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「人喰い」
「木枯し紋次郎」シリーズ著者によるミステリー。
★あらすじ★
熾烈な労働争議が続く「本多銃砲火薬店」の工場に勤務する、花城佐紀子の姉・由記子が、遺書を遺して失踪した。社長の一人息子の本多昭一と心中するという。失踪から二日後、昭一の遺体は発見されたが、由記子の行方はわからない。殺人犯として指名手配を受けた姉を追い、由記子の同僚でもある恋人の豊島とともに佐紀子は必死の捜索を続けるが、工場でさらなる事件が起こる。
最近、復刻版小説が書店の目立つスポットに置かれている気がします。本書もその一つ、第14回日本推理作家協会賞を受賞した傑作長編ミステリーとのことです。著者は「木枯し紋次郎シリーズ」で有名な笹沢佐保。紋次郎は知っていましたが、著者を知らず、女性だと思ってました。
たった5ページめくるだけであなたは物語を読み終わるまで騙され続ける、と帯曰く。5ページ辺りは、姉・由記子の遺書のパート。帯では、何故5ページとしたのか(恐らく数字、それも若い数字を銘打った方が、読者に与えるインパクトが大きいという狙いだろうが)は、ここに仕掛けがあるからでしょう。前半の仕掛けにより上手く読者をミスリードさせるものになっています。まさにミステリーの王道の1つ?
さて、題名が何故「人喰い」なのか。それは、人は人を喰って安定を得ているという犯人の考えから来ています。”私は後悔はしていない。残念だと思っている。私は、負けてしまったのだ”と語る犯人。あなたが犯人でしょう?と突き付けられてからは、あっさりと自白する辺り、本当に残念だと思っているようだ。
犯行を完璧に実行する上ではしくじるべき場ではない所であっさりしくってしまった辺りは、何故だとなってしまうが、それでも前半の仕掛けが効いているのは間違いない。しかし、何故あの2人が仲良くなるのだろうか、そこは唐突感ありw
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最初の5ページ読んだだけで騙され続けるのコピーは過剰気味。そんなに意外な展開でもない。
張り込みのシーンで、枯草の茎を唇に挟んでふり返ったという描写があり、どんなシチュエーションだ。。
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既に初出から60年近くが経つ、笹沢佐保氏の初期の傑作が復刊ということで、温故知新。
プロット的には当然、今のミステリーを読み慣れている人には物足りないだろうが、まさに高度経済成長期真っ只中、日本が元気だった昭和30年代の空気が存分に感じられる。
そして松本清張氏がこの少し前からその名を轟かせていたということも併せて考えるとより興味深い。
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これから心中することを告白する手紙を残して蒸発した姉。しかし、遺体で見つかったのは相手の男性のみだった。その後、姉の影がちらつく連続殺人が起きる。割と王道なミステリも、昭和50年代ごろの時代風景が読み慣れたミステリと少し違う風合いになっています。
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久しぶりに懐かしいミステリー小説を読んだ気になった。普通に面白いと思う。解明のダメ出しの嵐に唸る!途中で犯人がわかったけど、どう主人公が解明して行くのか興味があって面白く読めた!
テレビでやってそうなミステリーでした!
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まあ、あやしい奴は何人かいて、あぁやっぱりこいつか、てなるんだけど、その動機とかトリックがあんまり納得いかないなぁ。随分古い本みたいなんだけど、帯に惹かれて買ったけど、納得できなかった。
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内容も文体も時代を感じさせるものだった。7万円の金銭価値が不明でどう読み取っていいやら。ちょっと帯は大袈裟だったな。
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言葉の表現などが少し堅く、初めは読み進めるのが大変だった。
全て読み終わる頃には慣れましたが…
謎が残る部分もありますが、展開は面白かったと思います。
最後は『やっぱり…』て感じでした。
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若いころ、笹沢さんを読みまくった時期がありました。これも一度読んでいましたが、今回復刻されたので懐かしくて手に取りました。事件の経緯、追い方、犯罪の崩壊、題名の意味…どれもとても良くできていると思いますし賞も当然と思うのですが、今の復刻には古さが勿体ないです。初版が1960年。パワハラ、御家柄、金銭価値、科学捜査の可能な範囲などまるで今とは違います。私が読んだ当時でも時代背景は古かったので、今、若い方が手にとったらまるで実感がわかないのでしょうね。私はとても好きですが、長く愛されるものって難しいのですね。
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昭和のミステリーだが、トリックは今でも通用すると思う。
初めて笹沢佐保氏のミステリーを読んだが、結構読み応えがあった。
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花城由記子は熾烈な労働争議が続く本多銃砲火薬店の工場に勤務していたが、ある日遺書を残して社長の息子である本多昭一と心中した。しかし、見つかった遺体は本多昭一だけで、由記子の遺体は見つからなかった。妹の佐紀子は姉を探しに恋人の豊島にも応援を頼むが、仕事で2、3日は行けないと言われる。
姉は自殺に失敗して怖くなり逃げたのではないか?という憶測が飛び交い、約2週間後に社長の妻を巻き込み工場内で爆破事故が起こる。そこでは、犬猿の仲である豊島と美土里が由紀子を見たという目撃情報があった。
さらに現場には由紀子のスプリングコートとストール、ボストンバックが置いてあった。
さらに数日後には、社長が自殺か他殺か分からない形で死亡する。
ナイフを買ったのはマスクをしたスプリングコートを着た女だとお店の人は証言する。
佐季子は豊島と一緒にあらゆる、推理を組み立てるが真相に近づけない。ついに犯罪者の妹として勤めてる銀行を首になる。
誰が犯人か謎がつかめないまま、退職の前日に刑事が訪れ、姉の遺書を渡そうとしたがないことに気づく。同日、美土里も工場を退職し向かった先は婦人科であった。
美土里には3ヶ月の子どもがいて、豊島は唯一佐季子の家に上がったことから遺書は豊島が盗んだことが判明する。
恋人だと思っていた豊島が犯人だったことから、靄がかかり真相に辿り着けなかった。また、豊島と美土里が犬猿の仲である芝居をしていたことから周囲も誰一人疑うことはなかった。
2020/02/10 12:12
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内容は面白かったけど、時代背景と話し言葉が合わなくて読むのに苦労した。
トリックは面白かったと思う。