紙の本
消えていく宿命
2020/07/04 18:15
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
石炭を掘る孤独な主人公と、パン屋や灯台男との会話に味わいがあります。今では貴重な活版印刷とグムンド社の表紙で装丁された、初版本を手に取ってみたいです。
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世田谷文学館から買いました。Amazonで近々発売されるそうですね。世田谷文学館で購入したものは、活版印刷で、とても味があります。
物語は、とても静かに、切なさをはらみ、吉田篤弘ワールドです。
読み終わった後、数時間してから思い出して、涙が止まらなくなりました。
こんな本には、これまで出会ったことがありませんでした。
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「もうほとんど何もかも終えてしまったんじゃないかと僕は思う。」
書きかけのまま出版しました、と著者はあとがきで述べている。
たくさん本を読んできたけど、お話の完結というのは難しい。ああ、終わったな。と思うこともあるけど、人生は続くとか地球は回り続けるとか言いたくなることもあるし、
待っていた続きもあれば、待ってなかった続きが出てくることもある。
このお話はこれで終わりでいいのだろうか、
その気持ちに寄り添えたら…それでいいのかもしれない。
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結びがない物語は置いてけぼりにされたような気がして不安になる。
しかし吉田篤弘の作品は何も知らないのにその先を知っているかのような安心感に包まれたままに終わる。
そこがすごく好きだ。
『おるもすと』はいつも以上にそのことを強く感じた。
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「おるもすと」本編のお話もさることながら、活版印刷で本を作ったときの話しを含む「つづき」も良かった。オリジナルの世田谷文学館刊の活版印刷の本、いつかどこかで拝見したいです。
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あ~、やっぱりいつもの篤弘さんだ、と思いつつも、ちょっと違うかなと言う思い。エッセイ込みでのもあるけれど篤弘さんらしい「退廃」が感じられる。よくよく読めば初期の作品?らしい。
と言うことは今に近い篤弘さんの本の方が私は好きだ。延びがみられる作家さんなんだと今更ながら嬉しく思えた。
今後の著作にますます期待が持てる!
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タイトルの通り「ほとんど」をテーマにというか「ほとんど」のことを僕が描く小説。
作者によると十二年間ずっと書きつづけてきたとも言え、十二年間ずっと書けなかったとも言える作品とのこと。
人の人生と言うか、人は生きていく中でいろいろ達成したりいなかったり、それも基本は「ほとんど」ということなんだろうな。
すらすらと読めてあっさりと終わるのだけど、後で思い返すと深く考えさせられるという、何か心に残る作品。
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デブのパン屋さんの分からなかったお話と「オルモスト」が気になります.そして何より初版の活版印刷の「オルモスト」を手に取ってみたいです.
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2019.1.15読了。
宮沢賢治風メルヒェン。
あとがきのような二編の「つづき」の方が本編より面白い。
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トークイベントで話していた人の感想に興味を惹かれたので読んでみました。不思議なアニメーションフィルムをみているような小説でした。好きな空気感。行き過ぎると偽物ぽく感じそうなものだけど、バランスの取れるぎりぎりに立っている
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持っているのは世田谷文学館版だが、検索で出てこないのでこちらで登録した。
吉田先生にしては酷く静かな物語。美しい描写や出来事がある訳ではないのに、とても澄んでいる印象を残す。
好みである。
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本編と、この本「おるもすと」についてのエッセイとあとがきのボリュームが同じくらいの本。
「おるもすと」が世田谷文学館の記念誌として活版印刷されたことが書かれていた。
が、私が気になったのは、それができる唯一の印刷所がある雑司が谷の鬼子母神について。
「きしもじん」と読み仮名がふられていたが、地元の人たちは「きしぼじん」と発音していたはず。
私が生まれた場所なので。
そこで調べてみたところ、正式名称は「きしもじん」だが、都電の駅の呼称は「きしぼじん」になっているとのこと。
本と関係ないところで、なんかほっとした。
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未完作品の魅力。
終わらない物語。
墓地を見下ろす崖の上に住む男の、静かな生活。
「おるもすと」本編は半分くらい。
あとは吉田さんのエッセイになっています。
特別付録もあって、それもまた短い物語なのですが、灯台で余生を暮らす女性の素敵な作品でした。
わたしが読んだのは講談社版ですが、全てのページ、表紙、帯にいたるまで活版で印刷されたという世田谷文学館版も手にとってみたい。
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世田谷文学館版も合わせながら。
終わらない物語の楽しさ。読み手側でもそういうのはあるよなぁ。。
書き出しの文章がありながら、「終わらない」というのもよい。
あと。パン食べたい。。。
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吉田篤弘の真骨頂とも言うべき、何処かの片隅で何も起こらない日常の話。でも自分は凄く共感できる。図書館帰りの孤独と愉しみがひとつになった思い。自分もそういうものが積み重なっていると感じた。活版印刷バージョン、見てみたかった、、、