紙の本
三浦しをん氏の真骨頂
2023/05/26 08:28
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性同士の強い友情から愛情への変化。そして、別離。
けれども、その後のお互いの人生は気になりつつも別々の生活を送る。どんな、生活を送るのか。心の変遷の先に見える物はいかに。
主人公二人の人生に幸が待っていますように。
電子書籍
ののとはなの往復書簡で表された、精神的な繋がり
2019/10/01 19:34
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投稿者:ルカ - この投稿者のレビュー一覧を見る
女子校の同級生『のの』と『はな』の半生を往復書簡形式で綴った物語。
二人は高校時代に強烈に惹かれ合うが、若さ故に破局し別々の道を歩む。
特に前半の手紙が、冗長で読み辛かった。
しかし、後半では愛や友情、献身について、何が正しいのか分からなくなってしまった。つまり、自身の価値観が大いに揺さぶられた。
のほほんとしているように見えた『はな』の行動や考え方。そして、これ程までに強い二人の精神的な繋がりが印象的だった。
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のの・はな どちらかにも心を寄せることも共感もない。
どんな関係性のストーリーでも不快に思ったことはないけれど、かなり違和感。
試した時点でアウトだし、やり口が好きじゃない。
それは大人になってからの感情の変化にも言えること。
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高校で出会った「のの」と「はな」。
二人の20年以上の歴史を往復書簡の形で描いた作品。
友情、恋愛、結婚…
一言では言い表せない長く濃密な関係。
最後の終わり方の余韻が…。
はなさん…
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主人公は二人。野々原茜こと"のの"、牧田はなこと"はな"の高校生から40代までの手紙やメールのやりとりがまとめられている形になっている小説。
女子高特有の密接なかかわり、次第に二人はレズ的な関係になるがある出来事があり破局を迎える。だが、一旦途切れたと思っていた繋がりも再び復活。親友でもあり、恋人でもあり、深く心が繋がってると思える相手には簡単には出会えない。二人にとってはそう思える出会いだったんだろうと思った。
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最後の最後までどう終わるのか予想出来なかった!最後はこんな終わり方あるのかとしばらく放心状態になりました。悲しい話ではないのに号泣しました。
運命の恋をして少女から大人になっていく二人の手紙のやり取りのみで書かれた小説です。
激しい恋ゆえにお互いを傷つけ合い、別々の人生を歩みながらも相手への想いを持ち続け、さらには自分との対話になっていく過程が面白かったです。
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三浦しをんさんで、こういうのも書けるんだなぁと感心してしまいました。主人公2人の手紙のやり取りだけで話が進んでいって、会話は全体の1割にも満たないだろうに、ぐんぐん読ませるのはさすが。
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三浦しをんという人は、細かな心情や出来事をつぶさに文字にしてくれるなぁと感動した。
ブスって明確な破裂音で言ったわ、とか、おっさん顔のマルチーズみたいなファルコンとか声を出して笑ってしまったけど、はなの無事を祈るののの切実な思いに溢れた後半部分は涙が溢れた。
はなの天真爛漫な魅力は異国でも通じるはず。はなからの返信があることを心から祈る。
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三浦しをんらしからぬ真面目な一冊。意外に社会派だけど、読ませる。いろいろ印象的な場面はあるけれど、アフリカの人々との交流などが印象的。旧作のモチーフ(多摩川を挟んだ格差)が出てくるのも懐かしい。
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高校時代から続く二人の女性の往復書簡。
手紙やメモで二人の交流を通じて友情と恋愛感情のはざまで揺れて生きていた二人。
恋愛感情の方は片方の裏切り? によって幕を閉じ卒業後没交渉になるもののその後、いろいろあって手紙のやり取りが復活。その後、メールに代わり二人の交流は続いていく。
肉体関係を経てから精神的なつながりが強く二人にあったのか。お互い通じ合うものがあったのだろうなと想像しながら移り行く時代背景や、当時の価値観とを照らし合わせ読むと上の世代の彼女たちが過ごした青春時代がうらやましい。と感じる。
こういう友情もありかな? どちらのヒロインも豊かな知性と強い精神力があってそれぞれお互い好きな人ができて生きている。
それでも一番はお互いなのかなぁ。会えなくても気持ちはつながっていると信じて言葉(メールや手紙)を通して気持ちをぶつけているところ。そういう相手がいるというのは素敵だし時には苦しいけど結局戻ってきてしまう腐れ縁。
結構ずるいところダメなことろも見せちゃった上での人間関係がすごくて「わーっ」って感じで読み切った。
最後、探そうと思えば行方不明になった相手を探せるのでは? と、思った。ヒントはあるので行動力だけでは? と思ったが、相手が見つからない。最悪の場合は死亡という可能性もあり、存在の喪失を確信(確定)してしまったら生きていけない気もするので、永遠に行方不明かもしれない。
もしかしたら猫のようにひょっこり帰ってくる可能性もある。
できればいろいろあった二人が高校の時に多感な頃に出会い過ごしてきたように晩年にまた再開できるといいな。
女同士の方が気楽で良かったわねぇという女子高あるある落ちになるけど。それもいいと思うんだ。
三浦しをんはエッセイとか余計なことをしないで淡々とえぐってくる小説だけ書いててくれ。
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高校生のののとはな、途中疎遠になったりしながらも20年間にわたっての手紙のやりとりだけで構成されている。
しをんさんは好きな作家さんだけど、残念ながらこの作品は無理だった。共感できないというのは私にとって大きな問題ではない。共感できなくても感動できる作品はたくさんあるから。だけど、これは自分の気持をどこにもっていったらいいのかわからなくて、ほとんど入り込めなかった。
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ある2人の女子高生の20年くらいにわたる書簡。
手紙がメールになり、しまいには片方が消息不明になり独白になる。
会って話すとか、そのままやりとりが続くとかでなく、この結末が最高の形だと思う。
2人とも普通の会社員や主婦にはなってないどころが著者らしい。はなは主婦というには特殊だし。
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運命の恋は男女がするもの…とは限らない。
たとえそれが女の子同士でも運命の恋はある。
ののとはなが文通で交わす蜜月を読者は盗み見する形で話は進む。
他人のしかもなんとも親密な手紙をこっそり盗み見すると言う背徳感。
いけないことだと分かっていながらも、内容が親密な二人の恋の語り合いなだけに余計気になってしまい読む手が止まらない。
この人と別れたらもう残りの人生は死んでるも同じだと全力で言い切れる恋が出来ると言うのは、誰もが出来る経験ではないだけに羨ましい気もする。
なんだか尊い愛の形を見た気がして、そっと最後は本を閉じた。
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すごい小説を読んでしまった。
誰かを、なにかを、真剣に愛したことがあるか。そういう経験がないまま、結婚し、歳をとるひともいるのだ、ということに衝撃を受けた。
そういう経験がある自分は、幸せなのだろうか。そういう経験のないひとと結婚生活を共にするということは、不幸なのかもしれない。
幸か、不幸か。
ストーリーそのものに涙するのではない。読み手の実経験や、経験が降り積もった心の深いところに触れ、抉り、掻き乱してくる。
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20年。生まれてすぐの赤ちゃんが成人式を迎えるまでの時間。想像するととても長い時間だ。
二人の少女が出会い、愛し合い、別れ、そして再び出会う。その時間の濃密さを思う。
過剰に書き込みたくなるような二人の関係を、手紙とメールの文面だけで追う。地の文がないから余計に想像が膨らむ。手紙が途絶えている間の、二人の思いが自分の中で積み重なっていく。
女同士だからこその愛し合い方。そこには単なる個人と個人の「愛」では測れない大きく深い何かがある。
女子高ゆえの甘やかな関係、などという軽やかなものではない。その「愛」を知ったからこそのその後の二人の人生の変遷。別れたからこそ続く愛もあるのだ、としみじみ思う。
やりとりされる年月日を見つつ最悪の終わりを想像してしまったが、そんな予想をはるかに陵駕した大きな物語へとつながる。物語は終わらない。愛に終わりはない。