紙の本
真の関ヶ原戦争が見える、目から鱗の一冊
2018/07/19 21:08
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る
司馬遼太郎の「関ヶ原」に代表される今までの関ヶ原の合戦像に慣れてきた人々はこの本を読んだらショックを受けるかもしれない。日本史上、最も有名な事件の一つである関ヶ原の戦いを、徹底的に当時の一次資料だけから検証した本書では、有名な逸話のほぼ全ては後世の作り話であることが示されるにとどまらず、天下人の座を伺う徳川家康vs.豊臣家の忠臣・石田三成という構図すらひっくり返される。歴史好きなら必ず読むべき一冊だろう。
紙の本
ますます面白くなってきた
2018/06/27 09:11
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
一次史料と二次史料の取り扱いの違いで歴史の真実がこんなにも変わるのかということが、よくわかった。そして現在通説として日本人に流布されている歴史的史実は、二次史料に基づくものが大半で、しかも明治期に作られたものが多いともよくわかった。
関ケ原の合戦については、日本人の大半が知っていることであるし、そもそも石田三成が西軍の大将というのも、石高、人望から現実的ではないとは思っていたが、本書ではその疑問を見事に解き明かしたといえる。
今後も歴史研究はさらに進むと思われるが、本書のような読んでいても面白い歴史解説書がどんどんと出てくることを期待します。
投稿元:
レビューを見る
「町長、この本には困りましたね!」
「本当に、『天下分け目の関ヶ原の戦いはなかった』とここまで一次史料を駆使して論じられるとは思っても無かったよ。特に人気の石田三成の本陣が『笹尾山』に無かったとか、徳川家康が『桃配山』はおろか関ヶ原にも居なかったでは、我が町の大事な観光にも影響が出ないか心配だ」
「そうですね、昨年の映画『関ヶ原』以降の観光客も順調ですので、何とか本がベストセラーにならないように祈りましょう!」
「いや、観光課長としては消極的やね。本の終章にもある通り、著者も神話の『古事記』や『日本書記』に史実で無いことが含まれていても受け入れるおおらかな国民性やと分析してる。ここは『ゲゲゲの鬼太郎』の境港市や『源氏物語』の宇治市の路線で行こう!」
「さすが町長ですね!それでは早速、各種看板は『関ヶ原合戦物語』に書き換えて、印刷物も次号から物語を加えて差し換えましょう!」
投稿元:
レビューを見る
秀吉の遺言。政務は家康に任せる&淀君を家康の正室に迎えるが本当ならば家康の秀吉死後の動きは違和感は実はないね。
投稿元:
レビューを見る
三成は義の為にあんなに石高の違う家康に立ち向かったのか。しかも、人望もあんまり無かったのに.......疑問ではあった。
一次資料が丹念に解釈され、当時の状況が分かってくる。納得もしたし、ここまで研究が進んでいることに驚愕した。やはり、小説と歴史は、違う。ただ、どちらが正しいから良い、とか、そういう話ではない。
投稿元:
レビューを見る
購入して手元に置いておく本である
ニワカ歴史フアンにとり手垢のついた関ヶ原の合戦に手が伸びたのはいくつかの偶然の賜物
驚く事が多すぎて脳みそが沸騰中のため書評にならぬが、メモとして残す(なお、乃至政彦・髙橋陽介共著デス)
(1)政権を付託された家康が忠実に豊臣政権を運営
①秀吉遺言 淀殿を室に迎え秀頼へ禅譲(破棄)
②合議制から利家他界、三成・長政・利長失脚
(2)対抗勢力の陰謀(毛利輝元と増田・長束・玄以)
①上杉討伐の留守番の反乱(輝元挙兵上坂)
②内府違いの条々=情報弱者へプロパガンダ
(3)関ケ原の合戦(初期)
①7.26西軍は美濃・伊勢制圧(8.1伏見陥落)
②家康は7.25まで長束ら三奉行を味方と誤認
③7.29内府違いの条々見てクーデター判明
(4)関ケ原の戦い(東軍)
①筆頭家老井伊直政(本多忠勝・榊原康政)
②秀頼を顧慮し大阪攻めは選択しない
③8.8基礎戦略=西軍大将毛利輝元との和睦
(5)関ヶ原の戦い(反撃)
①三成情報漏えい(味方と誤認 真田信幸)
②9.1家康西上開始
(6)関ヶ原の戦い(三成は大柿城)
①9.9小早川秀秋東軍内通の噂(近江待機中)
②9.12東軍内通者に関ケ原の西側は制圧済
※宇喜多・島津・小西・三成は東へ敗走
③9.14家康赤坂着・秀秋松尾山交戦(西軍と)
※三成、秀秋寝返りを追討へ(敗走と誤認)
※挙兵反対派の吉川広家は不利を知り和睦
(7)まとめ(ムリだけど)
①毛利二度の裏切り(早い和睦)で家康勝利
②その事情で三成・吉継首班ストーリー作成
混乱しつつ、腑に落ちるところが多々ある一冊
乃至先生の処も面白いが、あまり詳しくない関ケ原の合戦を中心に
投稿元:
レビューを見る
令和4年のGWに部屋にある本を全て整理することにしました、この本は読みかけの本でした。読むことでためになるポイントはあるとは思いますが、部屋の整理を優先することにしました。いずれ読む時間が取れれば嬉しく思っています。
評価は星一つとなっておりますが、内容に問題があるのではなく、時間が取れず読了できなかったためにこの評価になっています。
2022年5月2日作成