紙の本
「アル中は遠くにありて思うもの」
2018/07/30 23:14
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小田嶋隆さんの作品も好きで、だいたい新刊が出るたびにチェックしています。本書は幸い、サイン本を手に入れました。
自身のアルコール依存症時代を告白した一冊。淡々とした語り口で綴られています。別な人の著書のよう。わずかに差し込まれるコラムに、オダジマさんらしさを感じました。
興味を持ったのは、青山正明さんの「依存物質があるのではなく、依存体質があるんだ、という仮説」(本書p54)。説得力がある感じがします。
本書も、後半はスマホ普及の影響といった話題にシフトしていきます。こちらの内容の方が私は好きです。
ぜんぶ読みましたが「元アル中コラムニストの告白」という部分には、正直、語るべき言葉が出てきません。
紙の本
タイトルは、何か人を食ったかのようですが、読めば、その理由が香り立ちます。
2019/03/19 10:39
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投稿者:オカメ八目 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルは、何か人を食ったかのようですが、読めば、その理由が香りたちます。 内容は、結構濃くて、「重さ」も有ります。 かと言って、そこはコラムニスト。 上手に、その「濃さ、重たさ」をオブラートに包んで読者への「衝撃」を緩和しつつも、「中毒・依存」の内幕を描いています。ーーーーそれは「アル中」と、簡単に言うとほどの、薄くも、軽くもありません。 がしかし、その内容を、知りたいと思う人は、こころして読むのも、良い一冊です。
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一日中飲んだくれ、ろれつが回らない上、暴力をふるう「アル中」だけでない。酒を飲まない日を設けつつ、普段はきっちりしている「アル中」もいる。むしろそっちが多い。とても参考になりました。アルコール依存度の判断基準にします。
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人は何かしらに依存しているかもしれないなぁ、とぼんやり思っていたから、最後のほうに出てきた話題で納得した。
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著者自ら、アルコール依存症であったことで、体験、そのときに思ったこと、今思う事など綴られている。
現代のスマホの依存にも触れている。
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子ども達が一人暮らしを始める前に読んでもらいたいなぁ。
お酒のこと、色々なるほどと思うことが多かった。
そして、アルコール依存症について誤解していたことも多かった。
さらに依存全般についても頷ける話が色々。
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39歳で「アルコホーリック」
(アルコール依存症)と診断され、
以来21年断酒している、
売れっ子コラムニスト小田嶋 隆が
依存症から抜け出す「出口」を説く。
30歳を過ぎて、ライターの仕事が
軌道に乗り、自宅で仕事をするようになり、
ついつい朝から飲み始めたのがいつの間にか習慣化。
やがて罪悪感に苛まれるようになる。
これはダメだと数日間断酒すれば
厭世観に襲われ、ついには自殺まで
考えるようになる。
で、結局「今日のところは飲もう」
とまた飲むと、ふーっと落ち着く。
完全なるアルコール依存の魔のループ。
それでも「自分はアル中じゃない。
原稿はちゃんと書けてる」と認めない
自分がいる。
しかし、ついには幻覚が現れる。
心療内科に駆け込み、医師の言葉が響いた。
「今、あなたは30代で困った酔っぱらいだけど、
40代で酒乱、50代で人格崩壊、60代で脳萎縮。
それもうまいこと生き残れた場合ですよ。
酒をやめるのは、生活を一から組み直すこと。
それは知的な作業で、あなたならできるかも」
と乗せられ、著者はそれを〈人生の棚卸し〉
と位置づけ、意識的に生活を一変させていく。
飲み友だちとは縁を切り、
レゲエからジャズを聴くようになり、
野球観戦はサッカーに切り替え、
熱烈な浦和レッズファンとなり、
イグアナまで飼い始める。
◉アルコール依存は摂取量ではなく、少量でも
飲みたいと思う人は明らかに依存症である。
◉アルコール依存症は『治癒』するものではなく、
坂道で転がってる玉を止めてるだけで、
いつでもまた依存症に逆戻りしてしまう。
う~ん、言葉が突き刺さる。
酒に例えれば、スピリッツだ(…おいおい)。
まさに「病、膏肓に入る」そのもの。
病がひどくなり、治療の施しようもない状態
を指すがいろんな理由を付けて飲む酒飲みの
自己弁護って、しゃあないなぁ~では済ませる
ことはできないことなんだよー、
を本書はしっかり教えてくれます。
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アル中というと、特別な人が罹る病気だと思っていたが、一歩間違えると自分もそちら側の人間になりうるというのが、すごくリアリティを持って感じられた
依存する先や、言い訳できる状況を常に探している
壮絶な世界だと思った
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人は何かに依存したがる性質がある。アル中はそれがアルコールだっただけと感じさせてくれた一冊!!けど、何かに依存するということは自分自身であることから逃げているだけ。お酒を飲むことは楽しいけど、時にお酒は音楽の聴き方や本の読み方をお酒の都合で書き換えてしまうことがあるこは覚えておきたい。筆者の体験を基に書かれた一冊なので非常に説得力がある!!
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タイトルが面白かったから買ってみた。
こう読むと、アルコール依存症、壮絶である。自分も疑い始めたらまた読もう。
楽しさで歯止めがかからなくなって、飲む度にしょっちゅう記憶亡くしてたことが自分にもあったけど、あれは実はアル中に片足突っ込んでたのかもなぁとか思ったり。
最近は「飲むこと」よりも「美味しいお酒を飲むこと」が好きになってきてるし、人生ずっと楽しむためにも、ほどほどにしないといけないな。
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アルコール依存症,なかなかに怖い病気だが,どうしても人格に問題ありと思ってしまう.本人は諦めるとしても家族はたまらないだろう.
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少し前、俺の知ってる小田嶋なら数年前に死んだぜ、というツイートを見て、我が意を得たりと思ったが、その思いがより強くなってしまった。
小田嶋さんも、あるいは私も変わっていき、もう今の彼の言葉は私の胸には響かない、ということを改めて感じた。
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アル中で一年断酒できている筆者に酒を勧め、筆者が断っても何回も勧めて飲ませたNさんには腹が立った。筆者のことだけじゃなく、その家族のことも何にも考えていない!
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コラムニストの小田嶋隆氏が元アル中であったことを公表し、その体験をつづったもの。アル中というものについて、これほど分析的に、正義ヅラせず、かつわかりやすく書いたものはないのでは。そうかそういうことか!と目から鱗がポロポロ。
小田嶋氏の書くものには、ズバッとしたことを淡々と言う、ウケを狙わない、多勢に迎合することをしない、という印象がある。アル中であった時期、そして断酒中の現在についても、感傷を排して、しごく冷静に書かれている。第1章のタイトルは「アル中に理由なし」。最初っから、何事にも受け入れやすい「物語」をつい求めがちな世の傾向にNOを唱えているところなど、実に著者らしい。
アル中者の世間との接点は「逸脱」にしかなく、それがドラマとしては劇的なので、アル中者の転落と死は美しく描かれがちだという指摘は、実にその通り。この実例は、作家や漫画家やミュージシャンなど、枚挙に暇がない。どういうわけか、日本社会は酒飲みに甘い(どころか、下戸には生きづらかったりする)。現実を直視すれば、まあたいていのアル中者は迷惑千万で美しくも何ともないってすぐわかりそうなものだけど。
自身の体験に基づいて書かれているので、とても具体的で、そうかアル中ってこういうふうになるのね、とよくわかる。さらに、断酒することがいかに困難かということも、これまたすごーくよくわかる。酒を飲まないというのは、単純な「我慢」の問題なのではなくて、「酒抜きの人生」をあらたに構築し直すことだとあって、なるほどな~と思った。私は特に酒好きというわけではないが、それがいかに困難か、想像はできる。
そしてまたよく考えれば、ことは酒に限らないわけで。自分には依存や嗜癖の対象がない!と言い切れる人はそう多くないように思う。好きなものをやめてまで何の人生か、という心情に共感するところは自分にもある。最後のあたりの一部を引用しておく。
「年季の入った酒飲みが毎度おなじみの酩酊状態に到達すると( 中略 )架空人格みたいなのが自分に降りてきて、そいつに任せればいいみたいな状態になる。で、自分という主体を取っ払ったとこで暮らしたほうが本人にとっても楽なわけで、だからこそ彼らは酒を飲むわけです。 してみると、何かに依存するってことは、自分自身であり続けることの重荷から逃れようとすることで、逃避という行為自体はスマホでもお酒でもそんなに変わんないんですよね」
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酒と小田嶋さんの物語。
自分の世界から酒がなくなる喪失感が伝わる。
自分が酒をやめようかどうしようか悩みつつ読んだせいか、最後まで悶々とした。
問題の根っこは酒じゃないけど、酒の恐ろしさは十分伝わった。