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強盗殺人実話集。
動機が軽薄であり、それにしても残忍。これが現実の事件だと思うと小説より奇なり。ほとんどがお金、またはもつれ。時代という一言で片づけたくない。
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明治大正期に実際に発生した強盗殺人事件を描いた作品。
「お茶の水おこの殺し」
「二本榎惨劇」
「小名木川首無死体」
「お艶殺し」
「小石川七人斬り」
「鈴弁殺し」
「名古屋駅行李詰め屍体」
「大井堀事件 -疑惑の十月二日-」
「女優一家の怪死」
「ピス健」
の十編が収録されています。
探偵作家が書いた"実話"のため、実際の事件を基にした創作で、
ドキュメンタリータッチのサスペンスといった感じです。
遺留品や聞き込みなどから"怪しい"人物の目星をつけ、
拘引して自白に追い込むという、まだ科学捜査の無かった時代の
犯罪捜査が描かれています。
解説によると、本書は1929年に刊行された
『明治大正実話全集 第三巻 強盗殺人実話』
から十編を抜粋したもので、実話全集には他に
「失踪の怪 (池文事件)」
「島倉事件」
「兇賊大米龍雲」
「六反池事件」
「柳島四人殺し」
「栗山主計中佐」
「稲妻強盗」
「函館丸山楼主殺し」
「桐ヶ谷惨劇」
「高橋お伝」
が収録されているそうです。
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多少現代風に直されている箇所はあるものの、基本的にオリジナルの文章、ということで文体が古く、一生懸命一語づつ追って、更に現代風というのか自分なりに理解出来るように脳内変換していきながらの読書だったので、読み進めるのには時間がかかった。読書嫌いだったら途中で止めてたかも。
事件内容もさることながら約100年前の事件なので、当時の庶民の風俗風習の一部でも知ることが出来、とても興味深いものだった。浮気、結婚離婚を繰り返す女性がいたり、地方や知人を通して養子をとったりと今とは異なる文化背景が当たり前に存在していた。今日のような道徳観を持つようになったのはやはり戦後なのだろうか? この本のテーマである凶悪犯罪よりもそっちの方が気になってしまった