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ストリートファッション(メンズ)の歴史。
1935年から2015年まで。
ストリートファッションの歴史は、ポップミュージックと密接な関係にあるということが改めて分かった。
今でも巷で見られるストリートファッションがどのような経緯で生まれてきたかがわかる。
全部で31の章(SWINGING KIDS & ZAZOUS
から始まり、HIPSTERで終わる)で構成されているが、すべての章が面白い。
印象に残ったのは以下
・アメリカのBIKERS & ROCKERS、第二次世界大戦帰りの元兵士たちが戦争からの社会復帰ができかねて、荒れていた時代。それまでドレスアップがおしゃれだったのに、初めてドレスダウンすることがおしゃれになった。
・黒人の間で流行る服装がルーズなのは(古くはズートスーツから、ソウルボーイズのバギーパンツなど)、踊りやすく、動きやすいから。言われてみると当然なのだけど、あまりわかっていなかった。
・イギリスとアメリカで康応しているファッションがあるが、イギリスは第二次世界大戦後の借金、サッチャー政権時代は保守主義のせいで、ワーキングクラスはお金がなく貧乏。それに対してアメリカはわりと豊か。という違いで、ファッションアイテムにも違いがでてくること。
などなど。
今のストリートファッションは色々なジャンルのミックスになっているんだなと。
サブカルチャーだったもの(ストリートファッションなど)がハイカルチャー(高級ブランド)に取り上げられるのは、現代アートと同じだなと思いました。
音楽面での記述については知らないジャンルはなかったけど、改めてファッション面から、ポップミュージックの歴史を眺めるのは、雰囲気つかめて良いなと感じました。
ファッションよりも音楽ジャンルの説明の文章の方が長いものもちらほら。筆者の音楽への思いが深いことに共鳴します。
音楽観点だと、以下が気になりました。
・グランジというジャンルが、ファッション業界からの命名(GRUNGY=薄汚く、醜い)から始まったというのも知らなかった。確かにNirvanaやParlJamが紹介されていた初期はオルタナと紹介されていてグランジって言葉なかったもんなー。
・モッズとスキンヘッズの抗争、ローリングストーンズのコンサート、オルタモントの悲劇のヘルスエンジェルスなど、ロック史においても有名な事項が次々にでてきて、そのファッションが語られる。ファッションについても知ると、その頃の雰囲気がよく分かる。
・ヴィヴィアンウィエストウッドとマルコムマクラーレンの成功譚はある程度は知っていたけど、改めて読むとより面白い。
・ヒッピーへの反動からのグラムが誕生したことの説得力。ファッションを考えるとわかる。
あと、マークボランはモッズ→ヒッピー→グラムとミーハーにたどっていたんですね。(グラムは自ら生み出したんだけど)
・ハードコアパンクの服装がマッドマックスに影響受けているとは。逆だと思っていた。
あと、最後にイラストについて。
この本のイラストが矢沢あいなんだけど、少女マンガ表現なので、体の細いのかわいらしい男子が多くて、すとおりーとファッションなので、もう少し骨太な感じが個人的には良かったかな。
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ストリートファッションの歴史が、それぞれのスタイルごとに分かりやすくまとめられている。音楽やライフスタイルとの密接な関係があるので、文化史として読んでも面白い。
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本当に面白かった!歴史とストリートファッションはこうやって繋がっているんだな〜と驚きの連続です。
特にビートやヒッピーについては個人的に興味深いキーワードとの関連が見えて本当に勉強になりました。
やはりファッションは強烈な自己主張だなと。時代の空気感や若者の社会に対する抵抗が反映されていることを知り、もっと歴史を学びたくなりました。本の中で紹介されていた映画や音楽に触れたいと思います。
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モッズ、スキンヘッズ、グラム、パンクス。興味あるファッションたちと密接に関わる音楽の話しも交えながら歴史を体験する時間旅行。非常に楽しめた。他にも知らなかったスイングジャズやズーディーズなど色々なストリートの歴史を学ぶことができた。また、それらを理解するための補足として、さまざまな映画も紹介してくれるのも良い。著者の説明も非常に論理的であり、分かりやすい。また、挿絵もとても魅力的だった。
モッズキーワードの如く、
クール、スマート、スリム、シャープ、シンプル。
に生きたいものだ。