紙の本
さすがわお仕事小説の津村さん
2021/07/10 17:19
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公がMSWだというところにまで、何らかの意味を受け取ってしまう。短期間で転職しようとも、決して仕事ができない人でないことは、1話目を読めばすぐにわかる。働くにあたって、こなさなければならないことは仕事だけではないのだ。少なくとも自分の生活、職場の人間関係、そして与えられた仕事を同時に処理しなければならない。転職をしやすくなった世の流れは間違っていないと思う。ただ、軽い気持ちで乗り切れるお仕事はそうそうないことは肝に銘じておく必要がある。
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タイトルが良い
2020/07/05 18:12
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに引かれて購入しましたが、おもしろいです。どうしてこのような仕事を考えつくのか、主人公ももう少し辛抱すればいいと思うけれども。
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まさに「この世にたやすい仕事はない」だと思う
2022/09/06 11:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
となりの芝生は青く見えるというが、まさに「この世にたやすい仕事はない」だと思う、監視カメラで他人を監視する仕、バスの広告放送をする仕事、おかきの裏の一口メモを考える仕事、ポスターを張り替える仕事、大きな公園の管理をする仕事、この本に登場する仕事はよく考えてみたら誰かが確かにやっているんだろうなと気が付く、お菓子の裏に書いてある一口メモなんかでも、これ考えた人センスあるなあと感心するものもある、こういう仕事面白そうだなあと思うこともある、でもどんな職場でも嫌な上司、同僚が少なくても存在する、よくよく考えたら元の職場だって別に辞めなくてもよかったかもと思ってしまうことも、自分のキャリアを無駄にしている可能性のある人に絶対読んでほしい本
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ぬるゆると主人公の仕事の日常が進んでゆくので、わたしもゆるゆると読んでいたら、すっかり時間がかかってしまいました。でも、真ん中あたりからは一気読み!最終章で、この作品の素晴らしさが一気にあふれ出します。
主人公は、とても真面目で、だからどんな仕事を任されても、一生懸命になりすぎてのめり込んでしまうんだ。わたしにも同様の素質があるなーなんて思いながら読み進めました。
仕事をする上で感じる細かな感情が表現されていて、それにとても救われました。そして、これまで自分がしてきた仕事や、置かれた環境の中で、とても頑張ってきたんだなーと、自分を労ってあげることができました。
自分自身が今転職を考えているからこそ手にとった本。読みながらずーっと、主人公がどんな仕事に燃え尽きてしまったのかと考えていたのですが、まさかの同じ資格を有する人でした。わたしも少し前に休職して、異動して、今はそこも退職しようとしている身。こんなに転々としていて大丈夫だろうかと主人公同様に思うけれども、まずは自分の心身を大切にしないと、また同じことが起こる、だから今の自分の選択を信じてあげようと思います。最後の、箱田さんの言葉「本筋の仕事でなんかあって公園に来た人みたいやったけど、この仕事で、まあ働けんねやな、と思って、そんでまた自分の仕事に戻ってったらええやん」には、救われました。ずっと逃げていたいわけじゃない、ずっと目を逸らしていたいわけじゃない、ただ、今は疲れていて、でもいつかは本筋へ戻りたい、という今のわたしの心境に、背中を押してもらえた感じがして。
帯で、伊坂先生が絶賛していて、例えば:何気ない会話、特に新しい職場に行った時の業務の説明が伏線となっていて、物語が動く時にその伏線が活かされ、ラストでキレイに回収される様は伊坂作品に通づるものがあるなと、そんな風に思いました。『とにかくうちに帰ります』も、読んでみようと思います◎
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前職をバーンアウトし、5つの仕事を転々とする「私」のおはなし。
最後に「私」が社会福祉士をバーンアウトしてたことがわかる。
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津村記久子は、普通の仕事人間の妙なリアルさ、切実さ、あきらめきれない平凡な毎日を描くのが本当に上手いと思う。
主人公は様々な仕事においてとても優秀な成果を出してるんじゃないか?というところが少し引っかかるが、自分のしている仕事も他人のしている仕事も、自分が選ばなかった仕事も、これから選びたいと思っている仕事も、どんな仕事にも「たやすい」ということだけはないんだな、と感じられた。それは仕事によって「たやすさ」が決まるのではなくて、自分が働くということへの向き合い方で決まるものだからなのだと思う。
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ほんとうにこんな仕事あるの?!というワクワク感と、そうだな、色々あるけど頑張んなきゃなぁ、っていう明るい諦めの気持ちと、いろんなものを受け取った。面白い本だと思うし、江里口さんはすごい。
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ずっと気になってましたが、文庫になってて思わず購入。
おもしろかった!
前職で燃え付き症候群になった主人公が、リハビリのように仕事を始めるところから物語は始まります。
動かなくても、単純な作業でも、やはり人の頭は何かを考えずにはいられないのかも、と思いました。
物語は、「ちょっと不思議」「ちょっと奇妙」なことが織り込まれており、少し怖い感じもしました。苦笑
びみょーにぞわっと、はらはらっとする感じです。
色んな人がいて、色んな仕事があって、
私は私でいまの仕事に発狂しそうになるときがあるから、
なんか妙に共感してしまうところもありました。
たまに、すっと心に入り込んでくるような言葉が入ってます。
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なんて気だるい文書なんだろうと、モンモンとした。
途中で読むのをやめようかなと思ったけど、
人のレビュー見て、最後まで目が離せないってあったので、頑張って最後まで読んだけど、
早い段階でロスカットしときゃよかったという読了感。
わたしには何も残りませんでした。
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こんなお仕事本当にあるの?一生懸命とか真面目つて素晴らしい。 もしかしてコレってミステリーだったりする。
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面白かった!期待してた通り、読みやすいし、転職を繰り返すという本来なら暗くなるような話なはずなのに、明るい未来が見える。
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十数年勤めた会社を退職してしまった主人公は、次々に風変わりな仕事を紹介されることになる。
紹介される仕事は、
・小説家の監視業務
・バスで流れる音声広告の作成
・お菓子のパッケージに印字する豆知識の選定
・民家へのポスター貼りのお願い
・森林公園内の小屋での常駐作業
といったもので、それぞれが1つの章となり、まるで短編小説のような形式となっている。
仕事の描写は仔細で、没入感を持てた。
それでいて、登場人物にはどこか不思議で淡白な雰囲気がある。
単なる仕事小説に留まらずに済んでいるのは、この両者の塩梅が良いからかもしれない。
非現実の世界に読者を誘うような、独特の雰囲気を持つ小説だった。
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30歳代半ばの主婦が契約社員として5つの仕事を経験する。その中で起こった出来事をユーモラスに描いた短編・連作集。正直なところ、どれもこんな仕事があるの?というユニークなもの。小説家の監視など、個人的人権無視で許されるのか!と思うが、ここで監視されている女性作家・山本山江というのはもしかして著者自身を諧謔的に書いたものか。バスの中での音声広告の作成は江里口さんという若い女性が不思議な魅力を感じさせてくれる。彼女がまた他の仕事でも出会うという重要な役回りだ。この他は、お菓子のパッケージに印字する豆知識の選定、民家へのポスター貼りのお願い、森林公園内の小屋での常駐作業
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意外とおもしろかったー!主人公が勤め先できちんと自分のやるべきことを責任を持ってやっている姿に好感が持てた。巡り巡って元の職種にたどり着いたところも縁なのかなぁと思った。
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本作の雰囲気をざっくりと説明するならば、主人公が発達障害ではない『コンビニ人間』で、段落と読点のある『わたくし率 イン 歯ー、または世界』。
「面白くなかった」と言って友だちが貸してくれました。読み始めてなるほど。その友だちは男性だというのもあるような。序盤は映画や俳優の話がよく出てきて、そこも普通はわからんだろと思ったりも。女であり、映画が好きな私には結構ツボで、ニヤニヤしながら読みました。何の説明もなくアシュトン・カッチャーやらハビエル・バルデムの名前を出されても、知らなければ意味不明でしょう。
前職でメンタルをやられたらしい主人公が短期の派遣で経験する5つの仕事。「職場の人間は、シチュエーションに応じて悪人になるので、常に悪い人というのもいない」という一文になるほどそうかも。「お疲れだね。期待してるよ」、そんな相反することを言う人も結構いそうで苦笑い。
癒えるまでの繋ぎに過ぎない仕事かと思いきや、なんだかんだでいろいろ考えて取り組むようになっている主人公。こんな仕事が現実にはそうそうあると思えないけれど、自分に照らし合わせて知らず知らずのうちに背中を押してもらっている。そんな気がしました。