紙の本
膨張宇宙の大きさに、読んでいて妙に納得させられる入門書
2023/10/24 22:28
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投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「宇宙についてわかっていないことについて書いている」本だと著者が冒頭正直に記す。今はわからなくても好い、いつか解る時が来る、そんな風に泰然自若に構えられたらいいのにと願いつつ、読み進める。
8頁の「宇宙パイチャート」から、人類の把握している物質が「たった5%」だけで、残りは「ダークマター27%」と「ダークエネルギー68%」と呼ばれる未知(謎)の物質で宇宙が構成されている事実を突き付けられる。
「たった5%」の事実をもって宇宙全体をわかった気でいる方がどうかしている、と著者は言いたいのだろうか。極めて誠実な態度だ。でも、「たった5%」とは言えその解明は、先人の叡智と汗と血の滲む努力の賜物。未知なるが故に知りたい探り当てたいとの好奇心や探求心が人類を衝き動かしたことの裏返しだ。人類は、これからもそうあり続けるに違いない。
既知と未知の物質比率が、「5:27:68」だと判っているのが凄い。13頁(棒グラフ)、31頁(積層グラフ)、43頁(「パイ」文字チャート)と形を変えて何度も登場するので、シミュレーションを通じて検証されたこの割合がとても重要な意味をもつ。
本書は、「E=mc2」という質量とエネルギーとの可変相関を示す相対性理論の公式と、交信可能な地球外生命を推量する「ドレイク方程式」しか数式が現われない。素粒子の相互作用や時空間という抽象的概念も、イラストが視覚的に教えてくれる。アメリカンジョークの話題に振り回される点はご愛敬か。
蒙を啓かれること請け合いだ。「ネバネバ空間」は超知覚的で奇抜な発想だし、観測可能な宇宙の大きさが「宇宙年齢」×「光の速さ」=138億光年に止まらず、ビッグバンによる宇宙空間の膨張(インフレーション)スピードを加算した「約465億光年」だとの指摘に唸らされる。
時空間、物質・反物質、ダークマター、ダークエネルギーなどを誕生させた光速超えの禁じ手により、加速し続ける膨張宇宙って奴は一体、この先どうなるのか、どうなるつもりやら、皆目わからんことだらけ。そんな宇宙の大きさに、読んでいて妙に納得させられる入門書だ。
電子書籍
分からないことを知ることができます。
2019/09/29 13:39
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投稿者:KazT - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙や物理学に関して何が分かっていて、何が分かってないか、素人に分かりやすく軽妙な語り口で説明してます。宇宙の95%が何でできているか分からない、物質を作る最も小さいものが何かは分からない、重力はなぜものすごく弱いのか、光の速さよりなぜ速く動けないのかなど、分かっていないことをはっきり解説してくれます。
世の中、分からないものだらけだと、分かります。
紙の本
we have no idea
2023/03/20 22:24
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「宇宙についてどれだけわからないことが多いか?」、懇切丁寧に解説する一冊です。重力のわからなさ加減もまたおもしろい。論点も充実しており良い本と思いました。
紙の本
何がわかっていて、何がわからないのかよくわかる
2020/08/15 13:33
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投稿者:UMA1001 - この投稿者のレビュー一覧を見る
わかりやすく説明している。宇宙に興味がある方はには良い本だと思います。わからないことだらけだけど少しずつわかってきている、これからどんな発見があるか楽しみになります。
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著者の二人は世間で世界最高の先生と評されているらしい。
そんな二人が書いた、宇宙のことが今の人類には如何に解らないかという本。
宇宙の事で現在判っていることは僅か5%。
宇宙は現在もダークエネルギーによって加速的に広がっている。
そのエネルギーの正体は、手がかりすら全く無い状況。
そんななか、説明を読んでも、物理知識に欠ける私にすんなり理解できるはずも無く・・・
光がなぜ秒速3億kmで、それを超えられないのか。
物質の質量が原子レベルまでは細かくしても総量が変わらないが、中性子・クオーク・レプトンといった素粒子レベルまで分解したとたん、その質量の殆どが無くなってしまう事。
ビッグバン後のインフレーションでは光速を越える速さで空間が広がった事。
今一番人気の理論は弦理論で、宇宙は10か11個の次元があり、4次元以上はものすごく小さく丸まって私達には見えない。それが振動していて・・・???
ループ量子重力理論は、最も小さなレベルでは空間は量子化されていて、ループというそれ以上は分けられないもの(10マイナス35乗m)でできており、それが全ての物質や空間を作っている。この理論によれば宇宙は今後収縮し再びビックバンが起こりと繰り返される・・・???
上の二つの理論は、現在検証の方法すらないという・・・
現在は最も宇宙が見渡せる状況で、将来もっとスカスカで他の銀河など観測すら出来なくなるかも知れず、果たして人類に宇宙の謎が概ね理解できる時代はやってくるのだろうか。
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最近読んだ宇宙関連の本の中では一番わかりやすかったです。解明されている部分と未知の部分がクリアに記載されているのが良かった。昔から持っていた空間って何と言う疑問に少しだけ答えてくれた気がします。
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400ページを超える長編なのでかなり時間はかかります。
ただ、ほぼ毎ページにわたって挿絵があるので、楽しく読めます。
宇宙のことで何がわからないのか、どこまでわかっているのか、が物理学を全く勉強してない自分でも、かなり優しく説明されています。
「分からないことがわかること」の面白さを知っている人は、ぜひ読むことをお勧めします。
読み終えて、実生活に役立つかどうかは、ぜんぜんわかんないですが。
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狙い通りの「入口的な」本かと思います。
ただ最終章あたりが他の章とあんまりリンクしておらず、若干唐突感あり。微妙に煮詰まっていないかな?とも思えます。
もう一つ言うなら、入門書というか導きの本としては、少し長いかもしれない。厚さに敬遠するということはあり得ると思いますんで。
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私たちが知ってること、ではなく、私たちが知らないことの解説(?)本。
素粒子から宇宙の歴史まで、私たちが知ってることと知らないことをわかりやすく、そしてユーモアたっぷりに説明してくれて面白いです。(ついでに挿絵もかわいい。)
私は原著を読んだので、特にユーモアの部分が、上手く和訳されているのか?気になりますが・・・。
どうせ読むなら、是非原著で読んで欲しい!
kindleで簡単に洋書が手に入って、読める良い時代ですね。
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宇宙のことは5%しかわかってない。残りの95%を占めるダークマターやダークエネルギーは謎のまま。宇宙を膨張させる力が光速を超えているならば、観測できる宇宙限界の外は?素粒子も17種類まで見つかっているが、その先の基本粒子の存在は?人間が認知できる4次元を超える次元はあるのか、それは検証可能か?そもそも宇宙は何のためにあるのか、といった哲学的な問題まで、わからないことだらけ。この本では終始一貫してその謎を再提示することで、宇宙への理解の無力さを突きつける。ふざけた記述を重ねてわかり易さを狙っているが、煩わしく不要そのものに感じる。謎を追求したい人よりも追認したい人向きだろう。
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ダークエネルギーや、ダークマターなど
物理を全く学んだことの無い人間には
知らないことばかり。
しかし、観察によって、
「今は見えないけど、何かあるはず」と
推測して、実験方法や観察方法を
模索する、ものの考え方は
社会生活にも応用できそう。
脚注など
ちょいちょい挟まるボケも
楽しい。
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宇宙について人類がわかっていない事だらけ、専門的な内容を平易な文章と少しのユーモアを交えて書いてある本。
400ページもあり、知的好奇心をくすぐりながら書かれているので読みやすいが、宇宙に興味がないと、少し難解な本に見えてくるので、読むのがしんどくなると思う。
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かなりボリュームのある本ですがとても読みやすくてわかりやすいです。
数式などは殆ど使わないので読み物として楽しめる内容でイラストの入れ方が私のやり方と似ていてとても共感できる。
この本を読むと宇宙のことは全然わからないことがわかります。
そしてわからないことはとてもわくわくすることだということもわかります。
宇宙に興味のある方ならきっと面白く読めると思います。
とてもおすすめです。
宇宙の話って好きでよく読みますが
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物理学の公式が出てこないため、文系の読者でも楽しんで読むことが出来ると思います。
科学の力で、どこまで宇宙について理解できるのか、理解できないかを教えてくれます。
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人間がこの世の中についてわかっていない。95%はわかっていない。難しい数式や物理については書かれていないし、ボリューム満点なので単純に読み物として楽しめる一冊。
実際我々には解明されていない謎が多すぎる。実際に我々が利用しているものですら、どうしてそうなるのかわからず使用しているものもあるのが現状だ。それを「まだわかっていないことばかりなんて!情けない」と捉えるか「まだわからいことばかりか!解明したい!」と捉えるかは人それぞれかもしれない。
そこが面白いと感じる人は必ず読んだほうが良いと思います。ただ我々が生きているこの時代って個人的には非常に残念でもあります。科学が圧倒的に進歩している過程の初期の段階で、知っていることもあるけれど・・・という状態。これがあと500年後だったら・・・人生生きている間に少しでも謎が解明されることを祈っています