紙の本
家族の肖像
2020/08/29 08:14
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投稿者:吉村ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
6つの短編で、
それぞれ別の家庭・そして登場人物も
ばらばらです。
各々の主人公の心境になれる
奥田さんの作品はすごい。
このシリーズがまた続きますように、
家族のその後が描かれたら、いいな。
紙の本
ほっこり短編集
2018/07/30 10:47
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投稿者:touch - この投稿者のレビュー一覧を見る
奥田英朗氏の、このシリーズが大好きだ。
六編の短編集だが、主人公がバラエティー豊か。
歯科医院の受付をしているアラサー女性、中年サラリーマン、女子高生、若手サラリーマン、妊婦、小説家。
よくもまあ、これだけのキャラクターの心情をリアルに書けるものだと感心してしまう。
どれも、社会的には大きな出来事ではなくとも、市井の人にとっては、結構な大事件。
それをユーモアたっぷりに、さらっと、ほろっと描いている。
読後感がとても気持ちのいい小説。
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全体的に“ヒミツ”という感じではない。かな。
でもほっこりするいい話。いい家族の話はとても好き。
「虫歯とピアニスト」
敦美は31歳で既婚、結婚して数年経つがなかなか子どもが出来ず、歯科医院の事務員として働きに出ている。夫の孝明は一級建築士。ある日敦美の働く歯科医院にピアニスト・大西文雄が患者としてくる。ファンであるのに、きちんと大西との距離を保つ敦美にも好感が持てるし、頼りないと思われていた孝明のセリフもとてもよい。
「正雄の秋」
昇進レースに負けた正雄。周りに気を遣われるのがとても嫌で、レースに勝った河島に「おめでとう」というのも二の足を踏む。自分がどう思われるかばかりを気にする、プライドの高い正雄。あまり好きにはなれないが、こういう人いるよね、という感じ。
「アンナの十二月」
12歳の時に、父親と血がつながっていないことを教えられ、16歳で血のつながった父親に興味を持つ。しかもその血のつながった父親は芸能界では超有名人。しがないスーパー店主と芸能人の二人の父。どちらが本当の父親なのか。
「手紙に乗せて」
53歳で母がなくなった。自分たち(主人公:亨、その妹)もそうだが、とりわけ父が気を落としている。自分たちには強がっているが、食欲が落ち睡眠も充分ではなさそう。身内をなくした経験のない周りの人たちは3日でそのことを忘れるが、経験した人は親身になってくれる。
経験しようと思って経験できることではないため、想像力と思いやりが大切。
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短編集。
どれも面白かったけど、下記の2つが印象的だった。
「手紙に乗せて」
母親が亡くなった際の周囲との温度差。
父の激しいまでの落ち込み…
実際に家族を亡くした経験のない人にはわからない悲しみの重さ。
「妊婦と隣人」
となりに引っ越してきた人たちのことが気になって仕方ない。
日中も部屋にいて、全く出てこない。
どうやって生活しているのか?
どうにも気になることってあるよなぁと思ってしまう。
2021.2.8
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このシリーズ大好き。図書館で借りたのを悔やむほど。買えばよかった。
特に「手紙に乗せて」「妻と選挙」が良かったなあ。読み終わった後になぜか微笑みながら泣いているという笑。
著者のミステリーも好きだけど、こういう話も大好き。続編希望!
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前作2作がとても好きで、発売と同時に手に取った。
読むたびに元気になれるので、私にとってはビタミン剤のようなシリーズだ。
人生の様々なステージで起こる、問題や悩みや不安。
もちろん、家族だからといってすべて分かりあえるわけではない。とりわけ今回は、家族ではなくその周りの人たちによって気づきがもたらされる話が多かったようにも思う。
それでも、すべてを分かりあえなくても、支えてくれる家族という存在はなんと素敵なものか。
解説にあった「応援歌」という言葉が、本当にしっくりきた。
心が弱ったとき、私はきっとまたこの本を開くのだ。途切れることのない応援歌を聴くために。
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短編が6話はいっています。短編なのでサクサク読めます。
全部素敵な話で夢中になってしまいました。
短編はキャラクターへの感情移入がなかなかできなくてあまり好きではなかったんだけど、この作品はそれぞれの登場人物に愛着をもててしまうので不思議です。起伏の激しい話はひとつもないですが、ほっこりしたい方にはおすすめです。
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『ガール』のときもそうだったが、どれもクスッとしてホロっときてじんわり温かくなるような話。電車のなかで軽く読むのにぴったりです。
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「我が家」シリーズの第三作。
相変わらずほろりとさせられる作品群。
読後感の良い作品は複数ありますが,今回「も」最終話「大塚家」のお話しが一番好きです。
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大好きなシリーズ最新刊。
今回も安定の面白さ!短編集だけど、どれも好き!どこにでもありそうな日常(今回はちと珍しい設定もあるけど)を、こんなに面白く書けるのがすごい。
個人的には「手紙に乗せて」が一番好き。突然母を失ってしまった家族の話。子どもたちも寂しいけれど、それ以上に父の失意ぶりがひどく、気を揉む子どもたち。そしてそんな人たちを気遣う、同じ経験を持つ人たち。そうなんだよね。脳みそではわかっていても、体験しないと本当に共感するのは難しいんだよね、人間。似たようなことをしてしまった昔の自分を思い出して、気恥ずかしくなってしまった。
あとホッコリする意味で「妻と選挙」も可愛らしくて好きだな。
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後味スッキリのほっこり系家族物語。
サクッと読める6つの短編小説が収録されている。
読んだ後に気分良く終われる、そんな小説だった。
本に書かれていた、
「一流の人間は常にプランB、プランCを用意し、不測の事態に備えている。理想な展開なんてものを端から信じていない」
というセリフに感心した。そこまで出来ていない自分はまだまだ二流だな、と。これからはプランB、Cを用意できる人間になりたいなと思った。
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大好きな「家」シリーズ、待望の第3弾。今作は特に「泣き」の要素が強い傑作。僕自身、第1弾「家日和」から10年が経つ中で結婚し、近親者を亡くし、子どもを持ったため、登場人物たちのなかでも「親」側への感情移入が止まりません。
夫の演説に感動必至の「虫歯とピアニスト」、出世競争の悲哀を見事に抽出した「正雄の秋」、男の甲斐性とデリカシー「アンナの十二月」、妻を亡くした男の世界「手紙に乗せて」といずれも素晴らしい。最後を飾るのは前作でマラソンに挑戦して読者を泣かせた妻が、今度はいきなり市議会議員選挙に出馬する「妻と選挙」。このシリーズは手元に置いて、折に触れて笑って泣きたい。
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奥田英朗の「家」シリーズ3作目。
老若男女を問わず、登場人物の心情を書き分けるのが本当にうまい。それぞれの話でいい存在感を醸し出すのが主人公の家族だ。悩んだり、不安がったり、がんばっている家族に寄り添う姿は自分も勇気づけられる。
本当は悲しい話もあるのに、最後にはなぜだが微笑んでしまうなんて、奥田さんらしい小説だなと思う。
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本当に何気ない家族の日常
自分の勤めている歯医者にファンのピアニストが治療にやってくる。コンサートが終わってもバレたらいけないと思い近寄らず遠くからみていただけだったがおそらくバレていた。
次期局次長が同期入社の奴に決まった。自分は違う部署か子会社へ出向となる。今後どう過ごしていったらいいのだろう。今まで急いで生きてきた分これからは妻と一緒にのんびり過ごしていこうという気持ちになる。
自分のお父さんは育ての親、誕生日に実の父親に会いたいと母親に告げ会う事になる。実の父は有名人でお金持ち。今の父親より実の父の方がいいと思い始め親の思いもわからず実の父と暮らしたいと思うようになる。
などなど、見事に何気ない日常を描いた6編の短編集。
奥田さんのこのシリーズは大好きです。
物語に浮き沈みのない作品は苦手なのですが奥田さんの作品は集中して読む事ができます。
6編の中にやはりあった作家の話。
今回は多趣味の妻が市議選に出るという内容。応援はするけど選挙活動には参加しないと言っていたが最後は思わず自分も参加する事になる。
これは少し感動しました。
このシリーズは続く限り読んでいいこうと思います。
次出るのかわからないけど楽しみにしています。
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シリーズの前作で出てきたN木賞作家の大塚家の奥さんが選挙に挑戦する「妻と選挙」が面白かった。
大塚さんは作者の投影? 奥さんや子供との程よい距離感が心地よい。