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降霊会”ロザリオ・サークル”で霊媒としての経験を積みつつある瞳佳が対峙するのは学園創設に関与した人物の、いわくつきの”キャビネット”。学園を擁する百合谷市の、熾烈な陰謀が見え隠れする中の依頼は、当然、無事で済むわけがなく――
やってきました上下巻! やっぱり! でも心のどこかで待っていた!
スケールが大きくなれば、そりゃあ上下巻になりますって。次の巻が出るまでどっきどきですよ、あなた。それでもって次の巻でもドキドキするって二度おいしい。
一巻と二巻と比べた時に、二巻は(やっぱり二回目のせいか)ロザリオの棺の描写が迫力が落ちたな……と思ったのですが、今回は別のキャビネットが登場。つまり、キャビネットが呼び起こす現象が、描写が、別! 別のものなんです! しかも最悪の事態はたぶんまだ起こっていない! ぶっちゃけ始まったばかり。上巻だけでもこの楽しさ。次の巻が楽しみ。
今巻で次第に光が当てられ始めた百合谷の大きな謎の他、依頼者側の人間関係の不安定さ、百合谷の派閥争いの狡猾さ、そしてロザリオ・サークル内の人間関係が(今のところ)安定しているというのが今回のシリーズの特色かと思います。芙美ちゃん便利。便利というか有能すぎる。那琴も今回、割とちゃんと役に――いや、二巻も役にたってたけど、今回で確証されたっていうか――魔術知識の補助及び実践面でちゃんとサポートに入っている感があります。真央と瞳佳は相変わらず安定しているし。棺運び兄妹もある意味安定している。
派閥争い側でのキャラクターも非常に安定したキャラクターの配置だと思います。獅郎が良い。おかげで嫌な教師だらけにもならず、おっぱい大きめの地味っ子が多いしちゃんとエ――げふんげふん――もあるし。大事だと思います。元気っ子もいるし。巫女も魔女っ娘もいるし。しかもその描写に偏りすぎない。大事なのは、ホラーだから心霊現象の描写なんで……! バランス大事。大事だけど、ちゃんと配置してる……きっちり描写している……! だからみんな、迂闊にはまれ……はまってくれ頼む……! 続きが読みたいんじゃ。