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ハーバード大学教授陣の知性を紹介
2020/08/12 11:14
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投稿者:パミチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は専門が日本史だけではなく社会科学、経営史、マネジメント、人類学、政治学、経済学と多方面にわたる10人の教授へのインタビューをまとめたものである。文章は簡潔でかつ読みやすい。
本書の帯に「なぜ世界最高の知性は日本史から学ぶのか」や「世界に日本という国があってよかった」といった広告文が並んでいたので、よくある日本礼賛の軽い本だと思っていたが、読んでみてハーバード大学教授陣の知性の深さに驚かされた。
例えば、日本史専門の教授の教え方は「単に歴史的人物の名前を覚えるのではなく日本史に変化をもたらしたものは何か、世界とのつながりがどう変化していったかに注目し、大きな流れを把握してその時代の人々の考え方、どんな世界観を持っていたかを学ぶ」ことに力点を置いている。暗記中心の歴史の学習とは大違いである。
また、マネジメント専門の教授は経営大学院の学生に「モラルリーダー」(道徳的なリーダー)という科目の中で「トルーマンと原爆」をテーマにトルーマン大統領の決断プロセスとその結果を検証させていて、大変面白い。学問の独立、自由主義が徹底している証左である。その教授がインタビューの最後に語った「世界の唯一の被爆国として日本が今後も世界の良心であり続けて欲しい」との言葉が印象的であった。
日本史に関心のない方にも薦めたい良書である。
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投稿者:如水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の良さを改めて感じさせてくれたことに感謝します。
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こうゆう歴史教室がほしい
2023/07/23 20:48
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投稿者:Ottoさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
元米国駐日本大使のライシャワーが奔走して、1973年にハーバードに日本研究所を設立した。そこでどのような研究、講座が開設されているのか10名の教授にインタビュした本。
生半可な日本人よりも、日本の歴史、政治、芸術、文化に深い理解を持つことになるように思う。
結局正しい答えというものはないのだが、知識ではなく日本に関する事例を使って考えさせる、特に印象的なのは、「トルーマンの原爆投下の判断は、正しい判断か」というもの。アメリカの多くの高校では、戦争を早く終わらせるため、アメリカの将兵の犠牲を少なくするために必要だったと教えているらしいが、この講座で討論をした学生の半分以上が倫理的に間違っていたと考えに至っているらしい。判断の過程において、被害想定への情報、他の選択肢の考慮が不足しているから判断は正当化できないというのだ。いずれにせよ「正しい戦争」などないのは確か。
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歴史の学習の入り口に
2018/05/16 17:32
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投稿者:こまちのパパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史を学べる本というよりも、歴史にまつわるお話を学べる本です。
非常に読みやすいですし、「さすが!」と思う興味深いお話もたくさんあります。
一方で、網羅的に学ぶ、深く学ぶための本ではありません。
サクサクと読み進めながら、気になったキーワードについて他の本を読んでみる……のように、歴史の学習の入り口になる本だと思います。
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ウキウキピノキオ
2017/11/30 11:04
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人の知らない日本、日本人の気づかない日本を改めて認識させられると同時に、「世界の良心」としての日本、世界に日本という国があって良かったと思われ続けたいと改めて思わせてくれる書。
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日本国に対する各氏の論評集
2020/05/07 23:13
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投稿者:FA - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本は「大きな社会的な動乱をおこさずに、課題を解決していく方法はある」ということを示す世界のモデル国となれると思います。私が危惧しているのは世界中に「実体のない品格」を求める人たちが増えてきていることです。「自分の国は他国よりも優れている」「自分の国には良い歴史しかない」と若者に教えて、愛国的な国民をつくろうとする。こうした動きが日本、アメリカだけではなく、ヨーロッパ、中国、韓国などにも広がってきています。これは非常に危険な兆候です。以上、アンドル・ゴードン氏
他に、アルバート・クレイグ氏、エズラ・ヴォーゲル氏等々。日本国に対する各氏の論評集です。
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私は現役の日本人ですが、源氏物語とか教科書でしか読んだことないですし、そもそも全部読んだ事ないです。この本を読んで、実は日本人なのにアメリカの学生よりも自分の国のことを知らないのでは?と。
歴史の授業にしても、こんなに深く学んできていないと思う。これを機に日本のことも海外のことも少しづつ学んでいきたい
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ハーバード大で日本史の授業があるのが
”へえ~!”と思いました。
でも考えると、リベラルアーツとしては各国の
歴史や文化を学ぶことは大事なことだと思います。
内容的には選民思想と少し重なってくると嫌な感じが
します。
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いろんな教授の話がわらわらと書いているので、ふむふむとい箇所は沢山あったけど、特別印象に残るものは少なかったかな。
ハーバードの教育が、地球市民を育てる、という感覚で、すごいと思った。
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ハーバード大学の知日派教授10名への著者インタビュー集。さすが、米国・そしてハーバードの奥の深さ!やはり良識の国は素晴らしい。日本史に関する授業内容の中身の濃さには圧倒される。日本が文化面で世界に果たしてきた功績は極めて大きく、その面で尊敬される国を目指してほしい、平和をリードする国であったほしいとの訴えが共通していると思う。日本は「品格のある国家」を目指すべきとするアンドルー・ゴードン教授。それは国民が我が国は特別でも完璧でもなく、わが国にも暗い歴史があるのだと認めたうえで、自国を誇りに思う国なのだそうだ。全くその通りだと思う。安倍晋三氏やその周辺の人たち、ネトウヨの人たちはこのことを理解してほしい。渋沢栄一がセオドア・ルーズベルト大統領の日本観に影響が与えたことを主張し、Sルーズベルトとトランプの排他主義が共通し、今こそ日本が主張することがあるのではと示唆するかのようなジェフリー・ジョーンズ教授。日中両国の研究家として知られ、中国は日本から学んできたことを主張するエズラ・フォーゲル教授。トルーマン大統領が広島・長崎に原爆を落とす決断をしたことが道徳的に正しかったかを議論する授業を行うサンドラ・サッチャー教授。議論には3つの尺度(功利主義、戦争は地獄、スライディング・スケール)があるようだ。インドの幼少期から日本史における仏教文化を通しての教育の充実に学んできた、そして世界にモデルとしての日本があってよかったというアマルティア・セン教授。その他。日本が米国の良識的な人たちからどのように見られているかを知る上での素晴らしい本だ。
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【内容】
世界最高の学び舎、ハーバード大学の教員や学生は日本史から何を学んでいるのか。『武士道』『忠臣蔵』から『メイド・イン・ジャパン』まで取り上げる一方で、「終戦の詔書」を読み上げたり、和食の奥深さを学んだり……。
授業には日本人も知らない日本の魅力が溢れていた。アマルティア・セン、エズラ・ヴォーゲル、アンドルー・ゴードン、ジョセフ・ナイほか。ハーバード大の教授10人のインタビューを通して、世界から見た日本の価値を再発見する一冊。
【感想】
2017年11月読了。
もう一度読みたい。今読んだら前回とは違うところに注目できる気がする。
ハーバード大学の教授陣が語る日本史。だが日本史にとどまらず環境問題やリーダーシップ論、経営学、経済学、和食に日米関係など多彩。全体的に日本を好意的に見てくれてるので読んでいて嬉しくなる。
経済成熟国が再び3〜4%の経済成長を達成した例はなく、高い経済成長を目標にせず、日本が目標とするべきことは沢山ある。
歴史を正負、両方の側面から見る。歴史を通史で見る。
「世界に日本という国が存在してくれてよかった」
by アマルティア·セン
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ハーバード大学の先生方が語る日本史・・・というよりも日本を語った本という感じです。
日本で常識とされていたことや考えが、ハーバードの教授方は違った受け止め方をされていることを知ることができ、新鮮な見方ができました。
たとえば
・アメリカの女子学生は『源氏物語』には共感できないが、そう感じる程度に内容を理解しており、しかもすぐれた文学作品という認識は持っている。
確かに、「桐壷」での光源氏ってやってることは性的暴行やし、紫の上を引き取って育てて。。。なんて話は幼女に対する性的虐待とも言えそうですしね。。。^^;
また、明治維新の主役は西郷や龍馬ではなく大久保や木戸、という見方はまさにそうで、「なんだ、外国人のほうがわかってるやん」なんて思ってしまいました。でも西郷も龍馬も大事な役割を果たしているという見方には変わりないのですが。
タイトルは「日本史」とついていますが、教授陣が語る日本には日本史にとどまらず環境問題やリーダーシップ論、経営学、経済学、和食に日米関係など多彩。
教養を深めるビジネス書として一読すると、どこかでお役に立ちそうな一冊です。
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『ハーバードでいちばん人気の国・日本』に続くハーバード×日本ネタ。
ミーハーで、ハーバードというブランド&権威に弱い日本人(私)が飛び付くタイトルで、読みやすくサクサク読めましたが、読後はう~んという感じ。
前作でも感じましたが、タイトルと内容が微妙に合ってないような。
日本史教室というより、ハーバードの日本学者の紹介という印象。
せっかくハーバードの著名な学者にインタビューされたのだから、人となりや研究内容を詳しく書いていただいた方が良かったように思います。
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◯品格ある国家=負の歴史を認めつつ自国を誇りに思う、を目指すべき
◯世界史の中の日本史、世界の中の日本
◯国を開き、コスモポリタンに
◯歴史の二面性
◯大久保・木戸は正直。国家を第一に考えた
◯今の日本は目標が定まらない。明治維新で西洋に追い付いた
◯ペリー来航・開国要求の目的は中国との貿易や捕鯨のための燃料補給
◯第二次世界大戦の本質は石油戦争
◯日本の電化・エネルギー転換は急速に成功
◯日本人の強みは人情・逆境から立ち直る力・戦争放棄
◯渋沢栄一、倫理的な責任感を伴った株主資本主義を理想に。資本主義の危機にある現代でも参照されるべき。
◯リーダーは決断した事柄だけでなく決断のプロセスにも責任を負う。
◯宗教がもつ文化的影響力。
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日本人による日本史研究にも十分な意味があると思いますが、外国人による日本史研究は、相対化、という点で、日本人によるものとは違う価値を持っている、と、改めて思いました。
自分の長所や欠点の中には、他人の方がよく見えている部分があるわけですが、歴史についても同じことが言えるようですね。
日本は、長い歴史を持つ国ですが、歴史の教えた方については、とくに長けているようには思えません。
ときにはこの本のような視点を織り交ぜながら、客観的に日本を、そして日本の歴史を見ることは、バランスのとれた自国史観を養う上で、とっても重要な気がします。