紙の本
ゆるく楽しい内容が面白い。
2018/07/03 12:16
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
普通の人と同じような日常なのに、何かと面白いことを見つける著者の視点に脱帽します。
上の階の赤ちゃんの一言を毎日続けて追っていたり、目の置き所が違うなぁと感心します。
こんな風に毎日を楽しみたいですね。
イラストも見どころです。
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とても面白かったです。川上弘美さんの3年+3年。
五分の四くらいは本当、と書いておられましたが、川上さんが書かれるうそばなしのような、ゆるゆるとぼやぼやと奇妙な日々です。
どうやったらこんな面白い毎日になるんだろう…川上さんはちょっと大変そうだけど、と思いながらふふっとなってしまいました。
○○の分野のベスト3という類のものを選ぶのが不得意でしょうがない、という川上さんに勝手に親近感を覚えます。
あと、「ビロウな話」の「ビロウ」が漢字だというのを知りました。「尾籠」。でもビロウの意味はいまいちわからない。
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単行本2冊分が合本で文庫化。
何処か不思議な日常生活を垣間見ているような気分になるエッセイ集だった。『1+2』とあるので、『3+4』も出て欲しいなぁ……。
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単なる日常をふわっと書いてあるだけなのに,その中に光る情緒と,他者とは明らかに異なる感性が重厚に迫ってくる.
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七月某日 晴れ 猛暑
とにかく暑い。外にでて何かしようという気分にならない。
こういう日は部屋で寝そべって本の頁をめくるに限る。川上弘美さんの「東京日記」を手にとる。
「センセイの鞄」や「古道具 中野商店」など独特の空気感で、小説を読むことの楽しさを味あわせてくれる人だ。
本書は、数年にわたり、川上さん自身の身辺で起こった事柄を、日記という形でまとめたものだ。
核となる出来事は事実だろうけれど、(ご本人も4/5は実際にあったことと言っておられる)その空気感そのままに、カワカミさんと一緒に想像の世界に遊ぶことができる。
例えばこんな感じだ。
◆三月某日 晴
あたたかな日。
朝、「桜が咲いてますよ、一分咲ですけど、咲いてますよ」という電話がかかってくる。
受話器を持ったまま窓を開け、百メートルほど先にある桜並木のあたりを眺めると、昨日まではひんやりと沈んでいた桜のまわりが、今日は薄赤くはなやいでいる。
「咲いてますね」と喜ぶと、相手も「咲いてますでしょう」と喜んだ。
数十秒ほど黙ってお互いの場所の桜を眺めあい、それからそっと電話を切る。
◆八月某日 晴
浅草に泊まりに行く。
東京に住んでいるのに、めったに都心に出ない。「銀座ってどんなところ」と、ある日こどもに聞かれてそのことに気づき、ここは一つ東京見物さ行くべい、と思いたったのである。
こどもたちと一緒に、六区のあたりをそぞろ歩く。花やしきでは、お化け屋敷に入る。豆かんを食べ、お寺にお参りし、芋ようかんを買う。太鼓の博物館に入場し、太鼓をでこでこ叩く。
「東京はどうかね」
こどもたちに聞くと、しばらく首をかしげていたが、やがて「東京は、すごいね」と小声で答えた。不憫になる。
日記が身辺雑記であると同時に、本の頁にはさんだ押し花のように、その時々で揺れる気持ちを留めおいてくれる装置だということを改めて認識させてくれる。
少しだけ、暑熱が奪われて体のなかを風が通りすぎていく気分。
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なんか不思議な面白さがあってさくさく読んでしまった。
現実感があるような、ないような、でも五分の四くらいほんとうの日記ってあるからほんとうなんだろう。
淡々と楽しく日常を送ってる川上さん。
ますます好きななった。
”あら、よくってよ”私もこのセリフ、(まるで小津安二郎の映画みたい)妙に使ったみたくなった。
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不思議でどこか懐かしい、ゆるゆるな日常。
4/5くらい本当らしい。でも日記を書くとそうなりそう。特に、発表するとわかっているものは。不器用で、優しくて、痛々しいところも、楽しいところもある日常。激しさはあまり感じられないけれど、ちょっとしたことが拾われている。さくっと読める作品だった。
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日記文学として有名なものに
「紫式部日記」や「和泉式部日記」
「更級日記」に「土佐日記」などがありますが、
最も多くの人に読まれた日記のひとつとして、
すぐに「アンネの日記」が思い浮かびます。
とはいえ、
ふつうは他人の日記に
興味を抱くようなことはありません。
ほとんどの場合が、
プライベートな記録か、
はたまた個人的な感傷に終始していて、
面白くもなんともないと予想されるからです。
でも、弘美さんの「東京日記」は、
とても面白く、しかもすんごくチャーミングです。
小説家としての文才はもちろん、
お人柄でしょうネ。
なんだかほっこりいたしましたぁ。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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階段ですれ違う、だんだん赤ちゃんでなくなっていってしまう赤ちゃんが好き。
既刊全部一度に文庫化してくれればよかったのに。
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ほとんど実際にあったこと、とは思えない不思議な川上さんの日々。
川上さんの小説も、不思議な話が多いけど、まぁ、そんな事もあるかもしれない、と思ってしまう。
エッセイもそんな感じ
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川上未映子の本と思ってました。あー大阪出身の川上さんが東京に住んで思うところをしたためたのか、という頭で読んだら文章のタッチちゃうし流れる時間の感じもちゃうし!あれ?と思ったら川上違いやないかー!
でも不思議とぼちぼち読み進められ、なんとなく小川洋子的な、のんびりした不思議な人の日常を垣間見た感じで楽しかったです。この人家族にいたらどんな感じかなと妄想しました。いや、ともだちにもいないタイプやな。
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サクサク読めて面白い!
このひとのことがわかるんです!
こんなふうに書きたいなと思いました。
明るくなれますよ!
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川上弘美さん2冊目
ウソばなし
でも4/5くらいはほんとう
見る人によって世界は違うのかな
妙興寺ブックオフにて購入
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嘘と本当が入り混じった川上弘美さんのエッセイ。
東京で起きる、不思議だけど平凡なできごと。
何も考えたくない、つらいときに集中して読むと、想像力がかきたてられて自分の世界に没入できる。
満たされているときに読んでも個人的にはあまり刺さらない作品です。
タイミングが合うと、とても面白くて心が救われる。
本は出会うべきときに出会うものだなとおもいます。
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岸本佐知子さんがエッセイの中で勝手に幼なじみという設定にしていたのが川上弘美さん。
本当に仲良しらしいので、岸本佐知子さんに気に入られた川上弘美さんてどんな人か知りたくなり読んでみた。
これはエッセイではなく日記。
ある日の出来ごとを8割が本当で、2割は盛って書いたもの。
嘘っぽい箇所はわざとらしいのですぐわかる。
1ヶ月のうち何日かのできごとを3ページ程(1日分を5行から10行)でサラッと書いてあるので、すきま時間に読むのにちょうどいい。
どこからでも読めるし、いつでも読むのをやめられる。
高校の時の友達から銭亀を貰ったとか、盗まれた自転車が見つかったとか、映画を見に行こうとしたら突然雨が降ってきたのでやめた、など。
どうでもいいことを飽きもせず書いている。
夏場は「暑い、暑い」といい、冬場は「寒い、寒い」という。
単に暑い寒いと言っても面白くないと思ったのか、後ろに「よ~」とか「のよ~」を付けてみたりする。
こんな感じで気楽に読める本は常備しておきたい。
トイレ本には最適だし、病院の待合室で読むのにも良い。
小学生の時、夏休みの宿題に絵日記があったことを思い出した。
毎日天気のことと、○○君と△△して遊んだというほぼ同じ内容のことしか書くことがなく、そのせいか自発的に日記を書いたことはない。
日記を書く人って、誰かに読まれることを意識しているのだろうか?
そういう人は、今はブログを書いているのか?日記とブログは多分ちょっと違うんだろうな。
で、この日記本から受けた川上弘美さんの印象は「マイルドで控え目な感じ」だ。
岸本佐知子さんは川上弘美さんのどこに惹かれたのでしょう。