紙の本
結構グロいけど、面白かったです
2024/04/14 15:35
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投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
時は大正か明治時代でしょうか。
天鵺家の跡取り息子、鷹丸の遊び相手に選ばれた女の子、茜。
異様に虫を嫌う風習、限られた人間にしか見えない鳥女と呼ばれる守り神の雛離。
天鵺家の異様さに息苦しさを憶えながらも、親にすらあまり顧みられていない鷹丸を気の毒に思って彼と共に過ごす茜だったが、ある日の夜屋敷に一人で過ごさなければいけなくなり…。
廣嶋さんの「妖怪の子預かります」を読んで、もう少し現実的な人間関係のものが読みたいなと思いこちらを手に取りました。
かなり読み応えがありました。
ゴシック・ホラーミステリーって言うんでしょうか、業を抱えた閉鎖的な名家。大人達はすっかり業に取り込まれ、人を殺す事もなんとも思わなくなっている恐ろしい家。
そんな中、跡取りの鷹丸だけは何も知らされず、素直で優しく育っているのが救い。
さらに遊び相手に選ばれたのが優しく生命力の強い茜であったので、天鵺家を陰惨な業から解き放つことが出来たのでしょう。
もしかしたら鷹丸の父の若い頃にも、業から開放されるチャンスはあったのかもしれないという描写にはなんとも言えない気持ちになりました。
最初動いていた柔らかい心も、何度も殴られるうちに段々と麻痺していく。そんな事は多かれ少なかれ誰にも起こりそうな事なので。
個人的には鳥女である雛離が心を取り戻した場面にグッときました。
怨霊をどうやって鎮めるのかと思っていましたが、そうきたかと。
この作者さんはお話の展開とおさめ方がうまいなぁと思います。
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単行本が出た時から気になっていたので、文庫化を機に購入。全く知らなかったのだが、児童書で有名な著者らしい。
王道の和風ホラーファンタジーで、想定されている読者は割と若い人たちなのかな、という印象。他の作品も読んでみたい。
また、巻末の井辻朱美の解説が、児童文学ファンタジーの概略としても興味深いものだった。
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禍々しい森と呪われた旧家。呪術と魔物。上質なホラーでした。前半は不気味さのある家に子息の遊び相手として迎え入れられた少女の視点で描かれます。中盤、ある儀式を境にホラーの度合いが増し、そこから最後までは一気読みでした。なんていうか、怖いもの見たさもあって読むのを止められない。
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茜の生家は、経済的な問題があってもまあ普通の健全な家庭。鷹丸の家は伝統的なしきたりに縛られた家。
帯には傑作ファンタジイとあるけれど……ホラーじゃないですか!! 少しはファンタジーっぽい部分もあるけれど、怖かった。最後はほっとしたけどね
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読みやすさとおもしろさで一気読みのダークファンタジー。
秘めた生き様や複雑な心情の闇を抱え、子を想う母としての意地をぶつけ合う静江と千鳥さんの対決が個人的にグッときた。結局二人とも因果な結果を迎えてしまったが、新しく生き直す姿も見てみたかったなぁ。
揚羽姫より怨みが深くてもおかしくないほどの仕打ちを受けてきたのに、感情を取り戻しても穏やかに自分の運命と対峙した雛里には目頭が熱くなる。
映画を観ているような臨場感があっただけに、プツンと断ち切られたような終わりは物足りない。もっと続きを読ませてw
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括りとしてはYAホラーファンタジーでしょうか。読む前、ホラーチックとは思いませんでしたし、ホラー好きではない私もついつい引き込まれるほど面白かったです。13歳の主人公・茜も若様も怖さに負けす健気に頑張った。ただ、せっかく茜と茜の兄が取り決めた「枯葉の暗号」の使い処がないまま終わってしまったのが惜しいかな。
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ホラー、ファンタジー。
まあ良いんだけど、なんか物足りない感じ。
キャラクターに魅力がない?
いろいろ消化できないうちにどんどん話が進んでいってなんとなく終わったような。
でも雰囲気は良いし、読み進むのも苦じゃなかった。
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タイトル変わる前の鵺の家より読みました。
鵺の家では表紙から少しホラー感が出ていたので想像はつきました(⌒‐⌒)
静江の事を鷹丸が知るとどうなるのかそこの親子的な場面もちょっと読んでみたかったです(⌒‐⌒)
雛里も揚羽姫も救われてよかったです!二人とも幸せな場所に行き次の人生はたくさん愛される存在であってほしいです(*´ω`*)
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廣嶋さんの作品としては珍しい作品ですかね
面白かったです
過去の因縁からのプロットは流石に良くできていますよね
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ある家の呪いと因習を子供たちが断ち切ろうとする物語。
さすが廣嶋玲子さんなだけあって読みやすく、子供の目線で描かれる恐怖は大人でも身震いしてしまうほど!
終盤まで夢中になって読んでしまいましたが、肝心のラストは「えっここで終わり?」感が否めず……。
とても面白かっただけに、ちょっと残念な気持ちになりました。続きが欲しいよ~!
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やっぱり廣嶋さんのファンタジー好きだなぁ。
今回はホラーちっくで、そわそわしつつ、でも子供たちの頑張りにわくわくもする。
ふたりがとても生き生きしていて、弱さを受け入れる強さと、ひとを想うやさしさがあって、とてもとても好き。
ふたりは、鳥籠の家は、これから自由に羽ばたいていくんだろう。自由は大変で苦しいときもあるけれど。でもふたりならきっと大丈夫。
(でもふたりのこれからももう少し見守りたかった…!とも思う)
個人的に千里がせつなかったな。
雛里と揚羽姫が、素敵な世界で目が覚めますように。
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嫡男以外の全てを犠牲にして家を存続させてきた天鵺家。その絡繰りを知った茜と現在の嫡男・鷹丸は、因縁を断ち切ろうと行動する。
人の尊厳を踏みにじり、他者を道具として犠牲にする大人たちの打算は、純粋で誠実な心をもった子どもたちに打ち砕かれる。
誰かの犠牲のうえに成り立つ幸福を疑う心は大切だ。
ウィンウィンはなかなか難しいのだけれども。