紙の本
武士道という生き方
2020/10/28 20:13
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投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語はいよいよ武士道の佳境へ。
日本の伝統的な精神を大切にすることは大切だと思う。誤った自虐史観にとらわれてはいけないこと、それぞれの国が国益に応じて歴史を捏造しているという現状を訴えたいこともわかる。が、それ故に、一人の主人公が自国の文化を大切にするがゆえに、海外の人に苦手意識というか敵意まで持ってしまうのは、いささか視野狭窄な偏屈さを覚えてしまう。歴史について議論することは良いことだが、自国の伝統を重んじてるのは良いけど、反省の上に基づき、相互尊重していく冷静な姿勢が必要なのだと思った。
そう、奇しくも、剣道におけるオサメで香織が学ぶ「守るためには、圧倒的な力と争いの渦に巻き込まれない禁欲的などこまでもいっても暴走しない冷静さが必要」ということは、剣道だけでなく、社会問題の解決にも必要なのだと思う。その意味で、武士道とは、単なる剣道や体術、だけでなく、政治や倫理にも生かすことができる思想・哲学なのだと思う。自然を守りたいという、私自身の思いを実現させたいのだが、自身の力の不足と冷静さが足りていないことに改めて気づかされる。
そして、桐谷先生の言葉。「何故生きるかではなく、どう生きるか。誰のために生きるのか」。何故という問いではたどり着けない解に、どうするかと問いかけることで、背筋を伸ばして先に進める解が得られることもあるということに気が付かされる。「人生このままでいいの?」という本でも、質問を「何故」から「どうしたら」に切り替えることで前に進めるという紹介がされていることと符合する。考え方として、過去や原因を振り返る思考と、現時点・今ここからこれからどうするかという未来を見据える思考との違いに気づかされる。人生、何故生きるかでは、苦しいが、どう生きたいかを考え、在りたい自分で生きることは、とっても前向きであると思った。
「武士道とは、死ぬことと見つけたり」。小説の中では誤った理解がいじめの原因になっていたが、本来は、死を見つめることで、最大限の生を享受し、前を向いて誰かのために、在りたい姿で生きていくことに精進していくという意味の言葉だ。
後ろ向きになりがちで、一歩も踏み出すこともできず身動きの取れなくなっている自分だが、これから新たに、「武士道」を胸に、どう在りたいかを考え、これからを生きていきたいと思う。
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投稿者:Natsumi-kan - この投稿者のレビュー一覧を見る
成長した2人の姿を見れて良かったです。大人んなったなぁーって。磯山さんはあんまり変わってないかもですww
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帰ってきた武士道シリーズ。エイティーンから6年かあ。そんな月日を感じさせないほど、あんまり変わってない香織と早苗笑。変わったのは早苗の結婚だけかな。
剣道って背筋が伸びる。これが香織の生き方を象徴してる気がする。常に真っすぐだ。大人になっても、変わらず。
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武士道シリーズの4冊目。
文庫で言えば2010年に高1だった香織と早苗が、1年に一度の発行毎に高2、高3と成長して続いてきたシリーズ。
そこで完結していたものと思っていたが、続きが出るとは驚いた。
前巻からは6年半振りの発刊で、それだけ間が開けば、彼女たちは既に大学を卒業、帯には”エッ、結婚?エエッ、道場閉鎖!?”ということになっていた。
前3巻、女子高生2人と彼女らを取り巻く大人たちの生き方や言葉を通じて、人生の処し方について考えさせられてきたシリーズだったが、しかし、今回はなんかしっくりこないなぁ。
前半はこの間の経過を説明する件りだから止むを得ないところもあるが、ナレーションだけで進行しているドラマみたい。
早苗の結婚はともかく就職は安易だし、香織はそこまでバカだと駄目だろう。
何だか2人に6年分の成長を伺えないような気がして、これまで抱いていた2人に対する気持ちが萎える。
沢谷さんとのシカケとオサメの稽古や沢谷さんの友人のジェフが登場してもあまり物語は動かず、最後までなだれ込む。
本筋とは全く関係ないけど、早苗の履修に託けて第二次世界大戦前後の歴史観についてわざわざ述べたのは何なんだろう。
留学生を説明するのに『ちょっと日本語のイントネーションに癖がある』というのもどうかと思った。
ジェフが来る前の早苗の言い草も酷いし、早苗は『外国の人って、けっこう苦手』と言っていたが、そう言われると前の巻でもそういうところがあったかなぁ。
最後までちょくちょくと歴史観についての議論が出てきたりして、何だか興醒め。
そんなこんな合わせて、正直言って、かなり残念。
私の中では、このシリーズは前の3巻で終っていて、この巻は無かったことにしたいと思う。
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早苗は急にどうした!?
本当に社会人なのか!?
そんな子だったの??
……と思ったけどそもそも登場人物みんなエキセントリックでしたね
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早苗が結婚。 香織は就職できず、道場で師範代。
そこに早苗の旦那の充也からシカケとカエシの技を伝授。
最終的に道場に残れるようになったようだが、その過程で現れたアメリカ人のジェフから求婚され、まあ、ハッピーエンドか。
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誉田哲也作品でも大好きなシリーズのひとつ。
やっぱりめちゃめちゃ面白かった!
そして、泣けたー!一気読み必至!
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香織と早苗の高校三年間を描いた武士道シリーズの続編で、全三作同様の面白さ。香織がちゃんと大人の女性になっているところが驚き。
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誉田哲也の武士道ジェネレーションを読みました。
女子剣道をテーマにした武士道シックスティーンシリーズの最新刊です。
今巻の冒頭では早苗の結婚披露宴が描かれます。
早苗の相手は桐谷道場の師範代の沢谷充也です。
ところが、桐谷玄明先生が体調を崩してしまったため、桐谷道場は閉鎖の危機に瀕してしまいます。
香織は桐谷道場の存続のために桐谷流の奥義を修得しようとします。
香織と早苗にまた物語で会えたというのは至福の時間でした。
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誉田哲也の武士道サーガ、第四弾。
前作「~エイティーン」から6年後、結婚した!早苗と、相変わらず剣道に明け暮れる香織のその後と、桐谷道場の存続と後継者問題を絡め、ハイテンション&ドラマティック&スピーディに描いています。
今回も、ちょっと泣きそうな場面が多々あり・・・
(前作「~エイティーン」では泣きながら読んだ!)
面が「ンメアァァーッ!」籠手が「カテェイアァァ~ッ!」って感じの、独特な擬音表現もイイ感じです(^_^;)
これ、完結編?? とっても続きが読みたいです!!
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面白かった!
大好きなシリーズなので、まだ続きが読みたいけど、
今回はシリーズの全体的な部分の話がすとんってまとまってる感じがした。読んでてすごくワクワクして、読み終わるとなるほどって納得して、
でももう終わりなのかなぁと思うと、寂しくなった。
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二人のヒロインが高校生であった時代は終わり、
それぞれの将来が見える第4巻。
この巻全体の構成が、
早苗が最初に盛り上げ、
香織が最後に締める、という印象をうけた。
これまでの巻における伏線が一通り回収され、
剣道のプレイヤーを卒業した早苗は本格的な大和撫子属性を強化し、
プレイヤーに特化した香織は、常識的な剣道とは異なる道を邁進する。
続巻があるとしたら、
それこそ次世代が主役かな?と思う位、
ヒロインたちは自分達の道を確立できたのだと感じた。
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武士道シリーズ完結していたと思っていたら偶然本屋で見かけてびっくり、出てることを知らなかった。
三部読んだのがずいぶん前で思い出しながら読んだけど香織も早苗も「あー、こんな感じだった」って蘇ってくる。
学生時代の青春小説が強かったイメージだったエイティーンまでが今作では二人ともい大人に、香織はさらに求道者ぶりがパワーアップ。
4作通じて書き留めたくなるような言葉がたくさんある。
誉田哲也はこのシリーズしか読めないんだけど好きだなー。
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久しぶりの武士道シリーズ。
大人になった香織と早苗。相変わらずの、でも少し大人になった?感じのやりとりが楽しめた。
これで最終章かな?もっと大人になった二人も読む日がくるかな?
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武士道シリーズ最新作。であり、本当の最終作でしょうか。香織と早苗の高校卒業後を描いた作品。
結婚あり、就職あり、道場の跡取り問題あり。
今回も2人の視点から描かれていくドラマが面白い。
このシリーズを読み始めたころは、早苗に感情移入していましたが、作品を読み続けるうちに、香織の一筋というか真摯な姿にすごく好感が持てるようになりました。
これで最終巻だと思うとすごく寂しいです。