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突如現れた怪物テュポーン。
隔離された空間で未知のモノに襲われる恐怖。
人知の及ばないモノと対峙する恐怖。
隣人が見知らぬ存在に変貌していた恐怖。
テュポーンが繰り出してくるパニックにとめどがない。
そして、明らかに敵意を持って存在しているという共通点が、逃げ場をなくします。
その怪物テュポーンに立ち向かう警視庁・自衛隊の面々の仲間意識、使命感、絶望に屈辱。
応援・同情・歓喜・達成感。彼らのプロフェッショナルに共感します。シンプルだけど、呼び方ひとつで変わるんだよなぁ。
ある科学者の挫折と暴走の結果、この世に発現した怪物テュポーン。人間と似て非なる知的生命体。ガイア理論。
ARMS?と思いつつ読んでいました。そこだけピックアップしたら似てると思ってしまうよなぁ、ってことなんですが。
アクセラレイションは好きです。反応速度は向上するけど、自然の法則には無意味というのも好き。落下中のジレンマはいいですよ。
ラストいちゃいちゃして終わるとは思ってなかったけど、テュポーンの非日常から復帰したという象徴なのでしょう。
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主人公を中学生にして、ジュブナイルにすればよかったかな。
登場人物の頭の悪さ、会話の上滑り感、科学的記述の陳腐さ(面白ければ不正確でもいいのだが)。色々目についてしまうのは年を取ったせいなのか。「ソリトンの悪魔」はもう少しドキドキしながら読めたような記憶があるのだが。
火を使わない、爆撃しない、自衛隊のあり得ない戦術。ダイオキシン悪玉論、ガイア仮説、人間害虫論、超大国批判など、何周遅れかわからない手垢のついた中2病感あふれる主張。
カタルシスの無い結末なのにラブコメっぽく締める違和感。
映像化する気満々の書きぶりだが、このままやったら海外ドラマを見ている今の人たちには失笑を買うのでは。
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圧倒的スケールのバイオホラー。アクションもあり、モンスターホラーでもあり。だけどこれ、映像化は……観たくないなあ(苦笑)。
住人たちが洗脳されてしまった町と、そこにはびこる謎の怪物「テュポーン」を巡る、警察や自衛隊たちの壮絶な闘い。ハラハラドキドキの連続で、エンターテインメントとしての読みどころがたっぷりなのですが。テュポーンの生まれた理由と目的なんかは、人間社会に警鐘を鳴らす環境問題をテーマにしたものだったりもします。だけどテュポーンたちによる「楽園」が築かれたとして……そんな楽園は、やっぱり嫌だなあ、と思ってしまいました。誰にとっての楽園なのでしょうそれは。
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「カムナビ」が底、いや「心臓狩り」が底、と思ったが、さらに底があった。本作では、テュポーンの襲来とともに自衛隊の戦闘行為が詳細に描かれる。小松左京のようなシミュレーションSF小説を目指したのかもしれない。本格ハードSFなら成立したろうが、トンデモ仮設を大真面目に取り上げ、萌えキャラとともに大風呂敷で展開する作風の筆者に、社会派の設定は水と油だ。延々と続く自衛隊の描写すべてが物語を邪魔している。脳と皮膚の近似性、ゾンビガン、加速装置などワクワクさせる仮説が満載なのに、それがまったく物語に生かされていない。
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ポスト・シン・ゴジラ的なバイオホラーアクションだが、モチーフの隅々にはオーソドックスなネタがある。一見とっちらかりそうなそのネタを上手くまとめてはいる。途中から自衛隊メインになるのは趣味もあるのだろうな(力の入った描写と膨大な参考資料を見ると頷けるけど)主人公を始めとした女性自衛官を上手く扱っていて、彼女たちをお荷物にさせない現代的にアップデートされた描写はいい。まあ恋愛関係云々はなくても話は成立するとは思うけど。
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2段組の本なんて久しぶりに読んだ。いつの間にか講談社ノベルスが、1段になってしまってからもうどのくらい経つのだろう。