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【あらすじ】
館で待つのは、絶望か、祈りか。
天才数学者が仕掛ける究極の罠!
訪れた者を次々と死に誘う狂気の館、教会堂。
失踪した部下を追い、警察庁キャリアの司は館に足を踏み入れる。そこで待ち受けていたのは、水死・焼死・窒息死などを引き起こす数多の死の罠! 司の足跡をたどり、妹の百合子もまた館に向かう。
死のゲームと、天才数学者が求める極限の問いに、唯一解はあるのか!?
【感想】
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既刊を全部大人買いしたので、シリーズ纏めて。
最初は正統派のミステリとして始まり(実はノベルズ版でデビュー作自体は読んでいた)、最新刊でかなり表情を変える。シリーズ第1作が、強烈な個性派が多いメフィスト賞にしてはかなり正統派で、そのイメージしか無かったので驚いた。
あと、森博嗣との共通点に言及されることが多いが、周木律の方が人間っぽい気がするな〜。
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周木自身が「あとがき」で書いているように、さながら「ゼロ」を掛け算するがごとくの性急さに驚いた。
オイラー式、ゲーム理論、リーマン予想などのタームが散りばめられているが、それが「館」の構造と、どのような同型関係にあるのかが、さっぱり読み取れなかったのだが。。
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毛色がだいぶ変わってしまった堂シリーズ後半の第5作目。
輪廻が回る堂。
人を殺すためだけに建てられた堂。
シリーズとしても色々と180度回ってしまった。
どこへ向かっているのか。
どこに帰結していくのか。
あと2作。
十和田はいったい何を考えているのか……。
二人の姉妹の行く末には何が……。
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建物自体が人を殺す仕組み…恐ろしい。ゲーム理論やナッシュ均衡はなんとなく覚えていたけど、まさかミステリで出会うとは。
これからの物語もかなり気になる。前作に並ぶくらい本作でも驚きの展開だったので、次回作もすぐ読みたい。
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■館で待つのは、絶望か、祈りか。天才数学者が仕掛ける究極の罠!
訪れた者を次々と死に誘う狂気の館、教会堂。失踪した部下を追い、警察庁キャリアの司は館に足を踏み入れる。そこで待ち受けていたのは、水死・焼死・窒息死などを引き起こす数多の死の罠! 司の足跡をたどり、妹の百合子もまた館に向かう。死のゲームと、天才数学者が求める極限の問いに、唯一解はあるのか!?
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この展開自体がびっくりだった。
純粋に館シリーズとして1作目読んで面白かったけど、いまはこのシリーズの収束点の方が気になる…。
こんな館に閉じ込められたら、正直出られる人なんているのかどうか。
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○ 総合評価
今作は,これまでの4作とは,かなりテイストが変わった作品になっている。本格ミステリ要素は無く,いわゆる「デスゲーム」をテーマにした小説になっている。
ゲーム理論を扱っており,舞台となる教会堂は,訪れた人を閉じ込め,次に訪れる人を殺すか,自分を殺すかの二者択一を迫る。教会堂が持つ「回転」は輪廻。次から次へと訪れた人が死んでいく。
教会堂を訪れた小角田という数学者,脇という記者(この2名は,前作,伽藍堂の殺人にも登場),船生警部補,毒島,宮司司は,教会堂の輪廻にはまり,二者択一で自分の死を選択して死亡する。
善知鳥神と宮司百合子は死を免れる。教会堂があるY山は活火山。そのY山には間欠泉があり,午後2時から数分の間は,二人とも助かることができる時間がある。宮司百合子は,宮司司が残した時計のアラームを手掛かりとして生還する。
後付けの設定のようにも思われるが,教会堂の殺人でいくつかの設定がはっきりする。十和田只人は,かつて藤衛に師事しており,藤衛に捨てられたと思ったことから,世界の放浪を始めていた。十和田は只人は,藤衛から「すべてを与えよう」と言われ,忠誠を誓う。
宮司司が死亡する。あとがきによると,この展開は不可欠だったとのことだが,少なくとも教会堂の殺人だけを読む限りでは不可欠だとは思えず。シリーズものの1作として必要な展開だとすれば,教会堂の殺人だけでは評価できないが,シリーズもので主要な登場人物を安易に殺すのは禁じ手のようなもの。簡単にサプライズとインパクトを出すことができるが,安易に使うとやすっぽくなってしまう。
これまでの4作は,文章が稚拙でキャラクターが立っていないという欠点はあるものの,ダイナミックなトリックが仕掛けられた本格ミステリではあった。しかし,教会堂の殺人は,本格ミステリではなく,デスゲーム小説。それも知的ゲームですらない。単に主要人物が死んでいるという点でサプライズを出しているだけの作品となってしまっている。
シリーズの1作として見れば,主要キャラである宮司司の死亡と,藤衛と十和田只人の関係をはっきりさせるという意味がある作品。善知鳥神と宮司百合子の関係も改善される。シリーズの1作として大きく意味がある1作。起承転結でいうと「転」の後の作品として物語を大きく進めている。
しかし,単独の作品として読むと,知的なやり取りもなく,トリックもない。ゲーム理論についてのうんちくはあるが,浅い。それほど楽しめない。シリーズの1作としての価値を含めてギリギリ★3で。
○ サプライズ ★★★☆☆
シリーズの主要キャラクターである宮司司が死ぬ。その展開にはサプライズがある。しかし,この作品単体で見るとトリックもなければ,犯人もなし。サプライズとしては★3程度に落ち着くか。
○ 熱中度 ★★☆☆☆
これほど淡々と進むデスゲーム小説も珍しい。サスペンス感は浅く,熱中度はそれほどでもない。
○ インパクト ★★★★☆
シリーズの主要キャラクターである宮司司が死ぬという点はサプライズはそこまでではないが,イン��クトはある。シリーズの中で,この作品だけ本格ミステリですらないという点も,いい意味でも,悪い意味でもインパクトはある。
○ キャラクター ★★☆☆☆
新たな登場人物はなし。個々のキャラクターと,キャラクターとキャラクターの関係を掘り下げている。しかし,浅い。シリーズの主要キャラクターである宮司司が死んでも,あまり衝撃はない。藤衛もどんな人物か見えてこないし,十和田只人のキャラクターはぶれており,魅力を失っている。善知鳥神と宮司百合子は主人公的な位置になっているが,これもキャラクターがややぶれている。
○ 読後感 ★★★☆☆
シリーズの主要な登場人物である宮司司が死んでいるにもかかわらず,あまり悲しくない。シリーズの途中の作品なので仕方ない部分があるが,終わった感じがなくちゅうぶらりん。読後感は良くも悪くもない。
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この「堂」シリーズは、7作完結らしいが前作から物語が大きく大きく動きだしここまで読んだ5冊がまるで一冊の大長編ミステリーを読んだ読後感。
なんだか既にクライマックス感があるが、更に面白くなるのかと思うと楽しみでしようがない。
ここから、少しネタバレ。
ただ、久しぶりに本読んで泣きました。ラストは半ば予想していた展開とはいえ辛すぎる。本物以上の兄妹であり、お父さんのようでもあったな、と、
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眼球堂の後に読んだのは失敗だったかも…
でも、堂シリーズって、なかなか古本屋さんの棚に並ばないのですよね(普通に本屋さんで買えばいいだけなのですが…)
これを推理小説と言っていいのか分かりませんが、このトリックは想像もつきませんでした
まあ、誰をという目的をもっていないので異質ですよね…ネタバレになるので、これ以上は書きませんが、最近、このような作品にときどき会いますね
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この物語は先に進むほど面白くなる。
数学の部分は複雑だけど、読んで理解しようとすると面白くなる。
今回の話のラストは衝撃的だった。
まさかこんな事になるなんて...
あと、上毛かるた(群馬県民はみんな知ってます)に出てくる「和算の大家 関孝和」の件があったが、こんなすごい人だなんて知らなかった。
あと2冊、楽しみです。
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本作が物語に与えた衝撃は非常に大きい。
しかし、簡単に主要人物が死にすぎな気もする。
特に毒島や船生が死ぬべきだったかは疑問。
トリック云々よりもただただデスゲーム的な変化球といった印象。正直がっかりした、というのが本音だが、物語として収束に向かっていることを肌で感じる。次作に期待しながら手を伸ばす。