紙の本
非常に勉強になりました。
2024/01/11 19:46
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
暫く以前に購入し、久しく『積ん読』になっていました。ところが或るYouTubeチャンネルでのトピックスを機に断続的に読み進めて読了するに至りました。
先ず以て用語に関し、しっかり知見を得られました。例えば『難民』が好例でした。また平素の疑問点の解消も出来ました。それはコンビニや牛丼チェーン店で最近夙に増えた外国人の店員さんです。何故最近になって増えたのか、よく解りました。
入管法の内容や局の組織等についても丁寧に著述されてあり、理解が深まりました。やはりというか、お役所仕事と解される点もあります。ですが一方で大事なフィルター役でもあるので、国衛という重要な立場である点も首肯出来ました。
本書は何より平易で丁寧な文体でした。故に読み易く、且つ理解もし易かったです。また内容自体が余す事の無い位に網羅的だった事が殊更良かったです。入管について知見が深まる一書だと思います。
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2019年4月施行の出入国管理法の改正で何がどのように変わるのかがよく分かります!
2020/05/08 08:44
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、2019年4月より施行された新しい出入国管理法は、何を目的としたものなのか?またこの改正によって何がどう変わるのか?などについて丁寧に解説した一冊です。現在、日本には永住許可証をもっている外国人が76万人おり、それ以外にも出稼ぎ目的の多くの外国が日本に滞在しています。他方、日本は少子高齢化によって労働者不足となり、多くの業種で外国人を雇い入れているところが目立ってきています。この状況において、出入国管理法の改正はどのような役割を果たすのでしょうか。同書の内容構成は、「第1章 外国人の定義」、「第2章 コンビニ外国人が増える理由」、「第3章 増え続ける外国人観光客」、「第4章 人手不足分野の仕事」、「第5章 国際結婚した外国人」、「第6章 既に移民大国の日本」、「第7章 強制送還」、「第8章 偽装難民・急増のカラクリ」、「第9章 日本人になる外国人」となっており、現状やその課題などがよく分かります。
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
外国からの流入者をどのように遇しているかを法律的観点から解説している。問題点を深く掘り下げるというよりは国民一人一人がどのような社会を作るのかを問いかけてくれるる。
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2019年9月7日ワークショップ「変わりゆく入管政策―日本語教育者が知っておきたい改正入管法の見方―」(日本語教育の夏フェス2019)で推薦図書として挙げさせていただきました。本当にお勧めです。今後、日本語教師養成講座で担当している「日本語教育事情」の講義でも紹介していきたいと思います。
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読了。入管法関連の本はいくつか読んだけど、この本が一番綺麗にかつ分かりやすくまとまっている。著者個人の考察や主張に関しては読者の中でも賛否分かれるかもしれないけど、それを抜きにして制度の理解だけで考えても非常に良書。
これから外国人支援や入管法について学びたい人の最初の一冊にピッタリ。
個人的には、なぜ日本で難民認定が少ないのかを採り上げた箇所が一番新しい見解が持てたので良かった。そして、日本の在留資格や国籍は、やはり血統主義が色濃いんだなあと思った。
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そもそも、国籍とは、日本人と外国人の違いから考えよう。
最近の入管をめぐる論は、あまりにも情緒的すぎる。
日本はすでに、世界第4位の移民大国であり、ここには、在日は入ってないだろうと考えれば、いや、むしろ何言ってんだの世界になるよね。
難民云々も、そもそも、難民という資格が、法で厳密に定められていることを考えらば軽々に論ずる話でもなくて。
もう、日本を壊そうという動きはやめませんかね。
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外国人観光客・外国人労働者の受入れ、”移民政策”、”難民”認定、そういった議論と入管法の関係をわかりやすく解説してくれています。
「もっと外国人を受け入れよう。」それ自体聞こえの良い意見ですが、現行の入管法制でどのような在留資格があり、何が出来て、何が困難なのか、それを前提にせずしては議論の進展がありません。折しも2018年秋に「特定技能」という在留資格の創設がありましたが、新卒・終身雇用の労働市場や日本語能力の問題は、入管法では対応できません。
「移民」という言葉もイメージだけでの観念的な議論は全く意味がなく、「移民」は結局入管法上の「永住者」と同義であって、入管法の「永住者」要件の議論を深めていく必要があります。
さらには、「難民」。難民条約の定義に依拠した入管法上の「難民」は、一般的なイメージの「難民」と相当異なっていること、「難民認定者数が”少ない”」訳(定義の問題+在留延長目的の申請も多数とみられること)、一般的イメージの「難民」の受入れは「難民」該当以外の道でも行われていること等々。恥ずかしながら理解不足でした。
著者自身、在日三世で帰化したかたで、主張もある方のようですが、そうしたバックグラウンドにはこの本では全く触れられず、解説に終始しています。
「外国人政策の基本法と言える入管法の知識があまりにも欠落した一連の議論に大きな危惧を覚えていました」との、あとがき。その指摘のとおり、現行法制度の正しい理解のもとでの深い議論が望まれます。
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入管法の概要。
血縁関係があれば能力よりも容易に日本の永住権取得や帰化ができるため偽装結婚が生じる。
また、戦後在日韓国人の帰化が多かったし、それが目的の法律でもあったが、日系ブラジル人の移住があり、近年はほかの国が多くなっている。
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日本における永住者は、2018年6月末時点で約76万人。この二十数年間で約10倍となる。法務大臣が永住を認めるための要件は、入管法に明記されている。素行が善良であること、生計を営める資産又は技能があること、国益に合することの三つ。但し、要件はファジーであり、仮に満たしていたとしても許可しなければならないものではない。入国させるかどうかは法務大臣の裁量に委ねられており、厳格にも緩くもできる。増えていく外国人と如何に向き合っていくのか。本書では最低限知っておかなければならない入管法について、「いろは」の「い」の字から教えてくれる。また、昨今の課題にしっかりと向き合い将来展望について言及している。
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なぜそのような制度や法規ができたか、といった背景が簡潔に書かれていて、納得しながら読み進められた。新書だから素早く概要をつかむことができる。詳しい専門書を読む前に最適な入門書。
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2019年4月からの入国管理法改正で、どのように変わるか、そもそも入国管理法とは?ということを法務省入国管理局難民審査参与員を務めている筆者によって書かれている新書。入国管理法の知識の入門書として、全九章からなる本書は章の最後にポイントが簡潔にまとめられており、私のような不馴れな者でも読みやすい内容だった。
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入管法についての入門書。
日本において外国人の出入国管理はどのようになっているのか、その概要を掴むことができる。とっかかりの一冊としては分かりやすく良い。
これまでは恐らく一部の人にしか関係しない話だったと思うが、今ではコンビニのオーナー、農業経営者も入管法についての知識が必要となっている。
これからは一般のビジネスパーソンにも必須となる知識と思う。
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良書。始めに直近トピックとして入管法改正があり、そこから分かりやすい事例を踏まえて、制度を遡り波及するという分かりやすい構成。入門として読んだのですが、基礎的データもあるキチンと示してあり、より専門的な情報に触れたくなった。ただ法としての客観的な解説が主なので、これもトピックの一つである技能実習などの人権的な動向等について知りたい方は、他の本にお任せしたほうが良いと思われます。
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「毎年3000万人の外国人が日本に入国しており、実習生は5年で13万人増加。移民は76万人に上る。観光庁による、観光立国化のためのビザ規制の緩和により、今後も外国人入国者は増えていくことが予想される。
さらに2019年4月の入管法改正により、外国人が日本に留まれる新資格に、介護や農業、外食産業や製造業などの人手不足分野が追加された。政府は「入国管理庁」を設置する方針。そんな中で、様々な問題が起きている。出稼ぎ目的の偽装難民による申請増や、外国人カップルに永住権を与えられる法律の抜け道などのケースがあると、難民審査参与員である著者は述べる。
入管法はなぜ、どのように改正されたのか。やさしい解説をもとに、入管法への理解を深めていく。」
「最近急激にコンビニで働く外国人が増えていると感じませんか?日本には素手に永久許可を得た約76万人の「移民」が暮らしており、世界第4位の移民大国と言われている。その背景にはどのような法改正があったのだろうか。さらに「強制送還」や「偽装難民」という知られざる問題にもスポットを当てる。「関係ないではすまない」状況が迫っている。」
(大居雄一『身になる読書術』の紹介より)