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◆検閲までして刊行を防ごうとした暴露本は、余りにも赤裸々。かつトランプ政権に頭脳のないことを露呈させる。ここで見えてくるのが稀代の振付師スティーヴ・バノンの毒々しい思惑だが…◆
2018年刊。著者はガーディアン紙などに寄稿するジャーナリスト。
言わずと知れた、米国現大統領の人物評伝である。
刊行時、米国でも物議を醸し、刊行の事前差止を大統領が画策したことでも知られる。検閲(紛いとはいえない)までして止めようとしたのは、大統領主席戦略官スティーブン・バノンによる暴露が記事を構成しているとの観測があったからだとも言われている。
さて、アメリカ大統領の権力はさほど絶大なものではない。これはクリントン元大統領の自伝で語られていたと思う。
しかしそれすらTさんには関係なさげである。つまり、そういう大統領職の実像に関する認識も、またどういうように政治を動かすかという手管(専門家を利用する手もあるが)もない。あるいは何か成し遂げたいという理念も何もない。そんな中、予期せぬ結果、つまり大統領に当選することになってしまったわけである。
言い換えれば、バノンという稀代の振付師・狂言回しがいて初めて成立した大統領とも。
つまり、本書を読むと、トランプ氏自身に関して言えば、中身は空っぽ、延髄で反応しているだけのような印象しか受けない(著者は、トランプには読解力はないし、そもそも文字を読む集中力すら欠如しているとも辛辣に指摘)。
が、そうだとしても、それなりに運営されているのを見ると、大統領なんてどんな奴でもいいんじゃないかと周囲・後任者に思わせてしまうマイナス効果を懸念してしまう。それこそAIでもできそうな…。
さてこの著作については、物議を醸して出した故、「Newsweek」など彼方此方の週刊誌でも、叙述のかなりの部分が語られ、かつ、トランプ自身に関し、メディア他から受ける印象と本書の内容とにさほどの乖離がないことを考えると、細かい事実の羅列に興味がある場合、あるいはトランプを取り巻く人的相関関係に興味・関心(職業的でも)のない限り、面白い本・読んだらと勧められる本ではない。
ただし、本書の終わりの方に、バノンがトランプの基盤を乗っ取り、次の大統領選挙に自身が出馬する可能性を指摘する部分がある。それが正しいかどうかは判然としないものの、ここでバノンが用いようとする戦略の一が、中間選挙を通じ議会内バノン支持層を増やそうというもの。
昨今、共和党所属の上院議長の引退表明、あるいは、共和党現職議員の出馬見送り・引退報道が聞かれる。彼らは反トランプ、あるいは少なくとも親トランプではない筈だ。そう見ると、なかなか興味深い指摘と分析ではある。
今後のバノンの動きを推測する上で、バノンが従前、どのような政治手法や選挙運動の手順を用いて行動してきたか。これを知るという観点で本書を読むならば、それなりの意味があるかもしれない。そんな読後感である。
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270頁:プライスを保健福省長官に起用する
・270頁:プライスを保健福省長官に起用する
・保健福祉(省)長官(United States Secretary of Health and Human Services)
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ここに書いてある通りなら、そろそろトランプは、辞めさせられそうなんだけどなぁ。随分、あやうい人みたいだ。
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これだけの強い内容で未知の事柄が沢山並び、正に驚異の一言しかない書籍なのに、どうしても★5点に出来ないのは、たぶん著者が誠実さに欠けると感じるからだ。
例えばの話、「その場にいる誰もが*だと確信した。しかしトランプは」というような文章の際、バノン一人がどう思ったのかなら、後でバノンがそう思ったと言ったと内面の裏をとれるが、その場にいる人間が50人でも100人でもこの本では「誰もがそう確信した」と断言してしまう。ドラマとして書いているのか実はそんな細かいところまで裏がとれている物凄い本なのかが読者にはよく分からない。こういうノリが百回以上は出てくる。
だからトランプがいうように「デタラメな本だ」な部分は確実にあるので(それが1%なのか、トランプの言うように100%なのかは更によくわからない)、折角の面白い内容にどうしても「なるほどそうだったのか!」と気持ちから入ることができずなんとも居心地の悪い本だ。
内容は面白いが、何%がオルタナティブ・ファクトなのかは私達には分かるように書いてはいない。
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邦訳で読んだので、訳文がいいのかもとの文章がいいのかはわかりませんが、カオスな内容をすっきりと読ませる「物を書くチカラ」を感じさせる一冊でした。
その分、書かれている内容の、気分の悪さが際立ってくるというか。
昔、映画「アウトレイジ」シリーズの宣伝コピーで「全員悪人」という言葉を思い出しました。あ、でも、一番の悪役は著者のウォルフ氏だったりして。
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トランプさんって大統領でしたよね。その辺のガキ大将じゃなくて。
大統領選当日、予想外に票を伸ばすトランプさんに驚きながらも、当然ひっくり返るだろうと思っていたがあれよあれよと言う間に当選してしまった。ある意味民主主義の良いところなのかもしれないが、この結果には異国民にとっても不安になるものだった。
ただ本書を読むとトランプ大統領自身も当選するとは思っていなかったというより当選することは考えていなかったようだ。そんな人物か世界最強を誇る軍隊を持つアメリカの指導者になって良いものだろうか。
大統領についての暴露本はこれまで読んだことはないが、ヘアスタイルの謎やゴールデンシャワーから政権内部までここまでコケにした内容のものはあったのだろうか。
昨日(2019/02/28)二度目の米朝首脳会談が終わった。一度目と同じように会うことだけが成果でそれで終わってしまわないことを願いたいが、根がガキ大将である以上トランプ大統領の気分次第というところか。
政権内部もしっかりしてもらって上手くサポートしてもらいたい。
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何で大統領になれたんだろう?この本を読んで少し腑に落ちましたが,周りは大変そうです.そして,大統領よりもスティーヴ・バノン氏,恐ろしいですね.
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それにしても現役大統領に対する衝撃的な暴露本。あとがき書いた池上彰さんのコメントも説得力あり、コレが、トランプ政権の真実なんだろうと私も思います。
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本書は、トランプ大統領の就任から約1年半という期間における、ホワイトハウスにおける筆者の取材に基づいて執筆されている。
最初、大統領当選が確定的になり、予想もしない結論に「幽霊を見たような顔」あるいは「恐怖にかられた表情」になるトランプが描かれる。「大統領選挙で接戦を演じた敗北」を選挙後に自分の商売に利用して利益を得ようと考えていた男が大統領になってしまったのだ。この本に描かれるその後のホワイトハウスでの日常も無茶苦茶である。これで国家が保てるのかと不安を通り越して戦慄を覚える。他国のこととはいえ、アメリカに依存せざるを得ない日本にとっては、深刻な気持ちにさせられる一冊であった。
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途中までしか読まなかったけど、それでいいか。
兎に角、この本によるとトランプは知性も品格もなく、そもそもヒラリーに勝つ気もなかった。それは周りも誰1人として負けることを疑ってなかった。が、アメリカ国民や世界にとって悲劇的なことに勝ってしまった。
そこからのドタバタ劇。
能ある鷹なんだろうとみんなどこかで思っているのだけど、本当に能がないという事を周りの人達はよく知っている。だから離れていく。残った人や新しく入った人はキャリアとしてホワイトハウスを加えたいだけ。
いやぁ、面白いけど、コレが原因で世界恐慌や戦争とか起こったらシャレにならん…そして、良心のマティスでさえ。
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トランプ政権の暴露本。かなり内輪の人間が情報提供しているのが恐ろしい。バノンを筆頭として自身の政治的アジェンダに基づいて戦略的にリークしているのだろうから、多少色がついているだろうが、トランプの知的レベルはさすがにひどすぎる。ここまでひどいのに、ビジネスでは成功し、なんだかんだ言って中間選挙が戦えるだけの力を維持したのだからよくわからない。まあ、トランプ支持者は本なんか読まないんでしょうね。仮に読んでも「Fake news」で片づけるんだろうし。
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誰もトランプが勝つとは考えていなかった。トランプ政権の運営の裏側。ホワイトハウス内でのトランプ及びトランプ家を含めた覇権争いの全貌。
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国を率いる組織とは考えられないほど混とんとした内情が割と最初から最後まで続く。
崩壊せずに今日まで保ってきていることが驚き。
ブライトバード元会長のスティーブ・バノンが、トランプの勝利や政権内で大きな役割を担ってきた一人として描かれているように、政治の様々な面において、メディアの影響力の強さを改めて感じた。この一連の出来事はまた、メディアを通して得る情報に操作される国民・大衆か構成する社会において、民主主義を健全に保つ難しさを示していると思った。
ちょうどあと1年後には大統領選が実施されるという時期になっている中で、トランプが大統領として日常化している現状に気付く。
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米国における直接民主主義が生んだ、異形の大統領の日常を描いた作品のようです。まあ、酷い話の連続に呆れますが、それが現実のお話のようであります。(政治も外交も、常識も持ち合わせない大統領だったらしい)毛王朝の最後を描いた毛沢東秘録との読み比べ、あるいは、スターリン王朝の終わりを描いたコメデイ映画と比較するのも、面白いかなとも思います。★三つですね。
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残念ながらもう一度トランプ政権になりそうなので心の準備のために。政権初期のドタバタな様子、トランプの異常なまでに幼稚な性格がよくわかった。最後になんとニッキーヘイリーがトランプの1番のお気に入りとして出てくるのにびっくり。