投稿元:
レビューを見る
「マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?」飯田一史著の後で。たまたまの順番ですが…。今年2018年は少年ジャンプ創刊50周年の年ですが、実は去年2017年はコミックスの売上で電子が紙を初めて上回った年だったりします。ジャンプ栄光の半世紀は、少年の「熱血」の歴史です。1994年の653万部に至る黄金期の中で「聖闘士星矢」の車田正美の変容に「熱血」の行方を案じる述懐に現場の編集者ならではの感覚を感じました。「努力」「友情」「勝利」が編集テーマではなく、ジャンプ読者像そのものなのだ、と力説するあたりも熱いです。そういう意味で、少年たちの「熱血」がいかにデジタル化するのが、がジャンプがジャンプしなくてはいけない挑戦なのかもしれません。
投稿元:
レビューを見る
少年ジャンプ元編集長による歴史の振り返り。草創期の筆の踊り方と幽☆遊☆白書が雑誌とコミックスの分岐点になったというのが印象的
投稿元:
レビューを見る
それほど熱心な読者ではなかったが、本書に出て来る作品はほぼどれも覚えている。
他誌より後発だったのに他誌を圧倒する部数に成長したのは、コンセプトが明快だったことと、それによって優れた漫画家や作品を集められたためだったことが、本書を読むとわかる。
が、それ以上に、漫画家の系譜を辿るのが面白い。
最盛期に比べて大幅に部数を減らしたジャンプだが、世の中全般の雑誌離れに加え、連載を読まずにいきなり単行本を買うという読者行動の変化が背景であれば、大逆転はないだろう。
投稿元:
レビューを見る
担当しただけに『アストロ球団』への思い入れが深い。『アストロ〜』はある時期のジャンプのお手本になったマンガだと思う。原作が途中までしか書かれていないというのは今回初めて知った。
無冠(賞に無縁)で連載まで漕ぎ着けたのは鳥山明と新沢基栄だけというトリビアを得た。
熱血漢の著者はストーリーマンガに熱心で、ギャグマンガに冷淡である。ジャンプ黄金期を支えたのは数々のギャグでもあるのだが。
投稿元:
レビューを見る
入社と同時に、創刊された「少年ジャンプ」担当編集者となった「生え抜き」編集者の回想文。
後発少年誌から653万部というオバケ週刊誌になるジャンプを飾った作品について語っている。
僕自身は父の友人の本屋さんからもらった単行本で次々に読んでいた時代から、リアルタイムで毎週、楽しみに市内で一番早く手に入る店(国鉄駅のキオスク)に買いに行ってた時代まで、なつかしく思い出した。
印象的なのは筆者がデビューさせた「アストロ球団」の中島徳博についての記述。
「一試合完全燃焼」の漫画の精神そのままに、漫画家中島は早死にした。追い込みすぎたのではと筆者は苦く思い出しつつ、「アストロ球団」が後の漫画が用いた手法、「傾向と対策」がぎっしり詰まっていたと書く。
戦う相手のインフレ化、最終目的はあくまでスローガンでありエスカレートした展開が終着を迎えた段階で終了することなど。
子供の頃読んだ「トイレット博士」、連載を読み続けた「Dr.スランプ」についての分析、江口寿史への冷ややかな視線など、興味深かった。
僕自身は、やはり「アストロ球団」への思い入れが強く、また「ストップ!ひばりくん」が好きだったなあ。ひばりくんは、江口寿史が当時流行したラブコメをちゃかすために連載を始めたそうである。
投稿元:
レビューを見る
小学生時代から40年以上愛読しているので、読まずにはいられませんでした^^;
懐かしいタイトルが出てきてそれだけでも面白かったですが、今後、雑誌出版のビジネスは難しいと改めて感じましたね・・・
投稿元:
レビューを見る
浦沢直樹のインタビューを読んだついでに。
編集長お気に入りだった作品の回顧録って感じで、へえーとなる所はあんまなかったかな。
ターゲットを固定化して思考錯誤したのが、スポ根はスラダン、バトルものはドラゴンボールで集約されて、以降ターゲットの練り直しなのか、手法の練り直しなのかができていない印象。
投稿元:
レビューを見る
少年ジャンプの各STEPにおける代表作を振り返り、それらの漫画評や位置付けを規定する。個人的には、本宮ひろしが「男一匹ガキ大将」から最終回を経て。本人も政治に向かっていった動機を推測しているところが面白かった。
投稿元:
レビューを見る
・こういう雑誌などの歴史を辿る本は好き。まして、まさに600万部時代のジャンプのリアルタイム読者だったのだから、当然、思い入れも有る。
・取り上げられている作品はどれも今や歴史に残る作品ばかりで、こうして見るとジャンプが躍進したのも当然のラインナップに見える。
・この本を読んで川崎のぼる『荒野の少年イサム』に興味が湧いた。子供の頃、アニメを再放送で観たことは有るけど、今観るとより面白さが分かりそう。
・あとは歴史の分水嶺として『幽遊白書』を挙げている点は「なるほど」と言う感じ。
投稿元:
レビューを見る
懐かしがりたければ。
--------
元週刊少年ジャンプ編集長の回顧録である。ビジネスに役立てようとか、これからの漫画編集に何が必要かとか、そんなことは読み取ろうとしなくてよい(むしろ、そっちのほうは『バクマン』のほうが役立つかもしれない)。
著者の動機は、かつて600万部以上の発行部数を誇ったジャンプを、「バブルの産物だった」と評した役員への怒り、ジャンプをなめるんじゃない、という気持ちである。
故に、この本は自慢話なのだ。すごい漫画があった、すごい漫画家がいた、ジャンプで描いてもらっていた、と。
自慢の多くは連載漫画の秘話を語ることに費やされている。懐かしい。娯楽としてはよい。だがもはや、自分の実にはならない(読書に実を求めるなって? でもせっかく読むんだからさ、という気持ちに、最近はなってきてしまった)。
第一章「少年ジャンプの編集方針はすでに決まっていた」と終章「それからのことについて思うこと」が僕にとっては比較的面白く読めたのだが、やはり本書のメインは、その間に挟まれる各連載漫画たちの誕生秘話、なのだろう。Dr.スランプなんかは、たしかに衝撃的だった。それはそれで楽しい。
僕にとっても、人生(と呼べるかわからない時間の経過)の流れの一時に、週刊少年ジャンプの存在は大きかった。
けれど、今では紙の週刊漫画雑誌には触る機会すらない、といっていい。
やはり多くがそうなのか、コミックスは売れるが、雑誌は売れなくなってきているという。『ONE PIECE』のコミックスの初版発行部数が、雑誌のそれを超えているのだ。オンラインのまんがサービスも増えてきたし、ジャンプ自身も手がけている。雑誌はプラットフォームとしての役割を変えなければいけないのだろう。
だがその展望は十分示されない。雑誌はプラザである、という。オンラインプラザも流行っているが、しかし、そのプラザだって雨後の筍だ。パーソナル化の波から雑誌も逃れられない、だから部数が落ちる。さあ、どうするのか?
でも、編集者の仕事はなくならないだろう。有象無象のプラザ的なサービスの多くには編集視点が欠けている。だからこそ、編集ということにもっと焦点をあてればよかったのに、とは思う。編集者はホント大事だよ。本の製作者にクレジットしてほしい。
投稿元:
レビューを見る
少年ジャンプの元編集長が、その目から、当時の掲載漫画と作家を語る。
ジャンプとはなんであったか。
編集方針とかの話は面白いのだが、方や、漫画家と漫画についての言及は濃淡がある。
熱血が大好きで、ラブコメとか、繊細な心の機微が・解らないのね。編集方針で取り上げないのではなく、おそらく、心のありようとして、理解することができない。
その書きっぷりはまた面白いと言えば面白いのだが、ちょっと「文化論」的に偏るところもあって、微妙だ。
ぼくは子供の頃、全く漫画を買ってもらえず、初めてジャンプを「読んだ」のは、中学2年生、P Lランドのプールに行く途中に友達から借りたものが初めてだったのだが、それにしても大概の主要連載を知っていたことにも、個人的には驚いた。
投稿元:
レビューを見る
ジャンプ創刊当初の話から「幽☆遊☆白書」まで。各漫画家の当初の印象だったりが編集者目線で書かれている。この漫画とこの漫画は同時期だったんだ!とジャンプを読んでなかった人でも面白い。