紙の本
二度のお別れ
2020/01/06 23:13
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒豆コンビが真犯人柿沼をおいつめ、あと一歩のところが面白い展開でした。柿沼が生きているて、題名が二度のお別れ、だったので柿沼が犯人までは推理できましたが奥さんの康子までが犯人というところまでは推理できませんでした。
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
この犯人、頭いいなあ。
で、それを考え出した黒川さんも頭いいなあ。
そりゃ、警察は疑いますね。
って、黒川さんにしたら大迷惑以外の何ものでもないけど。
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二度のお別れ
2017/11/25 13:34
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投稿者:kon - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒川さん初期の作品(20年ほど前)ですね。やや特徴の滑らかな大阪弁のやり取りがややぎこちないかもしれません。黒マメコンビ大変懐かしいです。家族とのふれあい、なんとなく好感できる二人の会話いいですね。これから過去の黒マネシリーズが再発行されるのでしょうか。新作も大いに期待します。
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お笑いとミステリーの融合
2021/10/28 11:25
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投稿者:imikuto - この投稿者のレビュー一覧を見る
黒マメの大阪弁や、上司村橋に対する心情表現は、お笑い度満点。
お笑い度ばかりが注目されがちだが、本作の最大の特徴はむしろサプライズな真相とトリック。
デビューのころは、お笑い要素があっても、意外に洒落ていて、意外にミステリーしている作品が多い。
それが徐々に泥臭い印象になっていく。それが残念。
といっても、「後妻業」なんて読んだことないので、ほんとうに泥臭いかどうかはわからない。読んでみれば意外に気に入ったりして。
すくなくとも、(著者の風貌に合った)泥臭さを出したほうが売れるのだろう。
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時代背景
2017/11/16 20:47
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「破門」で直木賞作家となった黒川博行氏のデビュー作。銀行強盗が人質を取って逃走し、やがて身代金要求の誘拐事件に…という展開。26年前に書かれた作品だけに、スマホもPCもなく、古臭さは否めないが、バブル崩壊後という時代背景を踏まえれば致し方あるまい。もとより、黒川氏にしても、卵から羽化したばかりだ。ただし、大阪弁によるユーモラスな台詞の遣り取りは今と同じ。その意味では黒川小説の原点と言えるだろう。
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描写の中に例えば「国鉄の大阪駅」というような、明らかに「執筆された時代の言い方」が在るが、全然古くは感じない。暫く読み進んで、「そう言えば、作中で誰も携帯電話を使っていない?」と不意に気付き、少し以前の作品と思い至るという具合でもある。
手軽な分量で非常に読み易い。他方「登場の当初から一定程度完成されていた“黒川博行ワールド”」が満喫出来る!!
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阿藤快氏が読んでたら「なんだかなー」ときっと言ったと思う。劇場型犯罪なのになぜかヒートアップせず、結局は迷宮入りしてしまった。迷宮入りしちゃうが最終的には犯人が告白するのでモヤモヤ感はないが淡白な作品であるのは否めない。個人的に思うのはやはりこの作者はいろんな意味でワルを主役にした方が輝くと思う。
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デビュー作ということで、小説の時代背景も携帯などがない時代だったりする。
まめちゃんがなかなか切れていて面白かった。
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黒川先生の記念すべきデビュー作。第一回サントリーミステリー大賞に応募し、佳作となった本書。その後も本書で登場する黒マメコンビの「雨に殺せば」で佳作となり今度は一転、女子大生を探偵役とした「キャッツアイころがった」で見事第四回大賞を受賞。黒マメコンビでは受賞できなかった理由は「華がない」からだったそうな。本書と同じ年にグリコ・森永事件が起きたが、本書の内容の一部が事件に酷似しているという事で一時は犯人に関係があるのかと警察に疑われ訊きこみを受けたといういわくつきの作品だ。詳細→
http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou3625.html
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大阪府警シリーズ第一弾。
読みやすい内容だが、最後のどんでん返しが面白かった。
真相に辿り着くプロセスに一工夫あればもっと良かったかも。
最後の三輪車の記述が胸を打つ。
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馴染みの無いコテコテの関西弁を脳内で再生する際のイントネーションに苦戦しながらも楽しく読むことが出来た。
銀行強盗誘拐事件が起きる。刑事達の脱線会話も面白かったが、事件の緊迫感は薄い。物語が大きく動き出すのは後半の後半から。ヒントになるものが多く、考察するのが楽しい。勿論、良い意味でしっかりと裏切ってくれる。私が想像出来る範囲は余裕で飛び越えていった。
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1983年の第一回サントリーミステリー大賞佳作にして黒川さんのデビュー作。
その手口が「グリコ・森永事件」に似ていたために当時警察から事情聴取されたという曰く付きの作品でもある。
久しぶりに再読した。
銀行で強盗事件が発生。犯人は現金約四百万円を奪った上、勇敢に飛びかかってきた男性客に発砲し怪我を負わせ、男性客を人質に取って逃亡した。その後、男性客の自宅へ身代金一億円を要求する脅迫状が届く。
一番の山場は一億円の身代金を巡る犯人と警察との攻防。逆探知を避けるため、事前の指示は基本的に手紙や伝言。長くなりそうな電話については男性客宅ではなくその隣家や銀行を通じて行う。
身代金の運搬もまるで警察を弄ぶかのように振り回す。行く先々に伝言メモが置いてあったり中継先の店に電話が掛かってきたり、実に入念な計画がされていたことが分かる。
同時に人質の指や耳を切り落として送り付ける残忍さも見せつけ、人質の家族や警察へ犯人の指示通りにしないと最悪の事態になる恐怖心を植え付ける。
大阪府警黒豆コンビシリーズでもあり、会話の軽妙さはデビュー作から光っている。特にマメちゃんこと亀田の舌の止まらなさは後の様々なシリーズに通じるところを感じてニヤニヤしてしまう。しかもマメちゃんは単におしゃべりなだけでなく頭が回るのが良い。
一方先輩の黒さんこと黒田は年齢もあってか疲れ切っている感じ。五歳の娘の声を聞けば元気を取り戻したり娘となかなか遊べないと心の中で零しているあたり、子煩悩な父親ということか。
改めて読み返してみれば最初から怪しさがあちこち見えている。しかし現代の振り込め詐欺のように冷静に考える隙を与えなかった犯人の方が上手だったと言えるだろうか。
最後がバタバタしていたのが残念。しかしこれは解説にも書いてあるように、応募作品ということで締め切りも迫っていたらしいし原稿枚数の制限もあっただろう。取材も十分に行えなかっただろうから色々粗も見えるがそれもあって今の黒川さんがある。
アナログ感満載なのも今読み返せば楽しいし、犯人の動機も後の黒川作品に繋がるところがあって興味深い。『二度のお別れ』というタイトルの意味と共にラストの虚無感を置いていくところも良い。
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古本屋さんで見かけ買った一冊。
強盗と誘拐の話だった。
完全犯罪をやった犯人が事件の真相を最後にバラす
なんか不思議な感じで終わった内容だった。
今まで読んできた事件物の小説はだいたいがどんな形であれ解決している。
でもこの小説は主人公達が事件の真相に辿り着いていない。
欲しい所までいっているのに
完全犯罪を成功させても幸せにはならなかった犯人
そりゃそうだなと感じた小説でした。
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黒川さんのデビュー作 もとは1982年刊行 3度目の文庫化だそう 人気の程がうかがえる
JRがまだ国鉄のころのはなし でも、国鉄やスマホがないこと以外では、古さを感じさせるものはなく、令和に読んでも、私には謎解きが分からなかった
捜査は難航 迷宮入りの未解決事件となってしまったが、最後に驚く展開 なるほど二度のお別れか
大金を手に入れても、最後には悲しい結末
惜しいところまで嗅ぎつけた、黒マメさんたち
撃たれなくてよかった
最新刊も読みたいし、過去の他のシリーズも読破したい
黒川さんの妻雅子さんの果実の画も素敵で、見入ってしまう
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お話としては、大阪の銀行で銀行強盗が発生。
その場に居合わせた男性客が犯人を取り押さえようとしたが犯人に撃たれ負傷、そのまま連れ去られ犯人からは身代金の要求が。
大阪府警捜査一課が犯人逮捕に当たるが、最初は行き当たりばったりでの誘拐かと思われたが、犯人は意外に巧妙な交渉を持ちかけてくる。
事件の真相自体はある程度事件が進展した時点で何となく思っていた通りでしたが、エンディングの持って行き方は新鮮でした。
あと書かれたのが80年代前半なので携帯電話も登場せず電話ボックスが犯人からの連絡に頻繁に使用されるのが懐かしかった。
この小説は登場人物のキャラが一人一人個性的で、こんな奴ら本当に居るんだろうな・・・と思わせる。
大阪府警が舞台と言うことで会話はすべて大阪弁、特に主人公の黒田と亀田の会話は軽妙で大阪出身の私としては楽しく読むことができた。