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サピエンス全史と同様、歴史的な出来事を織り混ぜながら現代を分析する視点は非常に興味深く、未来がどうなるか示唆にとんだ内容。ただ後半は論拠にやや乏しい著者の想像?で話が進んでいるような印象を受けたのがやや残念。
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「人間至上主義革命」から「データ教」へ。
人類の未来、進化の先にあるものは何か。
生物はただのアルゴリズムであり、コンピューターがすべてを把握し、生物工学と情報工学の発達により、資本主義や民主主義、自由主義は崩壊していくといいます。
人類はどこへ向かうのかを示しますが、それは予言ではなく、まだ選択が可能なものです。
今までの考えが変わってくる、刺激的な本でした。
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上巻から更に深淵へと掘り下げていくため、特に第3部は何度かページを戻しながら読み進めた。
人類がゼロサムゲームを脱するためにとった
「人間至上主義」という態度。
テクノロジーの発展は人間至上主義をより高次へと導きつつ、その特性ゆえ人間至上という大義を揺るがしかねないという仮説。
そして近年、世界を支配しつつあるデータ至上主義。
この下巻では、未来に対する明確な答えは提示せず
読者が考えるためのきっかけや
そもそも未来を考えるのに必要な態度、考え方を提示する。
そのため、最終章のおわりで「結局、どうなるの?」という疑問が首をもたげたが、
そこは自分たちで考えるべきなのだろうと腹落ちした。
人文科学、歴史、コンピュータサイエンス。あらゆる領域から多面的に未来を占う本作はサピエンス全史とあわせ本棚に常備し、度々読み返したい作品だ。
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大著「サピエンス全史」で、認知革命・農業革命・科学革命という3つの革命から、人類の歴史を斬新な観点からアップデートしたユヴァル・ノア・ハラリの新著。本書では、主にAIとバイオサイエンスを中心とした新たなテクノロジーがどのように人間を変えていくのかという予言的な洞察が語られる。
前作の「サピエンス全史」と比較すると、本書は確実に異論を巻き起こすことは間違いないように思われる。というのも、本書で描かれるテクノロジー、特にAI技術に関する記述はいわゆる「シンギュラリティ論者」が語るような、万能の存在として描かれている節があるからである。ここ数年、「シンギュラリティ論者」に対するAI研究者の側からの反駁として、AIは決して万能な存在ではなく、人間の生存を脅かす存在にまでなるというのは妄想に過ぎない、という意見が提起されている。そうした議論を踏まえてみると、著者のAIに関する理解というのが本当に正当なものなのか、という疑義を呈さずにはいられない。
ただし、そうした点を除けば、生物学・遺伝子学・科学哲学・脳科学・経済学等の様々な学問領域をすべて歴史という軸で徹底的に見つめ直し、そこからテクノロジーが発展したときの社会の姿を予測する、という著者のアプローチは極めて真摯な歴史学者のそれであり、我々が次の社会を考える上での重要な補助線になるのは間違いがない。
余談だが、この手の本にしてはユヴァル・ノア・ハラリの本はリーダビリティが高く、読みやすいと思う。面白い本だし、あっという間に読んでしまった。
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サピエンス全史の方が面白いので、読んでいない方はまずサピエンス全史から読むことをお勧めします。
ただ生きるだけではなく、歴史を知ることで、今起きている事やこれから起きることを考えさせてくれる。そのきっかけを教えてくれる本だと思います。読んでない方にこの本の良さを説明するのは難しいです。
もし読まれるのであれば、立ち止まりながら読むべき本です。
社会人の方は間違いなく読んだ方がいい。
学生ならもっと読んだ方がいい。
もう一度深く考察しながら読み返します。
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面白かった。最初の章は雑な気がしたが。
ろくに調べたりチェックもしていない有権者が投票する選挙というものを、これが民主主義っておかしくないかと疑問に思っていたが、そのことを真っ向から取り上げた文章は初めて読んだ気がする。新鮮だった。
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凄い本です。これまでの歴史を振り返り、これからを考察するというものですが、著者の博覧強記にはただ感心するばかり。また、事象の分析も鋭く、知的興奮にあふれた書です。
これまで人類は、飢饉・疫病・戦争に脅かされてきました。今や、飢饉で亡くなる人より肥満が問題となり(マックが人を殺す)、疫病よりも糖尿病で苦しむ人が増え(コカ・コーラが元凶)、戦争より自殺で亡くなる方の方が多いと世界は逆転。これに代わって、生命はアルゴリズムでできているので、このアルゴリズムに対処することで、不死・神性を人類は得ることになると、近年のITの進化やAIの事例をあげて述べています。「下」の後半部分では、テクノロジーもここまで来たかという事例が多数紹介され、読んでいて溜息が出ました。
最後に、①生き物は本当にアルゴリズムだけなのか、②知能と意識とどちらに価値があるのか、③高度なアルゴリズムが自分自身よりよく知るようになった社会はどうなるのか、との問題提起で終っています。前著「サピエンス全史」でも、超人的なことについて言及していましたが、「ホモ・デウス」の続編も(映画の最後でチラ見させるように)予感させます。
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人間はアルゴリズムでできており、思考も感情も電気信号によるものだと言う。であるならば、1)複雑な処理ができる高度なアルゴリズムほど価値が高い。これがホモ・サピエンスと動物の差。2)ソフトウェアと一緒で、アップデートされないとゴミ箱行き。アップデートできるかどうかは、その人の置かれた立場による。3)IoTが徹底的に普及すると、人間も”T”の一つ。人間は不要にならないが、個人は不要となる。
動物と異なるこれまでの発展は、宗教や国家、貨幣など「虚構」を信じられるかどうかの差。データ至上主義という虚構が支配する世界になる流れを、どうコントロールするかが重要という指摘。確かに、他者(他コンピューター?)から何を言われても、最終的な決断は自分がするんだという強い強い自我が必要だと思う。
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ホモ・デウス下 は、現在においては個人主義・人権・民主主義・自由市場が世界を支配しているが、生物学は人間の感情や意思が存在しないことを暴き、自由意志よりもデータの方が信頼できるようになった時、これらが取って代わられることを問いかける本です。
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(上)では真面目で長い書評を書いたので、こちらは(下)なので「下巻」についての評価を書いておこうと思う。
『サピエンス全史』でもそうだったが、この著者は同じことをもっと短く書くことができたはずだ。長さによってその価値を増す、つまりその長さが必要な本というものがあるが、これはそうではないように思う。
さらに悪いことには、上下巻を分けて出版する日本の出版社の意図だ。
原本は上下巻ではなく、一巻ものである。日本語版も上下に分けずに出版することは可能であったはずだ。
それにもかかわらず上下巻にしたのは理由がある - その方が儲かるからだ。
資本主義ではそれが正義だと、この本を読んで考えたからなのかもしれない。この時代だからこそ翻訳者と出版社は誠実であってほしいのだ。
少なくとも電子書籍版は一冊にしてほしい。上下に分ける意味がわからない。『サピエンス全史』では後で電子書籍は合本版をなぜか安くなっていないが出しているのだから。
さらに言うと、原題は”Homo Deus: A Brief History of Tomorrow”だ。「短い」歴史と断っているのだから本でももっと短くしてほしい。もっと言うと前作『サピエンス全史』も”Sapiens: A Brief History of Humankind”だったんだけれども、できれば、原題と同じように「短い歴史」で揃えられればよかった。「全史」みたいなワードを使って二分冊にしたおかけで、著者がオリジナルで意図したタイトルのつながりが表現できなかったのは残念。
※ たぶんこの書評を書いた後だと思うのだけれども、上下合本版がAmazon Kindleで出ていた。それはよいことではあるのだけれど、上下両方を購入した値段と同じ価格であるのはやや納得できないけれども。
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『ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4309227368
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すごい本だった。すごく共感できた。神さまから人間様そしてデータへ。いまの感覚と全く違う領域にこれから行く可能性があることやその辺の人類史的に変わっていくところの本質をとても腑に落ちる形で言葉にしてあった。
読んでよかった〜
表示の有名人の書評で上巻と下巻の一言のレベルが違いすぎる。。
話は変わるけど人生は短い、自分が本当に大切な人と過ごそうと思った。
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サピエンス全史同様、中盤に全然おもしろくない時間があるけれど、序盤と終盤の盛り上がりでトータル"超おもしろい"と印象付けられる。まさにピーク・エンドの法則。
サピエンス全史の終盤をさらに膨らませたような話で、これから先人類がどうなるのか?を希望も絶望もなく淡々とした語り口で大胆に描いた内容。同じようなテーマで書かれた段・ブラウンの『オリジン』と比べても、ノンフィクションのこちらのほうがぶっ飛んでいるのが面白い。
ただ、原書が2016年発刊に対して翻訳版の出版まで2年かかっているのが本書にとっては大きなマイナス。最先端の話をしている分、サピエンス全史に比べても"2年のタイムラグ"が無視できないレベルで記述を陳腐化させている。
やっぱり日本語しか読めないというのは世界のトレンドについていくには大きな足かせで「英語読めるようにならないとな…」という思いが高まってしまう1冊でした。
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これまで人類は飢饉、疫病、戦争と闘ってきたがこれからは不死、幸福、神性の獲得を目標とする。それくらい人類の占めるポジションが変わってきている。しかし我々の心そのものは昔から変わっていない。だから歴史を学ぶことに意義はある。過食の方が飢饉よりも深刻、砂糖の方が火薬よりも危険、人類は生存と繁殖のためにのみ進化してきた。異なる虚構に支配、虚構と全体主義的な宗教。我々のこれからを占う上でもAIとバイオサイエンスがキーテクノロジーになりうることを意識していきたい。
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<目次>
第2部
第6章 現代の契約
第7章 人間至上主義革命
第3部 ホモ・サピエンスによる制御が不能になる
第8章 研究室の時限爆弾
第9章 知能と意識の大いなる分離
第10章 意識の大海
第11章 データ教
<内容>
『ホモ・デウス』の下巻。「デウス」は神のこと。コンピュータとAIの進歩により、今後の地球がどうなっていくかを綴ったもの。けっこう恐ろしいことが書いてあるが、しっかりと歴史や他の学問を踏まえて書いてあるので、腑に落ちる内容。最後にそうならないために考えるべきことも書かれてあり、「ホモ・サピエンス」が生き残るための手段となるだろう。
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上巻に時間を取り過ぎてしまい、下巻は時間が足りなくて流し読みになってしまったが、それでも興味深かった。また改めて時間をとって読みたい。
宇宙まで征服したAIが、使命として円周率の計算をする描写とか、色々面白いところも多かった。