紙の本
おかしくて切ない。
2020/03/30 15:24
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
変な愛を描いた短編集の日本作家版。ディストピアや新しい世代の愛の形、民俗学の体で提示される人間の生態。それぞれが奇想天外な設定があり、切なく展開していく。
深堀骨の『逆毛のトメ』は出色。
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「恋愛」ではなく「変愛」…変わった形の愛が描かれたアンソロジーです。
面白かったです。
ディストピア文学が大好きなので、「形見」が好きでした。工場で作られる動物由来の子ども、も気になりますが、主人公の子どもがもう50人くらいいるのも気になりました。色々と考えてしまいます。
「藁の夫」「逆毛のトメ」「クエルボ」も良かったです。藁の夫を燃やす妄想をしたり。クエルボはラストは本当に名の通りにカラスになったのだろうか。。
多和田葉子、村田沙耶香、吉田篤弘は再読でしたがやっぱり良いです。
岸本佐知子さんのセンス好きです。単行本から、木下古栗さんの作品だけ再録されなかったようですが。
表紙の感じに既視感が、と思ったら、多分小川洋子の「不時着する流星たち」の単行本の絵と同じ方でした。あったかいような不安になるような、好きな絵です。
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前代未聞の純愛アンソロジー
藁でできている優しい夫。男女三人で行う正しいセックス……。豪華執筆陣が、奇妙で純粋で狂おしい愛の形を綴った11の物語。エッセイストとしても著名な翻訳者が編んだ伝説のアンソロジー、待望の日本版!
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単行本を持っているので再読。
文庫化で収録されなかったものがあるのと、文芸文庫の『群像短篇名作選』3巻とのダブりがあったのが残念ではあるのだが、このアンソロジーは面白い。『韋駄天どこまでも』や『藁の夫』は何度読んでも好きだなぁ。
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いくつか読んだことがある作品も収録されていましたが、今までの愛に対する見方を思いっきり揺さぶられる一冊であることは間違いなし。
どれもこれもお勧め?
「韋駄天どこまでも」は漢字遊びの要素なので、編者も書いているように翻訳は超絶技巧が必要だなぁ。
単行本にしか収録されていない作品があるそうなので、単行本も読まねば。
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恋愛ではなく「変」愛を集めたアンソロジー。
どこへゆくやら全くわからない。
予想も付かない展開、意味さえわからなくなるけれど、なぜか読むのを止められない引力。
奇妙な、強烈な印象を残す読後感です。
面白かった。
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さまざまな形の「愛」が収められたアンソロジー。どれも一般の恋愛観からは少し外れた愛で、しかしそんな奇妙な愛こそが恋愛であるような気がする。どこか変でなきゃ恋愛なんてできないな、と感じた。
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タイトル通り変愛を集めた短編集。
「お、おう、そんなところに」「そんなのと」「え、何この設定」とか本当にそれぞれ変な愛ばっかり笑
吉田篤弘目当てだけど、電球交換士が出てきていたとは。
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恋愛でも偏愛でもなく、変愛。変な愛の短編集。変だけど当人たちにとっては大真面目。
幻想小説を読んでいるときみたいな、いつの間にか背後にこことは違う世界の気配がぶわっと広がって迷い込んでいくような没頭感を覚える作品が多め。
一部文章が合わなくて読みづらい作品もあったけれど、そこを乗り越えたらすいすい読めた。
形見…川上弘美さん
梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる…吉田篤弘さん
クエルボ…星野智幸さん
あたりが好み。
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川上弘美さんの、愛した人の骨の話が、秀逸だった。自分には、強烈な作品もあったが、面白い企画だと思う。
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12編のアンソロジー。
どの作品も変愛の名に相応しかった。この一冊に密度濃く詰め込まれたそれぞれの変愛。愛と一口に言っても当たり前ながら1つも同じものはない。
その中でも特に好みだった2つについて書きたい。
『藁の夫』
2人の間に嫌な空気が流れる、その始まりはいつも些細なことなのだと思い出させる自然な流れだった。あんなに幸福そうだったのに、藁に火をつけることを想像させる経緯、鮮やかな紅葉にその火を連想させるところがたまらなく良かった。
『逆毛のトメ』
シニカルでリズムのいい言葉選びが癖になる。小説ってこんなに自由でいいんだと解放して楽しませてくれた。躊躇なく脳天にぶっ刺す様が爽快だし、愚かな人間の頭に邪鬼の形相のトメがいることを想像してそのコミカルさに取り憑かれる。気づけばトメのことが好きになっていた。
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✳︎川上弘美 「形見」
✳︎多和田葉子 「韋駄天どこまでも」
✳︎本谷有希子 「藁の夫」
✳︎村田沙耶香 「トリプル」
✳︎吉田知子 「ほくろ毛」
✳︎深堀骨 「逆毛のトメ」
✳︎安藤桃子 「カウンターイルミネーション」
✳︎吉田篤弘 「梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる」
✳︎小池昌代 「男鹿」
✳︎星野智幸 「クエルボ」
✳︎津島佑子 「ニューヨーク、ニューヨーク」
多和田葉子目当てで買ったら読んだことある作品だった。どの作品も不思議な世界観で秋の夜長の読書にぴったり。
「形見」「藁の夫」「梯子の上から〜」が好きだった。
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普段、ほとんど読むことのない現代の日本人作家のアンソロジー。
興味深く読んだ。
もとは、深堀骨 の作品を読んでみたかったから手に取ったが、どれもなかなか良かった。ありそうでない話というファンタジーというか、不気味な話が多い。恋愛要素はどれも少なく見えるが、一応恋愛ものという括りらしい。
一作だけ、多和田葉子の漢字の話はすでに読んでいた。
特に印象的だったのは、
本谷由希子、迫力とリアリティと奇想天外で面白かった。
村田沙耶香、細かく書き連ねて積み上げるのがうまい。
吉田知子、多分この中で一番好きなタイプの作家。
小池昌代、切れ味がよい。
星野智幸、描写がうまい。
というかんじ。
編者は岸本佐知子。掃除婦の訳者だ。納得。
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夜に読むには、刺激の強い、エロスな本。
物、事、実親だった、近所のマダム
作者の想像力、創造力、妄想力はきっとたくましい
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岸本佐知子先生が現代小説の国内作家で特に好きなのがこの作家陣っていうの、分からみが深いな…。
川上弘美、最近SFだな…昔もなんかSFと言われればSFだったけど、分かりやすくSFSFしてる気がする…。うん…。
村田沙耶香の「トリプル」ってこのために書き下ろされた短編だったんか…なるほど納得…。そうだったんか…。
何度読んでもやばみがやばい…。