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面白くなくはないけどいまいちかな。お得意のM資金に纏わる陰謀の話だけど、捻りがなく、盛り上がりに欠けた。
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★2017年12月16日読了『Dの遺言』柴田哲孝著 評価B+
初めて読む作家だが、しっかりした事前調査を元に史実な物語設定の中で描くフィクションが得意らしい。
この作品もそこそこ期待通りの出来映えと言えようか。
戦時中の昭和19年に出された軍需次官名通達により日本全国から集められた接収貴金属は、日銀地下倉庫に保管されていた。
それを米駐留軍が盗み出したところから話は説き起こされている。(実際、ググったら、隠退蔵物資事件が起きており、戦後、近畿大学の創始者となった世耕弘一が隠退蔵物資等処理委員会の副委員長として事実を追求している。)
この戦後未だに詐欺事件になって繰り返されているM資金と呼ばれるダイヤ他の貴金属の残りが全国のどこかに埋蔵されていて、埋蔵場所を示す謎の地図、ヒントが、戦時中の亜細亜産業によって残されていた。その暗号文は、源氏物語や大蛇伝説に解明のキーがある。その解読合戦と取り合いが物語の焦点。
東大特任教授の浅野伽羅守(がらむ)とその友人たち 数学の天才と呼ばれた東大理学部卒業のギャンブラー武田菊千代、米国弁護士の小笠原伊万里、正体不明の調査員である南部正宗の4人がチーム。これに対抗して、その横取りをもくろむ謎の二人組、ヘルマとサムソンさらにはその背後にちらつくフリーメイソンメンバーのケイシー・サリバン。
途中、伏線広げすぎではないかと思ったが、何とかそれらを回収して収斂させて物語は終わる。なかなかの書き手である。もう少し物語の細かいところに意外性があると、ずっと引き締まった作品になるのだが、読後感としては、ちょっとだけどここまで書けるのならあと一つピリッとひねりが欲しいと感じた。たとえば、簡単にヘルマとサムソンが、人質を手放してしまうとか、簡単に事故でリタイヤしてしまうなどは、あまりにイージー。
しかし、別の作品、下山事件 暗殺者たちの夏も読んでみようと思う。
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シリーズ2作目。1作目同様に主人公側、敵側共々隙がありすぎる。人間味があるといえば聞こえは良いかもしれないけど締まりがない。お互いに目的に対して淡白に感じるので読んでて高ぶることがない。
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面白かった!!終戦直後、GHQの監査後に日銀から消えた16万カラットものダイヤ。その行方を記された暗号を手に入れた迦羅守、伊万里、ギャンブラー、正宗の4人。調査開始直後、「手を引け」との脅迫メールを受け取る。何者かに襲われるギャンブラーに続き、迦羅守の部屋も荒らされる。敵より早く暗号を解きダイヤモンドにたどり着けるか!?暗号もダイヤモンドへの最後の鍵もアッサリ解かれるが、後半からは仲間の危機にハラハラし、アクションもあり、エンタメ性は高い。残念なことに、肝心の紅一点があまりにもポンコツすぎた。
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戦後、日銀に保管されていた20万カラットのダイヤモンドが消失。亜細亜産業に勤めていた曽祖父たちから託された消えたダイヤモンドの在り処を探す4人の孫たち。
「Mの暗号」の姉妹編と言える宝探しもの。戦中戦後に不正に蓄財された膨大な資産によって、いまの地位を築いた人々の末裔がいまもこの国の政財界を牛耳っている姿が見えてくる。
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33M資金の話しってまだ生きてるんですねえ。冒険活劇として楽しみました。史実っぽく文献や人名が沢山出てくるけど、そこまではいらないかも。
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「Mの暗号」の続編。
下山事件をよく取材されている著者だけに、亜細亜産業が絡むお宝の背景はリアリティがあって浪漫がある。前作同様、お宝探しとしては暗号解読など楽しめた。ただ、競合相手があまりにもヘボいし、4人の孫チームも隙だらけ。お互いおふざけコントをやり合ってるのかしらと思うくらいお粗末。敵も味方ももう少し賢明だともっと面白くなるのになぁと思ってしまった。