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上下巻纏めて。
『マッドアダム』三部作の第2部。
第1部である『オリクスとクレイク』は早川書房から出て、第2部である本書は岩波書店から出た……ということで、第3部はどうなるのか非常〜に不安ではあるのだが(岩波がそのまま出してくれればいいのだが、どうも怪しい)、そういう『大人の事情』は兎も角として、内容は面白かった。
著者本人はこの三部作をSFとして需要されることも、単純なディストピア小説として需要されることも、余り望んでいないようなことが、訳者あとがきには書いてあるのだが、上質のSFであることは間違いない。
(しかし訳者あとがきにあるアトウッドの発言が本当なら、彼女の〝SF観〟というのは随分と古臭いと言わざるを得ない。タイムマシンや異星人だけがSFだ、なんてことを大真面目に言ったら、現代では失笑を買うのがオチである)
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上下巻の下にしてはスッキリしない終わり方。自分が時間を開けて読んだので、人物達1人1人の把握ができなかった。洪水という名のバイオテロもいつの間にか起きてた。荒廃は前からだし、未来の未知の動物や食品に想像力がわかなかった。しかし動いている人間は紛れもなく現代人と同じ生活様式、能力を持っていて、後書き読んでわかったが、現代のテクノロジーに依存している生き方を今一度考えて欲しいという意図が、このように静かで凶暴な世界を物語として読者に届けている形のよう。最後に繁殖期の存在する人間が出てくる。
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実はこの本を読んでいたときは内容があんまりピンときていなかったんだが。
最近、世界情勢や環境問題について知る機会が増え、この本の意味するところが分かってきた気がする。
洪水は人間が引き起こしたが、その人間は数多ある生物の一種に過ぎない…
私たちは無意識に生態系のピラミッドの頂点に人間を置いてはいないか?または人間を中心に地球を捉えてはいないか?
地球の意に沿わない資本主義や過剰生産が廃退した時、それらは人間共々一掃され、新たな生命が生まれる。
そこに何を見るだろう?
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なんか、テイストとしては好きなんだけど、あと一つ物足りない。ラストに何かインパクトのあることが起こればなぁ〜