紙の本
この本を読もうと思う人にはわかりやすい
2019/09/17 14:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:UMA1001 - この投稿者のレビュー一覧を見る
このような本を読もうとする人には非常にわかりやすく読みやすい内容だと思う。
・幸福になるにはそれを求めないこと、幸福は美しい蝶のようなもの。追えば追うほど逃げていく、しかし別のことに気をとられているとそっと肩に止まっている
・私たちは探検をやめることはない、そしてすべての探検の終わりに出発した場所にたどりつく、その時はじめてその場所を知る
紙の本
構えず読める経済の話
2023/03/22 06:32
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜイギリスがオーストラリアの先住民アボリジニを侵略し、アボリジニがイギリスを侵略しなかったのか?という問から始まるこの本。そんなんたまたまとちゃうん?と思っていたら大間違い。それにはきちんとした答えがあるんです。この本は、例えば鹿狩りや収容所内を例に挙げながら、すごく分かりやすく、中央銀行の役割を始め、経済のことが説明されています。それもそのはず。著者はギリシアの経済危機のときの財務大臣を務めた方。あまり構えずに読めて良かったです。
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さまざまなシステムの始まり(起源)に遡行して、その後の展開と現在地点そして課題を分かり易く示してくれる良書
2022/08/23 16:48
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投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
難しいトピックをよくここまで分かり易く解きほぐしたものと驚きながら、読み終えた一冊。若い世代への愛情と期待もひしひしと伝わってきました。(それでも、第7章はけっこう難解では?)個人的には、(1)鮮やかに描かれたおカネの起源、(2)「工場で働くロボットは製造には役立っても、製品を買ってはくれない」との指摘(149頁、AIも同様、結局国民全体=労働者にして消費者を守らない国や企業に未来はない)、(3)地球にとってはヒトそのものが「ウイルス」である(第8章)という表現の三点が、強く印象に残っています。
「メソポタミア時代に農業を営んでいた・・・ナバックさんは働いた分に値する貝殻をもらっていた。その貝殻には、収穫が終わったらナバックさんが受け取れるはずの穀物の量が刻まれていた。数字を刻むのは、支配者に雇われた役人だ。数字の刻まれた貝殻と、中央銀行の発行するおカネは、基本的に同じものだ。メソポタミア時代の支配者は、貝殻に刻む数字を勝手に決めて、いくらでも好きなだけ貝殻を与えることができた。中央銀行がやっていることと、そう違わない。当時もいまも重要なのは、貝殻に刻まれた数字や、口座残高の数字を、人々が信用できるかどうかだ。」(103~4頁、通貨価値=債務の記録=将来の現物(いわば担保)の価値に依存=将来(未来)の現在への織り込み)
「最初はそんなふうに取引が行われていたが、まもなく大きな変化があった。ある品物が他のすべての物資の取引媒体として使われるようになった。その品物が実質的な通過になったのだ。」(176~7頁)
「もし支配者がとんでもない量の穀物を約束したり、貝殻に数字を彫り込む役人を管理できなかったりしたら、あっという間に信頼は崩れていただろう。硬貨も同じだ。そこに含まれる貴金属(金や銀)の量が間違っていたら、信頼できなくなってしまう。」(186~7頁)
「収容所内の通貨とは違って、市場社会の物理的な通貨は取引を円滑にするために生まれたものではなかった。それは債務を記録するためのものだった。金持ちの支配者がナバックさんのような貧しい農民に今後どれだけ支払いをするかを記録するため、そして税金を集めるための道具が、物理的な通貨だった(だからこそ、支配者はいつも自分の懐を潤すために、通貨の質を落としたくなったが、、そうすると受け取る税金の価値も下がるので自制してきた。」(192~3頁)
それにしても、最後の「HALPEVAM」(ある種の快楽漬けシステム、230頁以下)のところで、「満足と不満の両方がなければ、本物の幸福を得ることはできない。・・・ 世界と衝突し、葛藤を経験することで、人は成長する」(231頁)とあるが、それを織り込んだシステムだったらどうなのだろうか? 開発者側(権力者側)からすればそんなものは作るはずがないということなのであろうか。いずれにしても、肉体の成長性(身体性)から切断されているという点も、重要な論点であろう。(身体は幼時のまま、あるいはブクブクになって、脳内蓄積経験だけが肥大化すると、人間はどうなるのであろうか・・・)
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分かりやすかった。
Surplusによるヨーロッパの発達と
船で渡る商人によるグローバルビジネスの発達。
あとは第二次世界大戦の人種別に別れた牢屋の中での市場について。
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専門用語をほとんど使わず、ストーリーを使って分かりやすく経済の事を説明した本。
今まで経済の本はとっつきにくいものが多かったが、この本は10代の娘に向けて書かれたもので、分かりやすくドンドン読み進められる。是非読んでおきたい本である。
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かつてリーマンショックを予測し的中させたギリシャの元財務大臣による経済入門。古代における「経済」の誕生から、産業革命における「格差」の拡大、国家による統制を受けない仮想通貨の弱点まで、「経済」という視点で人類史を俯瞰できるのです。
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p138 いま、われわれはそんな大転換の最中にいる。〜しかし残念ながらこの変革は、解決と反対方向に社会を向かわせている。変革の目標が〜人間を機械に置き換えることになってしまっているのだ。
p141 〜利益について、それ自体が目的になっていく〜
p153 機械と違って人を雇えば、人はお金を循環させ〜
p154 だから、仕事が単純化され機械化が進み、賃金が下がりすぎると、ある時点でものが売れなくなる。〜労働者が機械化に抵抗することは、雇用主も含めて市場全体の得になる。労働者の抵抗が自動化にブレーキをかけ、利益の破壊を防ぐからだ。
#機械は人の営みを助けるものであるべき。社会は人のネットワークであって機械のネットワークではない。人が機械の道具となる日が来れば逆転する。
p155 〜もし機械が人間の創造力や〜能力〜今後機械が発達し、そうした仕事ができるようになるだろうか。
#アイデアが過去のアイデアから生まれるなら可能。その創造に機械自身が何らかの喜び(主体を動かすモチベーション)を得られるか、それが必要かはわからない。喜びを得るなら最早機械ではない。
p159 どの部分を取り換えたら君が君でなくなるのか〜そのどこかを取り換えたら、君や私が人間でなくなるのは確かだ。
#どこまでが人間であるかは本人ではなく他者によって決まる。周囲がどう接するか(どう扱うか)であり、扱われる側が決める事はできない。(扱われたい方向に努力することはできる)
鬼(異邦人)が村人(コミュニティの一員)になれるかはその働きによる。
p168 われわれ人間はテクノロジーの可能性を余すところなく利用する一方で、ひと握りの人たちの奴隷になることもない社会を実現すべきだ。〜機械が生み出す富をすべての人に分配したほうがいい。
p202 〜私の父に話を聞いた。〜政治犯として〜収容されていた。その収容所でタバコが通貨として使われていたかを聞いてみた〜。父の答えは〜「私たちは受け取ったものをなんでも分け合っていたよ。〜」
p232 〜ヘンリー・デイビッド・ソローは、「幸福になるには、それを求めないことだ」〜。幸福は美しい蝶のようなものだ。「追えば追うほど逃げていく。しかし別のことに気を取られていると、そっと肩に止まっている」
p233 市場社会は見事な機械や莫大な富をつくりだすと同時に、信じられないほどの貧困と山ほどの借金を生み出す。
p240 アルキメデスは、離れてみると、何事も不可能ではないと言った。〜人を支配するには、物語や迷信に人間を閉じ込めて、その外を見させないようにすればいい。〜すっかり内側に入ってしまうと、アルキメデスの視点でものを見られなくなってしまう。
p246 この世界を本当に公正で理にかなった、あるべき姿〜
#それって何?
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経済について分かりやすく語った一冊。
格差が起きる理由やお金について、歴史的なものも踏まえて書かれています。
交換価値と経験価値の話が分かりやすかったです。
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ギリシャ金融危機の際にギリシャの財務大臣を務めてた経済学者が書いた本。
たしかに面白かった!
『信用の新世紀』『日本が売られる』『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼 』『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』なんかに書かれている事がこの本でギュッと結ばれた感じ。
国の財務を預かっていた人が、「基本的に金持ちは税金を払わない仕組みを作り、貧乏人はカツカツのところから税金を出すだけなので、総論として国を維持するための税収は常に足りていない。だから足りない分を国債で賄い、債務超過はある程度不可逆的なもの」って言い切られると、ねぇ。
人類史において市場ができた時代と、市場社会になった時代は全く異なっていて、交換可能価値にばかり重きを置かれるいわゆる資本主義社会というのは人類の歴史の中でも随分最近のもので経済活動においてさえ普遍的なルールではない事。封建制以前の宗教が支配の正当性を民衆に刷り込むためにその機能が果たされていた事と同じように、現代の経済学は資本主義支配の正当性を裏付けるための仕事しかしていない、とあっち側の人だった学者が言うんだもんなぁ。
とにかく、「考えろ、疑え」だそうです。
結論はテクノロジーを肯定的に利用し、人間の人間たる特性を最大限に使い、ベーシックインカム的な方法論で資源の民主化を進めるべきだ、という考え方の人でした。
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交換価値に支配された現代社会の私たち。昨今では「市場スコア」なる自分自身にまで市場価値を付けるサービスまで現れた。
いつ、どこで、どのように、この市場に支配される社会は始まったのか?その歴史を紐解きながら、今ある世界の経済のあり方を分かりやすく説いてくれる。
普通の経済書とは全く違ったアプローチ。
ギリシャの政治家だから古代ギリシャやローマのアネクドートがいっぱい出てくるのがいい。
もっと内容分厚くてもよかったな。
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経済は農作物の余剰が出来たことで発達。
・宗教発生は経済的要因。
余剰を支配者が独占し、それを正当化するためには、現在の地位は天からの授かりもので、それに反することは世の中に大混乱をもたらすのだと、信じ込ませる必要性があった。これが宗教の役目。
・オーストラリアは英国に支配されたが、逆にアボリジニが英国を支配できなかった理由。
経済は軍事力であり、経済力は余剰から発生、で、地政学的な話。ユーラシア大陸はヨーロッパから中国まで、比較的温暖で作物の生育に適しており、(特に小麦は西から東まで育つ)余剰が多く発生。これが国力となり世界を支配できる国力を持つ国はユーラシアから生まれた。アフリカは南北に長く、アフリカ全土で育てられる穀物は無く、農業文化の広まりは極めて限定的。そのためアフリカから強大な国家は生まれなかった。
・イギリスで産業革命が成功した理由。
大航海時代、貿易が金になることに気づいた英国貴族は、保有する広大な敷地で農奴に作らせていた玉ねぎなぞ、何の役にも立たないと気付き、農奴を追い出して羊を飼い、羊毛を輸出することにした。追い出された農奴は羊の世話をして羊毛を刈り、売却して、その益から貴族に金を収める商人と、蒸気機関の発明で広まり始めた工場で働く労働者に転換し、産業革命を後押しした。
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「美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい」というわけではない。原題は「Talking to My Daughter about the Economy」で、「美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい」というのは邦題に勝手に付けられたものなので当然といえば当然。特徴は、娘に向けて語りかける感じなので、物語調になったり、古典の引用を混ぜたりしているが、まわりくどいので、どちらかというと分かりにくい。
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私も渡し自身で娘等に色々教えたいと思っており、手に取る。自分にとっても興味深い話、「何故ヨーロッパは色々な場所に植民地を築けたか」
が、それ以降は難しくなってしまい、娘に教えられない内容、うーむ。
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市場社会が生まれた経緯に始まり、それを維持する金融システムの内容、政府の存在、格差、AI&ロボット社会の功罪、環境問題、民主主義、幸福とは?...etc, かなり幅広い内容を、歴史上の出来事や、印象的な挿話を取り上げ、順序立てながら分かりやすく説明していく内容。
p.250弱とそんなに長くなくスラスラと読めるも、かなりお腹いっぱいな読後感。それほど濃い本だった。
・市場社会の始まりは農作物などの余剰から生まれ、それを取引するための信用ツールとして通貨が生まれ、それを管理するために政府が生まれる。
・農作物をつくる土地をその時の支配者などに奪われた農奴達は生きるために別の起業をする。そしてそのためには金がいる、そこで銀行が生まれ、金を貸す事で借金が生まれる。この借金から、全ての富が生まれていく。
・労働力とマネー。産業革命以降、労働力は機械化。機械に働かせるか、人間を機械のように働かせる社会へ。またテクノロジーは今は一部の富裕者にのみが支配している。そのようなものが労働を全てAIやロボットに代替しても、しかし経済は破綻する。人間が働いて賃金を得る事で経済が回るが、現在のロボットはお金を使わないから。
・意志をもったAIが登場すると、世界はマトリックスのような悪夢の世界に?
・経験価値ではなく、全てが交換価値でカウントされるのが市場社会。昔は良い行い=GOODこそに価値があったが、交換価値が重視される社会では全てがGOODs=商品となってしまった。そこでは環境を破壊して得られるものが交換価値を生み出し、環境は破壊され続ける。
・そんな世の中で良いのか?そこを解決できる唯一の方法は、民主主義であること。
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ギリシャの財務大臣が娘のために書いた本
「資本主義」のかわりに「市場主義」という言葉を使う
農作物の生産によって、はじめて本物の経済の、基本になる要素が生まれた。それが余剰。
余剰が世の中の様々なものを生んでいる。
文字、債務、通貨、国家、官僚制、軍隊、宗教、、
支配者を正当化する思想として生まれたのが宗教
だから何千年も国家と宗教は一体だった
経験価値と交換価値
人間は昔から利益を追求していたわけではなかった
市場社会ではすべての富が借金によって生まれる
全員が協力しなければ目標を達成できないのであれば、成功には個々人の協力だけでなく、個々人がみんなも協力するであろうと信じている必要がある
機械を1人の経営者が保有すると益々格差は広がる
共同所有し、機械が生み出す富を分配しては?
地球は誰のものでもないから誰かが汚してしまう
すべての商品化かすべての民主化
経済学は「公式のある神学」
「経済学者はどちらかというと科学者ではなく、どれほど賢く理性的であっても人生の意味を確実に知ることはできない哲学者のようなものだと認めたほうがいいのでは?」