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紙の本
確固たる信仰を持って生きるということ
2018/01/14 02:20
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まるこしまるたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
唐突な組み合わせの鼎談だと思われるが、この三人に共通するところがある。それは3人とも確固とした信仰を持っているということだ。
佐藤優は同志社大学大学院の神学部で組織神学を学んだ経験を持つ。敬虔なプロテスタントのキリスト教徒だ。また、ナイツの両氏は、創価大学(創価学会の教義・信仰を学ぶ場ではないが)の落語研究会で出会うこととなる。この二人は創価学会の熱心な信徒である。
この3人はもう一つ、共通する面を持つ。それは、レベルの差こそあれ、三人とも挫折を経験しているところだ。佐藤優は外務省にいた際、背任容疑で逮捕・拘留された。塙はバイク事故で再起不能なところまで行く。土屋は公認会計士を目指すも挫折し、それを諦める。ナイツとしては、なかなかM-1グランプリで勝てない。そういう経験から、何が大事で、どのように乗り越えてきたかがわかる。
最近、佐藤優は創価学会の息のかかった知識人として扱われることがあるが、それは間違いだということは本書を見るだけでもわかる。佐藤は創価学会をより深く認識した稀有な良心的な知識人といったほうがいいだろう。
この三人が自分たちの少年時代を語りあい、青春時代の挫折をどう乗り越えていったのか、そこを中心軸にして青春時代・仕事・友情・夫婦・お金、ひいては人生とは、信仰とは、ということを真剣に語りあっていくのがこの本だ。
この本のタイトルは、挫折というムダと思われることも、後になってみるとすべて必要だったということを語っている。宗教的なことを軸に語ってはいるが、宗教臭くはない点は特筆すべきだろう。また、創価学会(=日蓮仏教)とプロテスタントという違う宗教がどのように共存しているか、という点から本書を読んでみても面白いかもしれない。
私自身、勇気づけられた本であるし、もう一歩前へと進むのをためらっている人にこそ読んでもらいたい本である。
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