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若者らしいお話で、好感が持てる。ただ、謎の部分の盛り上がりが少し控えめな感じなのが残念。
高校時代の話も全体的にあっさりなので、もう少し熱い感じの方が良かったかも。
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夢と宇宙の物語。
科学館での青春の日々を過ごした男女4人が何年かの時を経て再会する。 夢を追うもの、夢を諦めたもの関係は複雑で、そこに科学館の閉館と館長の死、館長の奥さんからの謎、などなどが絡まっている。
夢!!とか言われても、夢を持ったことはないし、宇宙にも興味ないし。 ただこの作品を高1で書いたというのはすごい。言葉選びとか。そもそも書き上げられるだけですごい。
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16歳で新人賞を獲得したと知り、思春期特有のセンチメンタル系と思いきや良い意味で期待を裏切られた。宇宙学にかなり熟知した書き方。人情ものとミステリーが合わさったような作品でさらっと読めて伏線が結末につながっていて面白い。
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正直、これで小説すばる新人賞とったというのは流石に厳しいものがある。
「高校生」が「最年少受賞」っていう話題で売り出されてしまった感じ。完全に名前負けしてしまっている。
高校生が初めて書いた小説なら一定の評価はあるけど、ここはプロの世界なんだからそれで認めて良いかというとちょっと………
他の候補作品はどうだったのか気になるところ。
まず間違いなく作者がおっさんだったら受賞してない。そもそもおっさんはこんなといっては失礼かもしれないけど安っぽい「夢」という言葉だけでとってつけたようなストーリー書かないと思うけど。
朝井リョウと比べるのはかわいそうだけど、『桐島〜』を読んだときは中学、高校生に存在する独特の雰囲気とその一人一人に存在する隠された内面を非常に鮮やかに、彼にしか書けない筆致で物語世界を構築していて非常に物語の世界に入ることができた。
登場人物と同じ視点で彼らの学校の中に入って、一緒に小説の中の物語に入り込めたんだけど。そしてそれを大学生で書いたというんだからこれは相当な文章力と人物造形力があるなと非常に驚かされた。
そして、その物語は「桐島」を中心として短編のひとつひとつのなかでとても巧妙に伏線を貼りながらリンクされていたのも世間から評価が高かった。たしかに彼には、彼にしか書けない小説世界があったんだけど、これは「高校生にしてはよくかけた小説」でしかない。この作者にしか書けない、っていうものがない。宇宙がこの作者の強み!って言われても「ふーん」としかならない。
どれくらい小説読んでるのかわからないけど、とにかく人物造形がかなりおざなりだし、登場人物の顔が全く浮かびません。この先この人の作品を読んでみたいなと思わせる要素がほぼ皆無でした。厳しい意見ですが、、、
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夢は足枷みたいなものじゃない。持ちたいから持つ、持つべくして持つ、ささやかでもいい、叶わなくてもいい、ただ人を突き動かすもの。 もう少し自覚的に、夢をみる生き方をしたい。迷わずにもっと自分を突き動かせる人になりたい。 昔の自分にしっかり顔向けできるように可能性をしっかり選んでいかなくては(2017)
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星というのは近くにあるようで実際には手が到底届かない。
生きていく中で大きな選択という壁に必ず当たる。
たくさん悩んで考えて、、でも時には思考を変えて新しいことに挑戦してみたり、立ち止まってみたり、いつもは見えなかったものが見えてくるのかも。
今の私にはとても心が軽くなる一冊でした。
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科学館の館長の訃報を受けて、久しぶりに会った同級生達。
彼らは、それぞれ生きる道を辿っていた。訃報をきっかけに科学館の閉鎖が決定したり、館長の隠された経歴が明らかになっていきます。そこから彼らの見えなかった部分や人生の葛藤を垣間見えてきます。
登場人物達は、夢を諦めた人や目指そうとする人など、あらゆる「夢」によって人生を歩んでいる人たちが描かれています。作者のデビュー作品ということで、印象深かったのは、場面の転換が、スーッと自然に切り替わるので、ぶった切った感じがそんなにありませんでした。ただ、そのせいか、視点が一人ではなく、「僕」「私」「俺」の複数の視点であるため、「あれ?いつ視点変わった?」と思ったことが何度もありました。なので、あまりそれぞれの登場人物に感情移入しづらかった印象がありました。
同級生達の青春群像劇ですが、現代と過去の物語だけでなく、館長の世代や館長の孫世代での群像劇も垣間見えていきます。淡々と進行しているかと思いきや、あまり重視していなかったことが伏線として回収している場面もあり、ちょっとしたアクセントがあって、楽しめました。
科学館が舞台ということで、宇宙の知識が散りばめられていて、星を見るのが好きでしたので、個人的には面白かったです。ふっと立ち止まり、心を穏やかにさせてくれるような作品でした。
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4人の20代の若者と2人の高校生を主な登場人物とする「夢」をテーマにした小説。
著者の2作目である『凪に溺れる』がすごく良かったので、著者のデビュー作であり、当時高校生でありながら小説すばる新人賞を受賞した本作も読んでみた。感想としては、高校生が書いたにしてはすごくよく書けている小説だと思ったが、2作目の『凪に溺れる』に比べると、ちょっと凡庸というか、まだ青さを感じた。具体的には、登場人物のキャラや台詞があまりこなれていないというか、自然でない感じがした。
一方で、青春時代に対するセンチメンタルな気分を惹起させるような刺さる部分も随所にみられ、読後感の良い作品ではあった。
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すごく良かった…
プラネタリウムが見られる科学館が登場して、私の地元にもプラネタリウムが見られる科学館があるからその日々を思い出した。
誰にでも人には見せない過去があって、それを乗り越えて飲み込んで生きていくんだろうなと思った。
館長のように、誰かの人生の記憶にそっと寄り添う人になりたい。
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作者の執筆時の年齢を知らずに読めばよかったが、どうしても文章の未熟さが気になってしまった。ただ構成や人物の描き方などは非凡な才能と言わざるを得ない。
読後あなたはプラネタリウムに行きたくなるだろう。
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当時16歳の著者が書いた、小説すばる文学新人賞受賞作。読んでいる間、青いなあ、と思うことが多かったのですが、16歳がこの小説を書いたと聞くと、その青さの意味も大きく変わってくる気がします。
中学時代毎日のようにプラネタリウムと図書館が併設された通称「科学館」で過ごしていた4人の少年少女。しかし、ある時を境に4人の距離は疎遠になってしまう。それぞれが就職し大人になってから、その科学館の館長の訃報が届き4人はひさびさに顔をそろえる。そこで科学館の閉館も明らかになり……
作品の雰囲気は全体的に感傷的。それぞれの大人になりきれていない部分、夢を諦めたことに対する後悔であったり、青春時代の気まずさを引きずっていたり。そして物語の前半は回想が多用されて、それも彼らが青春時代を引きずっている感じを演出する。
4人の話と並行して描かれる館長の孫のパートも、将来のことが具体的に想像できないであるとか、言葉にできないモヤモヤであるとか、そういった感情が描かれます。
将来の夢、変わっていく人間関係、一つしか選べない未来。そうしたものに対する不安というか、言葉にできない思いというものが、物語全体に投影されている気がします。そしてこうした話を16歳が書いたと聞くと、スッと腑に落ちる気がする。著者自身が抱えていた今と将来への鬱屈とした思いが、作品全体を纏っていたように思います。
現在科学館で働く薫が書いた高校の校庭への落書き、館長が残した論文、そうした謎を配置しつつ、物語はクライマックスへ。
夢の残酷さ、変わっていくものに対する言いようのない不安。それに対し著者は、この小説を書くことでそれに言葉を与え、意味を見出したのではないか、と思います。
物語は全体的に青臭くて、今の年齢の自分が読むと正直気恥ずかしくなる部分や言葉も多く、物語や登場人物に入りきれないところはありました。
30代、40代以上の年代が、この小説を書いていたとしたら、たぶん自分は少し白けた目でこの物語を読んでしまっていた気がする。だから、この小説を16歳が書いたというのは、ある意味では納得できるし、印象に残るのだと思える。
この年代がどこかでぶつかる、夢や未来に対しての感情が感傷的に、そして瑞々しく描かれた作品でした。
第29回小説すばる文学新人賞
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読了。
夢を追う勇気、諦める勇気、さがす勇気、、
時間は有限です、今が過去に変わるのは一瞬です。
分岐だらけの人生、正解探しをして生きてるわけじゃない。今やれることを信じてやるしか、進むしかないんだ。
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珍しい宇宙ものの小説。プラネタリウムをきっかけに宙に憧れる4人は青春真っ只中で、大人になったそれぞれの「夢」のかたちがリアルであたたかい。夢を追いかけている人にも、夢を諦めた人にも依りそう一冊。
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青春小説。
高校生の時、こんな素敵な体験したかなって。
高校の時にしかできないこと、感じられないことを全力でやって欲しい。
大人の真似事したって面白くない。
反抗したっていいけど、高校時代を楽しくできれば、いい社会人になるよ!
そして、挫折したっていいじゃない、何回でもやれば!って思わせてくれる小説。
是非読んでもらいたい。
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とても読みやすい小説だった。
夢を諦めて公務員となった祐人と自分が全く一緒で感情移入してしまった。
この小説を高校時代に読んでいれば、自分ももっと夢と向き合っていたかもしれないと感じさせられる小説であった。