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大規模な調査の結果をベースに、「残業」について様々な角度から徹底的な考察を試みている。一貫した主張は「残業の問題は個人の意識ではなく組織・構造の問題である」ということ。企業の経営者・人事・マネージャ必読。いつもながら中原先生はアクティブ。小林祐児さんの文章もよかった。
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働き方改革が叫ばれて久しいですが、なかなか残業が減らないと、どの職場でも聞きます。
残業はそもそもなぜなくならないのか、長時間労働は習慣なのかなど、2万人を超える調査データから分析していきます。
今まで漠然としか分からなかった残業の実態が、解き明かされます。
もはや個人だけの取り組みでは、残業はなくならないでしょう。
そこには、組織の構造的な問題が含まれているからです。
相変わらず、さすがの分析です。
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前半部の日本の残業の現状整理は非常にわかりやすかったし、キーワードも学ぶことができたので、このキーワードを今後職場で活用すると良いと感じた。(残業麻痺など)
ただ、後半部のhowの部分については、あまりインスピレーションを得ることができなかった。
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日本で勤めている多くの人が共感するであろう内容。
残業対策の形骸化や、対策が逆に業務外労働を誘発したり、管理職が仕事を抱え込まざるを得なくなる現象など、まさにといった感じ。
また、自分も「残業麻痺」傾向になっていることに気付かされた。気を付けなければ。
対策の部分が少し弱い印象だが、仕方ない。
こういう施策を、粘り強く地道に浸透させていくしか無いのだろう。
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前半の残業発生のメカニズムの分析は本当にお見事でした。感服いたします。
ただ、メカニズムを知れば知るほど、どう対応していくのか暗澹たる気持ちになりました。
残業の根幹は長期雇用が前提となっている日本型雇用でしょう。
後半の解決編ではそこに十分切り込めていないように感じました。
いくら組織開発の手法を用いたとしても雇用制度が長期であれば、「ムラの掟」はそうそう変わらないのではないでしょうか。
提示された組織開発の手法・事例はどれも大変興味深いです。
しかしこのやり方が、最もブラックな残業があると思われる中小零細を救う道標になるかというと疑問です。
高スキルなマネージャーの出現に希望を託せる人材市場ではありません。
あるとすればドラスティックな外的要因が必要です。
何か大きな変化があって日本社会がジョブ型雇用に大きく舵を切ることになればこの残業の問題は解決すると思われます。
ただ、それを待つのは正しい態度でないこともわかります。
ではどうするか?
それならいっそ、「ハレの残業を取り戻す」が解なのではないか、と。
みんなが自主的に、目的意識を持って、見返りの大きい、価値ある残業をすること。
そのために必要なのはマネジメントでなくビジネスモデルの構築。
そう感じてしまった現場の人間です。
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2018年12月読了。
中原先生の本は大概読み切るのに時間がかかるが、本書は新書なのですぐに読み切れる。
働く時間も人も増やせないということを認めた上で経営しないと持続しませんよという話。
特に長時間労働を是正するのは経営のために必要なことと認識するのは何も人事部門だけでなくどんな部門にも求められることだと思う。
一冊の内容をパワポにまとめたら社内の説明会で使えそうな内容。
人事の方はもちろん、経営に関心のある方には是非一読をお勧めいたします。
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なぜ、残業しちゃうんだろう、というのをかなりシツコく論理的実証的に追い込んで分析している。でも結局結論は、視点を転換しよう、管理職がコミットメントしよう等などオーソドックスなところ。
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長時間労働是正について経営サイドが指揮をとってやることは勿論だが、その前に自社の残業体質がどこからきているのか適切に分析してそれに見合った施策をとることが肝要。その為には経営上層部やマネジャー層だけでなく、一般社員への意識付けが重要となる。そういった意味で経営者、上司層、一般社員全ての人に読んでもらいたい本。
ただし、自社がどういう状態にあるのか、今後にどう活かしていくのかデータ分析できる人材や機関が不足しているのも事実で、課題のひとつ。
また、ストレスや健康リスクは右肩上がりな一方、個人的に感じている幸福感は増しているという「残業麻痺」状態が個人的には最も恐ろしいと思った。身近にそういう人がいるからで、その人のために本書を手に取ったようなものだからだ。ところが残業で「忙しすぎて秋以降記憶が殆どない」というその人にこの本を勧めたところ、「読む時間がない」と言われた。
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日本企業の生産性の低さは残業に対する認識から来ていると思う。おもてなしは確かに高品質。しかし、自己満足でもある。また、雇用市場の流動性の低さを産む気がする。終身雇用は安定ではあるが、成長に対する動機を産まない。残業で生活費を賄える事、改めないと日本の没落は止まらない。
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年末年始に自身のマネジメントを振り返る目的で読みました。個人的には良書だと思います。
残業に対して、客観的に数字を用いたアプローチは十分な説得力があり、次のポイントを対話形式で書かれているため非常に読みやすかった。
・残業の根本的な原因を探求すること
・残業問題を解決した後に広がる将来や成果の希望を理解すること
ただ、解決策に関してはマネジメントに終始してる感が強く、少し残念でした。
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残業。なんとも嫌な響きである。
仕事をどう減らすのか?どう働き方を変えるのか?
そこにフォーカスしたのがこの本だ。
「転職の思考」でも書いてあったが、会社は自社でしか使えないスキルを身につけさせ、労働者の市場価値を低下させている。残業もこれに加担していると思う。
手段の目的化。働くのは何のためか?その最大の目的をもう一度考えるべきである。
身体を薬漬けにして、徹夜して得られた金は「仕合わせ」か?苦労の輝きは、一時的なものだ。
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残業したくない側、したい側、双方が読むべき本だと思う。施策はないが、学問としたことでフラットな意見を得られる良書。
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調査に基づく残業対策であることが大きい
●残業は集中・感染する
●残業時間を見える化
●コミットメントを高める(流行らせる)ため告知のオムニチャンネル化
●キーパーソンを味方にする
●業務の透明性
●コミュニケーションの透明性
●時間の透明性
などなるほどと思うことが多い。
一方現場に武器=ツールを渡すのはなかなか大変そうだなと思った
時々振り返って読むべき本
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残業とは、仕事ができない人や残業しないといけないという雰囲気でしていると思っていた。しかし、実際残業をしないと生活をできない層も少なからずいることがわかった。多分、感覚としてはこれが理由で残業している人は増加していると思う。なぜなら、所得が低い人が増加している印象があるためである。文化的に残業をしなければいけないことが一番強い理由である気もする。それは、経済的に理由で生活に困っていなくても出世や名誉という社会的ステータスのためという価値観である。これは、宗教的価値観を含みにくい日本ではなかなか変えていくことは難しいと思う。残業減らしたいなら、起業するか、早く自分が会社で権力の職に就いたほうがいいと思う。
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自分が働いている会社は、いわゆる裁量労働制、みなし残業で固定の残業代をもらうので、ずいぶん良い環境なんだなあと思ったけど、周りを見てみるとひどい残業する人(プロジェクト)と、そうでない人(プロジェクト)とあって、やっぱり残業は集中するものなんだなと実感したり。(ちなみに自分はほとんど残業しない)
大量生産大量消費の時代では、働けば働くほど会社が儲かったけど、今は個人個人の嗜好に合わせなければならないので、働くほど儲かるという時代でもない。というあたりはずいぶん納得した。出来ない人はいくら時間をかけても出来ないので、残業する意味はないのだと思う。
成果が出なかった時に、残業しなかった人より残業した人の方が評価される「努力信仰」
残業が月60時間を超えるとなぜか幸福感が増す「残業麻痺」
これらはやばい。昭和の価値観滅びろ。
気になったところ引用。
> 残念ながら、人は「経験」を積み重ねるだけでは成長できません。「経験」したことについてのフィードバックを受け、振り返りを行って、次の行動に活かしていくことが「未来」に向けた学びとなります。
> 個人のスキルアップや効率化の努力は、一時的には残業時間を減らすことにつながるものの、長期的に見ると、むしろ残業時間を増やしかねないのです。
(できる人に仕事が集中するから)
> ではなぜ、「長時間残業体質」上司たちは、「働き方改革」「長時間残業是正」が声高に叫ばれる中でも、マネジメント行動を変えられないのでしょうか。それは、環境や時代の変化に合わせた「アンラーニング(Unlearning:学習棄却)」ができていないからです。
> 今、マネジャーたちには、①コンプライアンスを守り②多様な部下を扱い③部下に残業をさせず④自分も残業をせず⑤組織のパフォーマンスを高め⑥個人としての成果も上げ続けるという高難度な課題が与えられています。これはほとんど「無理ゲー(クリアが不可能なゲーム)」でしょう。(中略)まさに、日本でマネジャーになることは「罰ゲーム」と化しているのです。