電子書籍
見事に騙される
2019/10/28 23:00
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投稿者:うみしま - この投稿者のレビュー一覧を見る
柚月さんの作品は、孤狼の血から読み始めました。その作風とはまた異なる世界観の、この佐方貞人シリーズは、発行順に読みました。読み進めるごとに、年代が遡り、主人公佐方の来歴や父親の事件のことが明らかになっていく作りも、引き込まれる要因だと思います。
本作は、佐方の現在の職業である弁護士としての事件を取り上げています。この作品だけでも十分に楽しめますが、やはりシリーズを全て読んでみると、なお一層物語の造形に厚みが出てくると思います。
表層は単純な殺人事件の公判とその背景を描いているように見せて、最後には読者の思いもかけない結末が待ってるというのは、孤狼の血とも通じる作者の見事な筆致の技と言うしかないと思います。本当に力のある作家さんだと思います。
紙の本
良かった
2023/03/03 08:56
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投稿者:ちょびリッチ君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんとも苦しい作品ですね。
しかしちゃんと正しい罪で裁こうとする彼の信念はかっこいいと思います。
他の作品も読んでみたいですね。
紙の本
なるほど
2021/03/07 12:02
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
事件の被害者と被告人は、たぶんそうだろうなと想像がついたけど、証人が誰なのかは分からなかった。
あっさりとしてて、読みやすかったです。
紙の本
予想外の結末に病み付きになること請け合い本
2020/06/20 11:37
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投稿者:お千 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初の作品は「慈雨」でした。綿密な構成と
予想外の結末に一気に読み終わり他の作品にも興味が湧き、購入したのが、この本。
期待を裏切らないドキドキ感、そして結末。
当分は柚月作品に釘付けです。
電子書籍
イッキに!
2019/04/29 16:04
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投稿者:朧月夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
柚月裕子さんの始まりは佐方貞人シリーズの本作品からでした。
私の分類はヒューマンサスペンスとさせていただきます。
とにかくイッキ読みしてしまい眠気の覚める思いに、ベッドの中で嬉しいやら困惑やらの始末でした。
嬉しい思いは勿論、この作品に出会えたことです。
困惑は読みきってしまい眠れなくなったこと……
そして、次作に手を付けるか否かで迷ってしまったことです。
この作品を初めて手にされた方……
時間に余裕をお持ちくださいませ。
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本書はすでに読んでるしドラマ化されたものも2回くらい観た。でも思うことはいつも同じこと。佐方弁護士(検事)は素晴らしい!
被告人を守ることではなく、真実を明らかにしようとするその真っすぐな姿勢。警察・法曹界関係者は一度この本を読んだほうがいい。見習ってほしい。
裁判長も良かった。正しい判断をしてくれるし、道を切り開いてくれる。
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被告人は「この人」と思い込んでいたから、後半ビックリ!!
そういう復讐の形を選んだのか...と胸が痛んだ。
光治さんを思うと涙が止まらない。
法廷ミステリーはやっぱり面白いです。
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最後の証人とは誰で何を喋るのか
なかなか読みごたえのある作品だった
まず、被告人と被害者の名前が出てこなかったので
予想通りではないような気はした(笑)
そして、真実が明るみになった時
無罪になるのか
あるいはそれでも有罪なのか
人の心に問いかける作品でもあると思う
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売れてるせいなのかわからないけど、柚月さんの文庫が全然なくて。それともまだ全然文庫化していないのかな、全然調べてもいないけど
角フェスで残り一冊残っててつい買ってしまった。
タイトルからも、読み進める上でも、最後の証人がいろんな状況をひっくり返すんだろうなって予測がたった。
佐方さんシリーズのエピソード0みたいな感じらしいけど、佐方さんのことは全く知らない。
御子柴さんだったら、証人台には立たないと突っぱねる証人候補の家へ何度も足繁く通ったりする面が描かれていたけど、こちらは全くその描写がなくて。
並行して種明かしが行われているからか?
手の女検事は強い信念と意志を持って被疑者を起訴するんだけど、例の佐方さんにいつひっくり返されるか心のどこかで怯えており。被疑者が黒であると強い信念があったはずなのにどこかでなにかが足りないと感じていたのかな。
あと、自分で胸を刺して他殺に見せかけるとかできるのかなぁって疑問で‥防御瘡も‥そんな偽装できるもんなのか?
ヒポクラテスのシリーズなら許されないのでは?とか。
まさか夫が?とも思ったくらいだ。
あと、島津が親じゃなくて息子の方で=最後の証人は島津父?とかね‥戻って見直したら違ったけどw
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結末は早々と読めたものの、興味を削がれることはなかった。「孤狼の血」ほど熱くはないが、並々ならぬ信念の強さを描く点では同路線。男以上に男を描ける本当に稀有な女性作家だと思う。
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(※以前コメントした宝島社刊行の同名書籍の内容(2017.11.26)と同じでスミマセン...)
ハラハラドキドキの法廷ミステリー。
現代と7年前の事件が、複雑に絡み合う。
物語中盤に明らかになる「被告人」とは、見事に読者の考えを裏切る。
そして、表題にもなった最後の証人とは、誰なのか。
あらゆる伏線が、見事に最後に収束する。
判決後、弁護士の佐方が、検察官の庄司真生に言った言葉が、印象に残ります。
「法を犯すのは人間だ。検察官を続けるつもりなら、法より人間を見ろ」
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ホテルの密室で起こった殺人事件と、七年前の交通事故。二つの事件の裏に隠された真相を、正義の弁護士・佐方貞人が明らかにする。シリーズ弁護士編・角川文庫版。
宝島社文庫版も読んでいたので再読。裁判とは罪を裁くものだが、主人公・佐方の人を裁くという考え方が斬新である。法曹界には絶対馴染まない人物像だからこそ、読者にとっても頼りになる男である。
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殺人事件の裁判と、過去に不起訴となった交通事故とが平行して語られ、両者の真相が解き明かされていく法廷もの。
主人公は検事を辞めて弁護士となった男性で、淡々と真相に迫る裏側に熱い思いを秘め、人気のシリーズとなっている。
最近の骨太の作品を何冊か読んでおもしろかったので、過去にさかのぼって文庫を購入。途中までのミスリードに見事にはまり、交通事故で子どもを失った夫婦の悲壮な決断には胸が痛む。
感情を排した機能的な文章は、男性作家かと錯覚するほどだった。
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元検事の弁護士、佐方貞人。寡黙で、ヘビースモカーというハードボイルドのような主人公がとても格好良いです。本人は自らを語らず、助手や周りの人の視点で描かれる彼は、一見、変わり者で、奇妙な行動もとりますが、それが真実へと向かっていることに繋がっていくことを知ると、「この人、凄い」という気持ちに変わっていく様が心地よいです。
読みやすくて、面白く、一気に読めました。この作品で柚月さんのファンになりました。”最後の証人”を引っ張り出すために、佐方が言った言葉がとても印象に残ります。
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子を失った両親、権利を笠に着る貪欲な男、事件を
隠蔽する警察、事件は目に見える物ばかりではなく
結果として犯罪は法で裁かれそこで終わるが
被害者のその後の人生やその犯罪にすこしでも関わった
人間も全て人生が変わってしまう事がこの小説を読むと
少しながら実感として湧いてくる。
復讐がまた負の連鎖を生み居た堪れない気持ちになる。