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投稿者：さやまん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

江島侑里子（えじま・ゆりこ）２８歳、職業弁護士。
その美貌とスタイル、そして男に食い物にされてトラブルや過ちを犯してしまった女性を積極的に擁護する弁護士として知られている。
しかし、積極的に誰かを守るということは、恨みを買うことにもつながる。
彼女によって、兄と仲間を刑務所に送られた（罪が重くなったと感じている）男が、研ぎ続けた復讐の牙をヒロインに突きたて、女性の擁護者を被害者へと堕としていくお話です。

まず狙われたのは、侑里子の友人である赤阪千聖（あかさか・ちさと）２７歳、新進の芸術家。
それに加えて、千聖の恋人は侑里子が所属している法律事務所の所長の息子であり、関係の深い間柄である。
千聖と恋人を監禁、恋人を救うために千聖に身体をささげさせ、一方で傷心の恋人に別の女をあてがって２人の仲を裂いていくくだりはおなじみの展開だが、安心感がある。
恋人同士だった２人が、奴隷と陵辱者の関係として向かい合い……そして、侑里子がおびき出されることになる。

友人の千聖、そして尊敬する法律事務所の所長の息子は、侑里子にとって弟のような存在だ。
馬鹿な選択と知りつつ、侑里子もまた……２人を救うために、男たちの要求に応じる。
無論、永遠に自分たちを監禁することができるはずがないと読みきった上で、警察へと駆け込む決意を固めているのだが。
しかし、すべてが明るみに出たら芸術家としての自分は死んでしまうと千聖にすがりつかれ、侑里子は自分が完全に絡めとられたことを悟るのだった。

弁護士から、奴隷娼婦に……それは、有里子が女性の擁護者から被害者へ堕ちたことにほかならない。

フィナーレは、かつて自分が刑務所に送った男との対面。
奴隷娼婦として、奉仕を強いられる立場。
羞恥、屈辱、おぞましさを抱えながら、調教された侑里子の身体は燃え上がっていく。
悪夢のような現実から目を背けるために、快楽にしがみつき……男の欲望を嚥下しながら彼女は被虐の絶頂へと導かれる……。


と、ヒロインは侑里子なんですが、千聖の出番が多い。
４００ページあまりのボリュームで、侑里子がおびき出されるのが１５０ページすぎで、その後も千聖のからみも多く、侑里子の描写が少ないように感じました。
好みの問題でしょうが、個人的には侑里子をじっくりねっとり責め堕とす描写が欲しかったかなと。
カップルを監禁して、メインターゲットを待ち構える構成は、ある意味ワンパターンではありますが、初期からのファンとしては安心してしまいます。