かるだろうに、著者は何故こんな事を書くのだろうか?袴田里見の「党とともに歩んで」でフィンランドがソ連を侵略したと書かれていたのを連想した。参考文献目録にアイノ・クーシネンの回想録があるから、スターリンが信用しなかった上に見捨てられたゾルゲ機関の運命ぐらい知っているだろうに、そこまでしてソ連を擁護したいのかが不可解なぐらいだ。
 平成になってからのフィンランド軍ものの本では「中国的天空」の著者なので無視しているとしか思えない「北欧空戦史」をはじめ、フィンランド軍の装備や活躍は書くが、その背景となる政治史となると意外とないから痛いところだ。
 冬戦争について「冬戦争」を元に書いているので、「劣悪なフィンランド軍が赤軍に善戦した」ように書かれている。これは「冬戦争」の問題でもあるが、それでいて道路でしか移動出来ない赤軍をフィンランド軍が急襲したとも書かれているので、どちらを取ればいいのか?
 継続戦争についてフィンランド側は名前通りに冬戦争からの継続だと主張して、ドイツの戦争とは別の戦争だとした事を著者は批判しているが、アメリカがフィンランドと断交したのは1944年になってからと書いている。矛盾しないのか?ちょうど日本軍に占領されてからタイが取った運命とよく似ていると思う。
 ソ連と休戦を結んだフィンランド軍がラップランド戦争を迎えるにあたっての兵力数がフィンランド側が求めた「第一次世界大戦から第二次世界大戦までの兵員数」とソ連側が要求した「一九三九年一月時点の兵員数」が併記されている。はっきり言って意味が分からない。「最終的」な兵力はパリ条約での数字のようだが。その上、「核兵器の所有、開発、実験」と言われても、この時点で核兵器はまだ「開発」段階で「実験」どころか「所有」している国家など地球上に存在していない。
 原語音訳のパンツァーファウストで通っているドイツ製の兵器を「対戦車擲弾」と訳さなくてもいいのに。
 これなら政治史だけに絞って本を書いた方がよかったかもしれない。

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