投稿元:
レビューを見る
BSの小さなイタリアの村みたい。
ベネチアの書店(私も前を通ったことがあるような)から山あいにある本の行商を生業にしてきた小さな村へと導かれる素敵な話。こんな旅をしてみたい。
装丁、文章も良い。
投稿元:
レビューを見る
2018年20冊目。
ページを開く前から「なんていい本なんだ...」と、すでに幸福な気持ちに。
そして案の定、止まらず一気読み。
イタリアの山奥にある、本の行商人を多く生み出した小さな村「モンテレッジォ」。
人里離れたこの村の人々は、なぜ商売の品に「本」を選んだのか?
その謎を追うために、著者はイタリアの様々な都市を横に移動、歴史を遡って縦に移動...
そんな縦横無尽の探求の様子に、すっかり引き込まれてしまった。
看板に写るヘミングウェイ、訪問したとされるダンテの足跡、禁書の時代の行商人たちの暗躍の歴史...
様々なヒントが浮き出てくるたびに、「この謎を追う旅に同行したい」と思わされてしまう。
4ページに1枚ほど、ストーリーに関係する写真が入っているため、著者の探求の様子・イメージを一つひとつ丁寧に追いかける役に立つ。
探求のプロセスを一緒に追える、こういうタイプの本がすごい好き。
品のある文体にも引き込まれた。
投稿元:
レビューを見る
イタリアの山の中のちいさな村、モンテレッジオ。今では、通年暮らす村民は少ないが
祭りの頃には、イタリア各地に散った村民の子孫たちが集まる。その昔、貧しい山村の人たちは近隣に出稼ぎに行っていた。しかし、農作業の出稼ぎの求めが無くなってくると、人々は篭に本を入れ本の行商を始めたのだ。日本の本屋大賞は、この村の露店賞をヒントにしたのかと思ったくらいだ。
こんな村があったことにビックリ。カラー写真も多く、興味深く読んだ。
投稿元:
レビューを見る
本を読む、作る、売る。読む人も作る人も売る人にとっても、根本的で大切なお話にあふれている。私も一緒にイタリアを旅しているような。イタリア好きの方にもおすすめかもしれない。
やっぱり、素直に人の想いとか行動力とかすごいな〜と思ってしまう。
久しぶりに読んだ佳作。著者の本は初めてで、他の著作も読みたくなった。
投稿元:
レビューを見る
「露天商賞」、第一回目授賞本の作者が米国のヘミングウェイであったことに色々思う所がある。そして、「本屋さん大賞」の相似点、相違点も。
投稿元:
レビューを見る
新文化で紹介。イタリアの山奥の小さな村では男たちの出稼ぎとして本の行商が伝統的に行われていた。なぜ他の物ではなく本だったのか。イタリア在住の日本人エッセイストが方丈社のwebサイトで連載していた文章に写真を追加してまとめたもの。歴史,ミステリー。発売時にはモンテレッジォの村人が自費で日本にかけつけたとのこと。
投稿元:
レビューを見る
なんて素敵な本❣️
「本を選ぶのは、旅への切符を手にするようなものだ。」
次の旅に出発するのももったいないと感じるほどの余韻に浸っています。
投稿元:
レビューを見る
20180720 今、本屋さんの活動が活発なような気がしていて自分でも何かできるかと悩んでいた時に、この本に出会った。たまたまかも知れないが本を背負って歩く事から始めた人たちの話は気持ちを押してくれたようだ。
投稿元:
レビューを見る
ヴェネツィアの古書店主が「行ってみることですね」と言った
モンテレッジォという場所。人口30人の過疎の村。
そこは本の行商人たちの原点の地。
遥かなる山を登り、紙の山を巡り、本の行商人たちの足跡を辿る。
ノンフィクションであり、紀行文であり、歴史の探求でもある。
キーワードは、山・栗・石,そして情報と本。
本の行商人たちの故郷なるモンテレッジォとは?
その疑問を解き明かすための旅行、人々からの情報収集、
読み解く資料や本・・・それは絡まった毛糸玉を解きほぐすよう。
行間に顔を出すヘミングウェイ、ベルディ、ダンテ。
中世からの生活や領主との関係。
ナポレオンとイタリア統一運動等の歴史との関係。
出稼ぎは農業から商業に移行し、扱う物が本へ・・・それは、
イタリアばかりでなく、フランスやスペイン、遥か南米にも。
彼らの本の知識と選書の確かさが、人々への知識への導きと
なっていく。
著者の、その行動力と探求心には驚かされると同時に、
実に読み易く、楽しませてくれる文章にすがすがしさを感じました。
特に説明は無いのに、無言で語る画像も良いです。
特に、本でいっぱいの荷車の前で誇らしげな表情の、
行商人夫婦の姿が素晴らしい。
投稿元:
レビューを見る
ヴェネツィアの古書店からモンテレッジオへの巡礼者のような旅.石,あるいは本の行商人の魂に寄り添う形で美しい石と栗の村を訪ねる.ヴェルディやダンテの顔も見え隠れし,いつしか一人の行商人の中に村の歴史,イタリアの精神の移り変わりまでが現れてくる.分かりやすい文章で匂い立つような風景が,登場する人物の性格までが目の前に想像できる美しい文章に驚きました.たくさんの写真も素晴らしく(特にグリエルモの手の写真の力強さ),装丁も本の雰囲気にぴったりです.
投稿元:
レビューを見る
てっきり翻訳物と思いきや、イタリア在住の日本人の筆によるものだった。わたしも旅先では書店によることが多いけれど、本書に出てくる本屋のどれも、ぜひ出かけてみたいと思わされるところばかりだ。新しいもの、古いものが混ざっているが、章扉の写真も実に良い。
本の魂が生まれた村の物語。真っ白な大理石で有名なカラーラに近い村。
石を売りに行き、本を持って帰ってくる。さぞ重いだろうと思うけれど、そのようにして、本を行商する人々のむらになっていった。
越中富山の薬売りと同じで、村村をまわって読者の動向をとらえては、都会の出版社に立ち寄って詳しく情報を提供してくる。
今は人口も極端に減少して、夏の祭の時にだけ人が集まる。
それでもこの村の本を売るコミュニティの痕跡はイタリアの本の文化の中に深く染み通っているのだ。
なんだか嬉しくなる本。
独特の文体も似つかわしく感じられる。
投稿元:
レビューを見る
冒頭に出てくるベネチアの古本屋がとても良い。ご近所さんが集い情報を交換し、おしゃべりに興じ、そこへ店主がさりげなく「それならこれはいかが」とおすすめの本を差し出す。コミュニティーセンターの機能を備えているのだ。こんな本屋が近所にあったらどんなにすてきだろう。
その店主の祖先がモンテレッジオ出身で、そこでは村人達は本を行商して生計を立てていた。著者はイタリア在住の日本人女性で、その話を聞いてすぐさまモンテレッジオのホームページを見つけて電話を掛け、山深い小村を訪ねる。なんとも行動力のある方で、そのパワーに反応するかのように、モンテレッジオにルーツを持つたくさんの方々との出会いが描かれる。
写真が多く掲載されているが、旅のスナップショットのよう。どうせならもっと美しい写真を見たかった。文章はいまいちだったかな。エッセイでは有名な方らしいですが、ノンフィクションとしてはまだまだという感じ。モンテレッジオという素材の良さに助けられた感があります。
投稿元:
レビューを見る
よくもまあ、こんなニッチな職業史を穂を掘り起こしたものだ。1816年冷夏のイタリア、トスカーナ州のモンテレッジオ。凶作で生活を凌ぐため、村人が行商に出た、初めは聖霊札を、のちに古本を売り歩くようになる。やがて子孫は、ミラノで、ヴェネツィアで、あちらこちらで書店を開く。1953年には露天商賞という本の大賞を設立。今やイタリアでもっとも有名な賞の一つになった。先人の知恵と努力と商魂に敬意を表したい。ここにもイタリア万歳がある。
投稿元:
レビューを見る
悪くない...
イタリア在住の日本人女性がエッセイとノンフィクションの間のような立ち位置で中世の頃から始まった本の行商をして生計を立ててきたイタリアのモンテレッジオの村人の話を綴っている。
ナポレオン、ダンテも出てきて聖書のことも活版印刷のことも出てきて(あ〜どこかで習った)凄いです。
本好きだったら 読んでみてもいい と思える一冊のような気がする。
投稿元:
レビューを見る
本を好きな人がもっともっと本を好きになる本。間に入っている写真がとてもいい。読みながら自分と本との出会いを思いだし感謝です。