紙の本
ほんとに通信
2023/04/04 22:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
手紙だったり、メモだったり、メールだったり、
頻繁に書き手が交代する言葉のやり取りだけで、
二人の女性の四半世紀を
こんなにも濃密に見せてくれるなんて!
紙の本
北に行く人 南に行く人
2018/09/25 11:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずいぶん前に「人間には北に行く人と南に行く人に分かれる」と
聞いた事があるがそれを思い出した。
アフリカの地に消えたはなと北の漁師町に心を寄せたのの。南で自分自身を灼き尽くすであろうはな、災害後の北の町で厳しい現実を見るであろうのの。そのあたりが対照的だった二人。通じ合っていても確かに違いがあった。
女同士なら無言でわかりあえるものと男女の間の断絶にこだわり続けたののに対しそれらを越えた場所に行ったはな。
はながゾンダでのスタッフに宝石を分け与える場面を読んで「この人は三浦版・幸福の王子なのかも」と思った。多くの人に愛された事、恵まれて育った事、同じように育ち優秀だった妹が家庭に入ったぶん自分が世界に役立たなくてはという気持ちがあったのではないかと感じた。
多く愛され恵まれた者の高貴なる義務として難民キャンプに向かったのは彼女して当然の事だったのだろう。
気になるのは為五郎の存在。
三浦作品で猫は失われる。そして形を変えてまた主人公の手に戻る。これはどんな意味があるんだろう。
紙の本
魂の友人
2018/07/29 01:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
二人の女性の高校から20年間の軌跡を二人の書簡で綴ってます。んー凄い。
切っても切れない繋がり、友情とか恋愛とか超えた魂の繋がり、そんな出会いを少女期に果たした女達の人生を垣間見れます。
紙の本
ののかはなか
2018/06/28 10:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和の終わりから平成のを生きたお嬢様学校の同性愛のお友達同士の、アフリカの内戦や東日本大震災などの経験を通して、「生きる」ということを真剣に受け止め、考えることを思い出させてくれた書。
投稿元:
レビューを見る
のの・はな どちらかにも心を寄せることも共感もない。
どんな関係性のストーリーでも不快に思ったことはないけれど、かなり違和感。
試した時点でアウトだし、やり口が好きじゃない。
それは大人になってからの感情の変化にも言えること。
投稿元:
レビューを見る
高校で出会った「のの」と「はな」。
二人の20年以上の歴史を往復書簡の形で描いた作品。
友情、恋愛、結婚…
一言では言い表せない長く濃密な関係。
最後の終わり方の余韻が…。
はなさん…
投稿元:
レビューを見る
主人公は二人。野々原茜こと"のの"、牧田はなこと"はな"の高校生から40代までの手紙やメールのやりとりがまとめられている形になっている小説。
女子高特有の密接なかかわり、次第に二人はレズ的な関係になるがある出来事があり破局を迎える。だが、一旦途切れたと思っていた繋がりも再び復活。親友でもあり、恋人でもあり、深く心が繋がってると思える相手には簡単には出会えない。二人にとってはそう思える出会いだったんだろうと思った。
投稿元:
レビューを見る
最後の最後までどう終わるのか予想出来なかった!最後はこんな終わり方あるのかとしばらく放心状態になりました。悲しい話ではないのに号泣しました。
運命の恋をして少女から大人になっていく二人の手紙のやり取りのみで書かれた小説です。
激しい恋ゆえにお互いを傷つけ合い、別々の人生を歩みながらも相手への想いを持ち続け、さらには自分との対話になっていく過程が面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
三浦しをんさんで、こういうのも書けるんだなぁと感心してしまいました。主人公2人の手紙のやり取りだけで話が進んでいって、会話は全体の1割にも満たないだろうに、ぐんぐん読ませるのはさすが。
投稿元:
レビューを見る
三浦しをんという人は、細かな心情や出来事をつぶさに文字にしてくれるなぁと感動した。
ブスって明確な破裂音で言ったわ、とか、おっさん顔のマルチーズみたいなファルコンとか声を出して笑ってしまったけど、はなの無事を祈るののの切実な思いに溢れた後半部分は涙が溢れた。
はなの天真爛漫な魅力は異国でも通じるはず。はなからの返信があることを心から祈る。
投稿元:
レビューを見る
三浦しをんらしからぬ真面目な一冊。意外に社会派だけど、読ませる。いろいろ印象的な場面はあるけれど、アフリカの人々との交流などが印象的。旧作のモチーフ(多摩川を挟んだ格差)が出てくるのも懐かしい。
投稿元:
レビューを見る
高校時代から続く二人の女性の往復書簡。
手紙やメモで二人の交流を通じて友情と恋愛感情のはざまで揺れて生きていた二人。
恋愛感情の方は片方の裏切り? によって幕を閉じ卒業後没交渉になるもののその後、いろいろあって手紙のやり取りが復活。その後、メールに代わり二人の交流は続いていく。
肉体関係を経てから精神的なつながりが強く二人にあったのか。お互い通じ合うものがあったのだろうなと想像しながら移り行く時代背景や、当時の価値観とを照らし合わせ読むと上の世代の彼女たちが過ごした青春時代がうらやましい。と感じる。
こういう友情もありかな? どちらのヒロインも豊かな知性と強い精神力があってそれぞれお互い好きな人ができて生きている。
それでも一番はお互いなのかなぁ。会えなくても気持ちはつながっていると信じて言葉(メールや手紙)を通して気持ちをぶつけているところ。そういう相手がいるというのは素敵だし時には苦しいけど結局戻ってきてしまう腐れ縁。
結構ずるいところダメなことろも見せちゃった上での人間関係がすごくて「わーっ」って感じで読み切った。
最後、探そうと思えば行方不明になった相手を探せるのでは? と、思った。ヒントはあるので行動力だけでは? と思ったが、相手が見つからない。最悪の場合は死亡という可能性もあり、存在の喪失を確信(確定)してしまったら生きていけない気もするので、永遠に行方不明かもしれない。
もしかしたら猫のようにひょっこり帰ってくる可能性もある。
できればいろいろあった二人が高校の時に多感な頃に出会い過ごしてきたように晩年にまた再開できるといいな。
女同士の方が気楽で良かったわねぇという女子高あるある落ちになるけど。それもいいと思うんだ。
三浦しをんはエッセイとか余計なことをしないで淡々とえぐってくる小説だけ書いててくれ。
投稿元:
レビューを見る
高校生のののとはな、途中疎遠になったりしながらも20年間にわたっての手紙のやりとりだけで構成されている。
しをんさんは好きな作家さんだけど、残念ながらこの作品は無理だった。共感できないというのは私にとって大きな問題ではない。共感できなくても感動できる作品はたくさんあるから。だけど、これは自分の気持をどこにもっていったらいいのかわからなくて、ほとんど入り込めなかった。
投稿元:
レビューを見る
ある2人の女子高生の20年くらいにわたる書簡。
手紙がメールになり、しまいには片方が消息不明になり独白になる。
会って話すとか、そのままやりとりが続くとかでなく、この結末が最高の形だと思う。
2人とも普通の会社員や主婦にはなってないどころが著者らしい。はなは主婦というには特殊だし。
投稿元:
レビューを見る
運命の恋は男女がするもの…とは限らない。
たとえそれが女の子同士でも運命の恋はある。
ののとはなが文通で交わす蜜月を読者は盗み見する形で話は進む。
他人のしかもなんとも親密な手紙をこっそり盗み見すると言う背徳感。
いけないことだと分かっていながらも、内容が親密な二人の恋の語り合いなだけに余計気になってしまい読む手が止まらない。
この人と別れたらもう残りの人生は死んでるも同じだと全力で言い切れる恋が出来ると言うのは、誰もが出来る経験ではないだけに羨ましい気もする。
なんだか尊い愛の形を見た気がして、そっと最後は本を閉じた。