紙の本
警官という仕事の過酷さを考えてしまう
2018/09/06 19:18
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投稿者:Buchi - この投稿者のレビュー一覧を見る
「北海道警察シリーズ」や「警官の血シリーズ」と比べるとストーリー展開が少し緩慢だったかな。リアリティにあふれた臨場感は半端ないのですが、そこに懲りすぎたのかなぁ...
でも、事件の被害者となってしまった一人の警官がそれを契機に犯行を重ねていってしまうというプロットは斬新でした。
"警官の掟"とは法律という枠であるという意味であり、 その掟を守ることができなくなるほどの精神的なショックを受けてしまう警官という仕事の過酷さを考えさせれてしまいます。
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『制服捜査』がすごく好きだったので期待して読んだが、それほどでもなかった。二組の刑事がそれぞれ同じ事件を追うが、なんか二組ともステレオタイプに「ザ・刑事」て感じで特色なくて、どっちがどっちか分かりづらいし、犯人は比較的すぐ分かってしまうし、何より犯人に思い当たる切っ掛けが、薄過ぎる。薄過ぎる!突然思い付く、みたいな。
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東京湾岸で男の射殺体が発見された。蒲田署の刑事は事件を追い、捜査一課の同期刑事には内偵の密命が下るーー所轄より先に犯人を挙げよ。捜査線上に浮上する女医の不審死、中学教師の溺死、不可解な警官の名前。刑事の嗅覚が事件の死角に潜む犯人を探り当てたとき、物語は圧巻の結末になだれこむ。
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笑う警官シリーズと変わらない感があったが、終盤ですごい展開になった。死を目の前に迎え、いったいどんな心境になるのか想像も及ばないが、本作ではそこまで踏み込んだ・・・のか?
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2組の警官がそれぞれの立場から事件を追います。最近未解決事件が話題になることが多いですが、これも過去4件の事件に関連性が見えた時、事態が大きく動きます。同期の松本にしても波多野にしても、やるせない思いが強いです。
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「警官の掟」とあるが、「警官の血」シリーズとは関係はない。
犯人の出現が、あまりにも唐突で(予想は出来たけれども)、犯人捜しについての伏線も最後の方まで出現しない。
かつ、動機についても全く共感は持てない。
作者は別に共感は求めていないと思うが。
代わりに、読者をミスリードしようとしているのだろうエピソードにページがかなり割かれているが、これは冗長でしかない。
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東京湾で発見される死体、所轄の刑事とその同期の捜査一課の刑事が事件を追う。少々長い気がするけれど、じっくりと事件を捉え、最後はそう来ましたかと。二人(二組)の捜査が順番に書かれてて、着実に進んでるって感じで良かったけれど、二人の絆に関しては、最初だけで弱いように感じが。誰か寄りのもう少し深い心情があればよかったかも。それと、作者、北海道出身の方と思ったけれど、途中から、自分に馴染みの地名が出て来て、それはそれでちゃんと調べて来たのかなあと、驚き。
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暴力団員の殺人事件の操作にかかわる二人の警察官は、数年前の事件で負傷した者と助けた者であった。当初、暴力団と半グレ集団の抗争と思われた一件は、徐々に連続殺人の様相を示す。佐々木譲氏らしい、警察官の特異性を前面に押し出しつつ、ミステリとしての完成度も高い作品でした。
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本作の原題は『犬の掟』だとか。
文庫化で『警官の・・』と改題したのは、好評の道警シリーズに「警官…」と付してあり、さらに傑作の『警官の血』にあやかった販売戦略上の目論見だろうか。
所轄と警視庁の二組の刑事たちが、連続殺人事件を追うが、二組の場面が頻繁に変わるので、戸惑いを感じたことは否めない。
刑事たちが訪ね歩く事件現場の情景を詳細克明に描写するリアリティー溢れる著者の手法は、今作でも如何なく発揮されている。
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警官の血、をとても面白く読んだのでこちらも購入。ただ、元々は犬の掟、というタイトルの改題なので繋がりはないんですけどね。
本全体に流れる、ドッシリ厚みのある感じや緩むことのない張り詰めた雰囲気、そんなところは本作もしっかりあり、これが良い緊迫感を与えていると思う。
物語は、1人の暴力団員が銃殺されたところからはじまる。単なる暴力団員同士の抗争事件、つまり簡単に解決できる事件であると想定された事件であったが、解決の糸口は思うように見えず、捜査は混迷していく。。
2組の捜査官が交互に描かれ、それぞれに事件の鍵となるパーツを地道な捜査によって集めていく。その構図は、読者からみるとひとつひとつのパズルが埋まっていき、意外な犯人か徐々に導かれていく、というもの。
全体として面白かったし、読み応えは十分、ただ、個人的には意外な犯人がわりと早い段階でわかってしまったこと。これは、わざとわからせるようにした、のだと思うけど、なぜ、そこまでの凶行に至ったのか、その真相解明とともに、分かるようになっていたら。。とは思いました。
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「警官の血」
「警官の条件」に続く、シリーズ第3段!
・
・
では、なかったという(笑)。
「掟」に縛られた組織と、
「掟」を踏み越えた男、
「掟」に殉じた男、
「掟」と「友情」に葛藤した男、
……の物語。
切ない結末。
★3つ、7ポイント半。
2018.10.10.古。
※「犬の掟」からの改題だそうで。
改題によって、よりテーマに沿ったタイトルになりはしたけれど、上述の通り、ちょいと紛らわしい(笑)。
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念入りで地道な捜査がずっと続く。この地道な捜査が最後にどう結び付くのか興味を惹かれ、先を読み進ませる。
ただ、冒頭に助け、助けられた刑事同士が、別の道筋から最後は協力しあうのかと予想。協力しあう形になりそうもないと思えてきた途中からは、もうこれは、どちらかが犯人なのではないかと予想がついてしまう。
一度死んで壊れてしまった警官は、同僚を殺すことさえも躊躇わなくなるのか。。それでも、悪人を裁いてきたはずなのに、最後の殺人だけは「なぜ?」という感がぬぐえない。
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若干長すぎて疲れたし 2組の捜査が交互に出てきて ちょっと混乱したけど 佐々木譲らしいストーリー展開で引き込まれた。
最初の事件が前振りなんだろうとは思ってたけど 真犯人に行き着いたのが わりと唐突で急展開な感じが否めない。
前振りからすると 2人のどちらかが真犯人?と途中で思ったけど どっちかというと松本章吾の方かと。
しかも理由がなんかピンとこないっていうか…。
PTSDってこと?
PTSDはわかるけど それであの方向に行くかな?と。
なんだか最後がすっきりしなかったのが なんだかなぁだったけど 捜査のプロセスは面白かったので 星4つ。
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厳しすぎるかな☆2つ。うーん悩むけど全然のめり込めないまま、冷めた気持ちで読了している自分に心に素直になろう。厳しい評価を下すようですが、佐々木譲の力をこんなものだと思われたらと思うとくやしいのであえて厳しく。
倫理を踏み外す警官を描く本は世の中沢山ありますが、それだけの根拠となる土台が無いと肩透かしになってしまいますよね。なんだかかんだか非常に肩透かしでした。
ごちゃごちゃしているので読む気もそがれるし、そこを乗り越えて感じるカタルシスも無い、人間ドラマとしても響くものがあまりない・・・。
「警官の血」が大好きなんですが、あの本からミステリー要素を排除したら不朽の名作になった気がしています。これも含めて無理くりにミステリーにする必要ないんじゃないかなと思ったり・・・。
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「警官の掟」
犬の掟の改題。
巨大な倉庫で起こる活劇シーンから始まる。それから七年後の十月初旬、東糀谷で暴力団員の深沢が殺された。蒲田署刑事課に異動してきた波多野は、同じ署へ異動してきた門司と七年ぶりに先輩後輩と言う間柄でコンビを組むことになった。二人は容疑者に浮上していた半グレ軍団に聞き込みを行う。
一方、警視庁捜査一課に異動した松本は、上司の綿引ととも管理官からある指令を受ける。二年前の暴力団員が殺害された事件と深沢の事件は関連性があり、警察関係者が関与している可能性があると言うのだ。さらにある市民団体に関与していた女医の飛び降り自殺やフィリピン人の死体遺棄事件との関連性も浮上し、事件は錯綜を辿る。
波多野や門司の所轄警官、松本や綿引の警視庁は、それぞれのルートで一連の事件を捜査する。特に松本達は所轄や警視庁の他の課に知られぬ様に極秘捜査を行い、じりじりと事件の真相に近づいていく。丹念な地取りシーンがとても多い。容疑者候補達を訪ね回る場面でも、同じ奴に何度も聞きにいくなど、まさに“じりじり”がぴったり。
また、タイトルにある“掟”が最大のテーマである。警察官は犯罪を捜査して犯人を捕まえるのが目的である。しかし、その目的を達成するためとはいえ、越えてはならないもの、守るべきものがある。警官の正義とは何か、正しい判断とは何か、という問題に関わってくる。犯罪を取り締まるだけでも負担が掛かる中で、更に掟にも身を捧げなければならない。正しい警官とはここまでキツイのだ。
終盤まで容疑者が出てきては消え、なかなか一連の事件の真相が見えない。久しぶりの重厚な警察小説だ。しかし、ある時一気に展開が進む。最後の松本が抱える想いから導き出される掟に対する答えは、一体どのようなものだったのか。怒り、悲しみ、無念、やり切れなさ、衝撃、そして警官とは何か。様々な想いが混沌としながらも、松本は歩を進めなければならない。